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2024.11.01

舞元啓介と天開司が明かす、夏の風物詩「にじさんじ甲子園」の“熱い”裏側

にじさんじでは、毎年夏にどこよりも熱い催しが行われる。それが夏の一大イベント「にじさんじ甲子園」だ。野球ゲーム「パワフルプロ野球」シリーズを活用し、にじさんじライバーをモチーフにした選手たちによるチームが真夏の球宴を繰り広げるこのイベント。「パワフルプロ野球」シリーズのメーカー・コナミデジタルエンタテインメントの協賛、開催協力を受け2020年から開催されている。 いまや「にじさんじフェス」に迫る規模の大人数参加イベントとなっている本企画を主催するのは、舞元啓介、そして天開司。にじさんじ夏の風物詩と化した長寿イベントを見守り続ける2人に、主催としての思いを聞いた。

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目次

舞元啓介とにじさんじだからこそ、ここまで大きくなった

関わるライバーすべてにスポットライトを当てたい

選手たちのドラマ、監督の思惑――主催も予想しないことが起きるから、面白い

“ガチの野望”はスーパーボウル化、球場でのパブリックビューイング

Profile

  • 舞元啓介

    38歳の独身農家。若白髪に悩む日本人でスポーツ観戦を何よりも愛している。 近所の子供達から白髪のおっさんとしていじられており、正直やめてほしいと思っているが、近所の皆様の目線が怖く強く言えない小市民。

  • 天開司

    バーチャルYouTuber活動で借金返済を目論む債務者VTuber。最近は返済見通しが立たないことを開き直っている。活動内容はゲーム配信、企画配信、麻雀、音楽、ギャンブルと多岐にわたる。

舞元啓介とにじさんじだからこそ、ここまで大きくなった

──まずは、今では毎年夏恒例の大型イベントとなった「にじさんじ甲子園」のこれまでを振り返って現在のお気持ちをお聞かせください。

舞元啓介(以下、舞元):自分で主催しておいてなんですけど、まさかここまで大きくできるとは思ってなかったっていうのが正直なところですね。もちろん最初から「大きくしてやろう!」っていう気概でずっとやっていたんですが、いつも「上手く主催できているのかな」という気持ちはあります。

とはいえ、普段から「司から借りている企画」(※にじさんじ甲子園の母体は、天開が2019年に開催した「VTuber甲子園」)とずっと言っているものの、にじさんじ甲子園に関しては自分の企画と自負していて、VTuber甲子園では実現できないところ、にじさんじだからこそできそうなところ、と自分の中でアイデアを膨らませて1つひとつ取り入れていった結果、今のイベントの規模になっているのかなと思います。そのあたりは運営と相談しながら、慎重に毎年新しい試みを増やしているのが上手く回っていると思うので、そこは素直にうれしいですね。大変さは増してますけど(笑)。

「にじさんじ甲子園2024 開催決定!【 #にじ甲2024 】」より。

「にじさんじ甲子園2024 開催決定!【 #にじ甲2024 】」より。

天開司(以下、天開):自分が以前1人でやっていた「VTuber甲子園」というものを舞元に託す形にした結果、にじさんじさんで毎年夏の恒例とまで言われる大々的なイベントになりましたけど、それはやっぱり1人ではできないことですよね。天開司1人の「VTuber甲子園」では絶対に実現できない、また別の企画になっているなと。それくらいすごいものにして、今もやってもらっているっていうのは本当によかったなと思いますね。

今の形はにじさんじさん、ANYCOLORさんじゃないとできないというところはもちろんありますけど、その中でもやっぱりこれは舞元じゃないとたぶんできなかったんじゃないですかね。ほかの誰かから言われてその人に託したとしたらどうなってたんだろうなー?っていう感じかな(笑)。やっぱりわかってるやつがやらないと、どこかで変わったものになってしまうと思うんですよ。企画の味っていうんですかね。そういった企画の大事なところがけっこう変わってしまうってあると思うんですけど、甲子園は舞元のおかげで大枠が変わることなく、ずっとできていると思います。

2019年開催の「VTuber甲子園」。

──「甲子園」企画は、言わば天開さんが種を植えて芽吹かせたものだと思いますが、舞元さんとにじさんじによって今は大樹のように大きく育ちました。企画が成長しているところを一緒にご覧になって、生みの親である天開さんとしてはどのようなお気持ちですか?

天開:本当にうれしい気持ち。これに尽きますね。自分が最初に考えた企画が、ここまでの大きな企画になったっていうことは本当にうれしいですよ。そこから逆に刺激をもらって、自分もがんばらなきゃなって思って今年の2月に「VTuber甲子園」を復活させたんですけど……。そちらを来年もがんばってやって、同じくらい盛り上げていけたらなって思っています。

関わるライバーすべてにスポットライトを当てたい

──監督を担うライバーはもちろんのこと、選手枠でも関わるライバーが多いイベントですが、それだけの大規模だからこそのやりがいやこだわり、あるいは大変なことや苦労したことなどを教えてください。

舞元:こだわりはずっと変わらず、「にじさんじ甲子園」を通じて「今まで知らなかったにじさんじのライバーを新たに知る機会にしてほしい」という気持ちがすごくあるので、今にじさんじにはこういうライバーがいますよ、っていうところを積極的にアピールして周知することですね。全員じゃないけど本当にたくさんのライバーさんが手を挙げて参加してくださっている中で、どうやってそのライバーさんたちに還元できるかなって考えたときに、たくさんの人が見てくれるからこそ見せ場をできるだけ作りたいって思っています。

だからこそ今一番苦労しているのが枠の問題なんです(笑)。いったいどれぐらいのチーム数にすれば全員出れるのか、とかもうすごく考えるんですけど、にじさんじの膨らむスピードが速えー速えー(笑)。

天開:日々増えてくからねー(笑)。

2020年夏に行われたドラフト配信より。この年は6チームが参加し、各チームに16~18名が所属した。

20204年開催のドラフト配信より。参加校は8校、選手は各校20~22名とパワーアップした。

舞元:でも参加してくださってるライバーさん全員にスポットライト当てたい、っていうのがこの企画なので、エキシビションとかも上手く活かして1人ひとりになるべくスポットライト当てるようにしてるっていうのがこだわりですね。エキシビションとかわりとゆるい空気でやってるけど、「絶対全員出してくださいね!」って口厳しめに言ったりしてて(笑)。

「舞元はなんであんなに厳しく言うんだろう?」って思われるファンの方もいらっしゃると思うんですけど、エキシビションは特に本戦で出れなかったライバーさんとかにも出場機会が与えられる場所なので、やっぱりなるべく全員が活躍できる場所を増やしてほしいっていう、勝ち負けよりもそっちに意識をしてほしいんだよっていうのがいつも意識しているこだわりであり、参加人数が多いが故に苦労している点かなとは思っています。

決して悪いことではないんですけど、にじさんじちょっとデカすぎですよね(笑)。司ともいつも話してますけど、にじさんじ側で俺1人がこれを考えてるのってけっこうしんどいよなって。

天開:いや、しんどいよね(笑)。

舞元:監督選びから何やらを1人でやってるのはプレッシャーにはなってますね。ただ毎年数いるライバーの中から選んだ監督陣が、最後に楽しかったって喜んでいたり、終わった後も栄冠ナインで上手くいったところや「こうしたら勝てたんじゃないか」とか語ってるところを見ると、やってよかったな~ってうれしくなります。やりがいを感じますね。

──天開さんはいかがでしょうか?

天開:やりがいはめちゃくちゃありますよね。こういう大きい企画に携われることは、本当にやりがいしかない。個人的には、やっぱりドラフト読み上げはやりがいもあるし、これだけ大きなことに携われてるという実感が得られてうれしいポイントですかね。毎年全力でやらせていただいているので、ライバーやファンの方の中でももう定着したというか、「読み上げは天開司がやるよね」って認識になってきたかなって思うので、一番最初の大仕事として気を引き締めてやらせていただいてますね。

舞元:甲子園全体を通じて、唯一俺とのバランスで司の比重が上回るのがドラフト会議だね。

天開:唯一だね(笑)。唯一だし、ここが絶対気を抜けない大仕事かな。けっこうね、大変なんですよやっぱり。ライバーさんの名前が出てきたとき、絶対読み間違えられないし。難しい漢字の人もいるし、横文字でめちゃめちゃ長い人もいるし……。

舞元:そうだね。

天開:「こりゃ絶対間違えられないぞ」っていう気合いはありますね。

舞元:それこそ司が外部の人間だからこそ難しいところあるよね。

天開:難しいね。毎年メモ取ってるから(笑)。指名のときに正式な名前と全然違う、あだ名で書く人もけっこういて、毎回釘刺すんですけど(笑)。

舞元:表記名で書いてねって(笑)。

天開:そうそう。どうしても違う場合があるので、「この人はこういう名前でも呼ばれてて……」とか調べて、メモしてます。だからこだわりの部分でいうと、そうやってライバーさんの名前をちゃんと調べるようにしてるってところかな。

あとは、「にじさんじ甲子園」は主催として舞元がいろいろ決めることが多くて、自分はそれを確認するって立場なので、「今回監督はこの人たちでいくよ」って言われたら、「そうなんだ、よさそうだね」って言って自分も一応確認しておくって感じですかね。基本的に自分はオブザーバーみたいなものなので、準備とかでは舞元がめっちゃ大変そうだな~って思ってます(笑)。俺はね、どうしてもそこまでタッチできないから。

舞元:それでも俺からしたら、相談できてるだけまだ助かってるよ。

天開:うーん。基本的に「いいんじゃない」しか言わないけどね。「この人はダメだよね」って言ったことないし(笑)。

舞元:逆にダメって言われたら、どうするんだろうな俺(笑)。

天開:どうするんだろうね(笑)。

「にじさんじ甲子園2024 ドラフト会議【 #にじ甲2024 】」より。

選手たちのドラマ、監督の思惑――主催も予想しないことが起きるから、面白い

──「にじさんじ甲子園」の開催期間中はドラフト会議、選手育成期間の振り返り番組、本戦、エキシビションなどなど、さまざまな配信・番組で盛りだくさんですが、そういった中でおふたりが印象的だった出来事、裏話や思い出などがあれば教えてください。

舞元:甲子園自体がみんな割と気合い入っていて、けっこう堅苦しめの空気になりがちなところがあるので、ドラフト会議でちょけてくれるやつらが個人的には好きなんですよ(笑)。例えばさくゆい(笹木咲と椎名唯華)とか、いつもドラフト会議で暴れ倒してくれて(笑)。社築をVox(・Akuma)にしたり、いい意味でにじさんじらしい悪ノリとかが印象に残ってますね。サーフィンやしろとかもね。ああいうのがあるから、ほかのライバーもちょけていいんじゃないかっていう……。まあ悪例ではあるんですけど(笑)。

「【 #にじさんじ甲子園 2022 】本戦 Aリーグ」より。ドラフト会議にて椎名唯華との指名対決に破れた笹木咲。その後彼女が育成にて生み出した“Vox社”が注目を浴びた。

天開:今年もありましたね(笑)。

舞元:今年もあったんですけど、あれは注意しづらくなったなって(笑)。同じチーム内だから許してたけど、ほかチームまでいじりだすと難しくなる(笑)。割と楽しい部分ではあるんですけどね。

印象的なところで言うと、俺はわりと鷹宮(リオン)が印象に残ってて。ドラフト会議は、和気あいあいとしつつもちゃんとやるときはガチで欲しいライバーを書くんですよね、みんな。でも鷹宮は、一番大事なドラフト1位指名のときに隣にいた椎名唯華のことを完全にカンニングしてて(笑)。

椎名が書いてた一番最初の文字が「舞」っていう漢字だったんですね。鷹宮がそれを見て、「あ、椎名の指名、舞元だ!」って思ってそこへ被せにいって「舞元」って書いたら、実は椎名は叶のプロフィールにある「突然天使の如く舞い降りてきた~」の一文を書いていて、第1指名が「叶」だったと(笑)。それを見た鷹宮が「え!?」ってめっちゃ驚いて、俺の方を見てすげー困った顔してたんですよ(笑)。カンニングして俺の名前書いて、平然と「椎名、舞元じゃないの!?」みたいな顔してるのが、すげー肝座ってるのかなんなのかわかんねーし、堂々とカンニングしてるし、こいつやべーなって思ってました(笑)。そもそも「俺、甲子園主催だし、鷹宮の同期で親しいから、こいつ俺を1位指名してくれたのかな」と思ったら、なぜか困った顔してて、カンニングして間違えたのかよって。

「にじさんじ甲子園2021 ドラフト会議【 #にじさんじ甲子園 】」より、鷹宮リオンの第1巡選択希望ライバー発表シーン。

天開:すごかったよね、あのとき(笑)。やっちゃダメっていうことをやってくる人が年に1人はいるっていう。

舞元:そうそう。カンニングするなよっていう(笑)。まあ、そういうのも含めて、ドラフトは人の思惑が見られてすごく楽しいですね。今年だとチャイちゃんがパニクってたよね。1位指名(リゼ・ヘルエスタ)、2位指名(加賀美ハヤト)と上手くいってるにもかかわらず、めっちゃパニクってた。

天開:ずっと文句言ってたよね(笑)。1位と2位で自分が指名したい選手獲得できてるのに、「3巡目が取れねぇよ」って(笑)。

舞元:そう、欲しかったライバーがほかのところの1位2位で取られてるから、「3位いねえんだけど」って平然と文句を言ってのけるチャイちゃん。お前どんなドラフト想像してたんだよって(笑)。

天開:本当だよ(笑)。

舞元:本当に今まで見てなかったんだなってわかる(笑)。そういうライバーの個性が見れるところもうれしいですね。ドラフトは正直フラットに見れるので。監督陣に選んでるライバーさんは、基本的にちょけられる人が多いので、こっちも「どんな理由で取ってんのかな~」とか、「1位指名こいつにするんじゃないかな~」とか考えたりするのも楽しい。

天開:そう! 予想してるよね。

舞元:「意外だなー」とかあるよね。まあ予想してるからこそ俺が指名されたとき、割と普通にきょどったもんね。びっくりしたから。「え、俺……?」って(笑)。

天開:「へー、舞元なんだ」って思ったもん(笑)。

舞元:それで言うと俺は選手として出るから、正直本戦中自分の実況解説とか担当したくないんですよ。自分の様子を見たくないんですよね(笑)。活躍するにしても温度感がすごく難しくて。これは裏話になるんですけど、今年俺はフリー枠の予定だったんですよ。

天開:あ、そうだ。それ裏話だ。

舞元:直前に参加を取り下げたいですってライバーさんが1人いらっしゃったので、参加人数が159人になる形になったんですね。そうするともともと160人で調整してたから、8チームで割り切れなくなるので、「舞元さんが選手で指名されてくれた方がやりやすいんですけど、どうですか?」って運営から来て、「じゃあそれで大丈夫です」ってことで指名枠に入ったんです。だから俺、本当は今年指名される気がなくて、「気楽だぜ~」って思ってたんですよね(笑)。

指名されなかったら寂しいけど、指名されたらされたでドキドキする、相反する気持ちを抱える乙女心。そしてドラフト上位になったからには活躍してくれないと困るっていう、そこも乙女心。そしてその活躍を見守らなきゃいけない乙女心。忙しいですね(笑)。

──天開さんの思い出深いエピソードなどはいかがでしょうか?

天開:「熱狂!にじさんじ甲子園」がとにかく楽しいですね。たくさんのチームがあるので、本戦前の育成パートとかで追い切れないところをまとめた振り返り配信を舞元とやってるんですけど……毎年バカみたいに笑うよね。

舞元:笑うねー、面白いねー(笑)。

「にじさんじ甲子園2024」期間中の「熱狂!にじさんじ甲子園2024」の様子。

天開:こう言っちゃなんだけど、上手くいってない人の振り返りでここまで配信を面白くできるんだ、って感心しながらも毎年笑わせてもらえるのが本当に楽しくて。この「熱狂!」やれるのもうれしいところだよね。

舞元:どうしてもね、基本的に配信は全部追ってるけど、「こんなに面白かったのか、ここ」っていうのがあるから。チャイちゃんとか1回1回なげーし濃いから、切り取るとこんな短いんだってなったり。

天開:そこはね、編集してもらってるから(笑)。

舞元:あとでろーんさんがいつものように吠えていたりとか。

天開:闘将がね(笑)。

舞元:編集の結果、ピー(規制音)になってるのが面白いよね。

天開:それも編集しなきゃいけないからね。

舞元:ここでいけない音声出してるんだっていう(笑)。

天開:本当、印象的な試合ばっかりですよ。たくさんのドラマを生み出してるし、毎年楽しみですね。

「【#にじ甲2023】熱狂!にじさんじ甲子園2023 vol.3【にじさんじ/舞元啓介】」

“ガチの野望”はスーパーボウル化、球場でのパブリックビューイング

──にじさんじ甲子園の今後の展望、あるいは夢・野望などあればぜひお聞かせください。

舞元:まずこれは展望というよりある種の予告なんですけど、やっぱり選手枠が相当しんどいので、おそらくリーグ戦での開催は難しくなっていくんじゃないかなって思ってますね。正直去年からリーグ戦をどうするかっていう話は出ていて。去年はリーグ戦の形態は変えずに監督を10枠にすることで対応していたんですね。それで去年やってみて「10はさすがにしんどい」となって(笑)。主催もスタッフも死んじゃうよってなったんですよ(笑)。もちろん監督陣も1日が長くてしんどいし、っていうことで8に戻したんですけど、今度は選手枠がしんどくなってて。だから来年以降は、ここをけっこう変える可能性があるかなって思ってますね。それくらい課題だなと思っているので、そこは対応しようかなと思っております。

ただ、そうやってよりよくするためにいじっていくからこそ、夢としてはまだまだ甲子園を大きくしたい、っていう思いがありますね。まだいろいろできる。それこそ去年からグッズを作らせてもらったりもしてますし、今年は選手の皆さんにもチームグッズを付けられるようになったりもして。

天開:あー、そうだね。それは大きな変化だね。

「にじさんじ甲子園2024 ドラフト会議【 #にじ甲2024 】」より、グッズ紹介シーン。

舞元:やっぱりそのへんは一体感を出していこう、盛り上げていこうって意味でやらせていただいているので。少しずつ夢を叶えていったりはしてるからこそ、やっぱり次の大きなステップとしては、まず最初にやりたいのは3Dかな~。まずはドラフト会議からでいい。対戦も3Dにはしたいけど、拘束時間との兼ね合いもあるので応相談になるんですけど。でも、とりあえず一度ドラフト会議を3Dでやりたいんだよね。

天開:やっぱり見えるリアクションが段違いだもんね。くじ引きをやって喜んでるところとか、今はあんまり見せられてないから。

舞元:今はフリップに書いて、それを出してるけど、実際にくじ引いてもらう姿も3Dで見せたいよね。そういう見せ方次第でもっともっと面白くできるんじゃないかなって思うんですよ。あとはまだ早いだろうけど、パブリックビューイングとかもいいよね。

天開:いや、早いかー? 全然やれるでしょ!

舞元:どういう形でやるのが正解なのかっていうのが自分の中でまだわかってないからやってないんだよね。けど、やってみたい。例えばパブリックビューイングをやってるところへ1人ずつライバーさんについてもらって、「ここはパブリックビューイング〇〇応援会場」みたいなものを作っても面白いかなって。まだ、「面白いかもなー」止まりですけど。ちなみに、この企画のガチの野望、最終目標はスーパーボウルなんで(笑)

天開:ほう(笑)。

舞元:スーパーボウルはNFL(ナショナル・フットボール・リーグ)だから野球じゃないんですけど、俺スーパーボウルってすべてのスポーツの中で、一番エンターテイメントやってると思うんですよ。

天開:普通にトップアーティスト来て、ライブみたいに歌うとかあるもんね。

舞元:そうそう。ハーフタイムショーとかやってくれてるからね。今甲子園でも、休憩時間は曲流して、ファンの方のイラスト出して……って、それも素晴らしいことなんだけど、例えばアーティストさんに歌ってもらうとかもできたら、カッコいいよね。

天開:アーティストさんもカッコいいし、それこそにじさんじの誰かがライブしてもいいよね。

舞元:例えばにじさんじ甲子園はまだオープニングテーマ作ってないけど、いつかは毎年テーマソングとかを作って、「今年の歌はこれだよ!」とかもやったりしてみたいかな。

天開:めっちゃいいじゃん!

舞元:それくらいはっちゃけてもいいのかなって思いますね。

──それはめちゃくちゃいいですね! バーチャル界の野球版スーパーボウルの実現、ぜひ期待したいです。天開さんとしては今後に対する思い、いかがでしょうか?

天開:俺が言うと「にじさんじさん、やってください」ってアピールになっちゃうので、非常におこがましいんですが……。

舞元:でも言ってほしいっすね。

天開:さっき言ったパブリックビューイングを、実際のプロが使ってる球場でやりたいですね。

舞元:いつかしたいねって言ってるね。

「にじさんじ甲子園2024 開催決定!【 #にじ甲2024 】」より。

天開:そう。これはけっこう前から言ってて、それこそ第2回目くらいから言ってるんですけど、それくらいすごく強く思っていて、それこそ別の企画になるんですけど「神域リーグ」っていう麻雀の企画も自分主催でやってるんですけど、そっちでパブリックビューイングをやらせていただいているんですよね。やっぱりパブリックビューイングってめちゃめちゃ盛り上がるんですよ。それこそ誰かがアガった時とか、みんなそれぞれの推しチームのバルーン持って、バンバン盛り上がったりするんですよね。

それをこれだけの規模になっている「にじさんじ甲子園」でやれたら、ファンの皆さんなら全然来てくれると思うんです。みんなでこの熱さを分かち合いたいって人たちは、今の時代たくさんいると思っているので、それこそ各地のドームとか貸し切ってできるんじゃないかなって。ちょっと時期的に夏だから、会場借りられるのかなってのはあるけど(笑)。

舞元:ド夏だからね!(笑)

天開:でもできるのであれば、席は全然埋まると思うし、すごい盛り上がりになるんじゃないかなって個人的には思っているので、ぜひともやってほしいですね。

──おふたりのお話は、どちらも形がすごく見えますし、考えるだけで夢が広がりますね。

天開:夢はいっぱいあるんでね!

舞元:そうそう。「にじさんじ甲子園」はその夢をね、1年目からずっとスタッフさんと「これやりたい!」って全部言い合ってやってきて、1個ずつ達成してきている企画だから。毎回「これができるようになりました」を積み重ねてやってる企画なので、割と今のうちから大きめな野望は持っていていいかなって思いますね。「にじさんじ甲子園」は何年間もずっと一緒にやっているスタッフさんがいて、そのスタッフさんも「これやりたいんですよね」ってどんどん言ってくれるので、非常にいい形で関係が築けていますし。

天開:それいいよねー。本当にみんなで話し合って決めるからね。終わった瞬間、いろいろ話し合うもんね(笑)

舞元:そう、特に今年に関しては、終わった直後からもう来年の話をしだしたからね(笑)。

天開:本当、終わった瞬間だったよね(笑)。

「にじさんじ甲子園2024 決勝【 #にじ甲2024 】」より、決勝試合の模様。

舞元:終わった瞬間、「お疲れ様でしたー! ありがとうございました! 来年どうします?」って、そのまますぐに今年の反省点と来年のやりたいことを出し合ってたから。それくらいいいモチベーションでやれてる企画だと思うので、今言った野望を含めて、スタッフたちもたぶんまた「舞元さん、これもやりたいっす」って投げてくれるだろうからそれをどんどんこなしていきたい。そしてファンの皆さんがもっと楽しんでいける形に、進化させていきたいなって思っているんですよね。

今までは割と「VTuber甲子園」からもらったもの・預かっているものっていう部分も大きかったから、なるべく形を維持してってやってきたけど、そのフォームも少しずつ変わってきているというか、先ほど話したとおりリーグ戦がやっぱり難しくなってきたっていう部分もあるので、今後は「にじさんじ甲子園らしさ」をより出していく形になっていくのかなって思います。でもこれからも「にじさんじ甲子園」は司と作る企画なので、あくまで「VTuber甲子園」の兄弟分でありたい(笑)。たとえ形が変わっても、マインドのところ、ソウルのところは必ず変えないように、しっかりと作り上げていきたいなと思っています。

「にじさんじ甲子園2024 決勝【 #にじ甲2024 】」オープニング映像より。

取材・文:株式会社KADOKAWA 大竹卓 監修:ANYCOLOR MAGAZINE編集部

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  • 舞元啓介

    38歳の独身農家。若白髪に悩む日本人でスポーツ観戦を何よりも愛している。 近所の子供達から白髪のおっさんとしていじられており、正直やめてほしいと思っているが、近所の皆様の目線が怖く強く言えない小市民。

  • 天開司

    バーチャルYouTuber活動で借金返済を目論む債務者VTuber。最近は返済見通しが立たないことを開き直っている。活動内容はゲーム配信、企画配信、麻雀、音楽、ギャンブルと多岐にわたる。