加賀美ハヤト 1st One Man Live “ALPHA ONE”ネット配信視聴チケット販売サイト
オープニングナンバー「ARE YOU READY? FIGHT!」が始まると同時に、加賀美の歌声が会場を切り裂く。開幕曲は問いかけるようなタイトルどおり、観客に向けた宣戦布告。ステージは一気に戦闘態勢へと切り替わり、ライブの始まりが明確に刻みつけられた。開幕の勢いを保ったまま、ロックサウンドの猛々しさが全面に出た「泥の誉れ」を立て続けに披露。イントロの低音と疾走感あるドラムが観る者の鼓動を加速させる中、「どきな、俺が通る 気高き泥を纏って」という歌詞を印象的に響かせた。
最初のMCでは、「(ライブが始まったことが)まだ自分でも信じられない」「すでに2曲も終わってしまったことが、もったいなくも感じる」と振り返りつつ、自己紹介やライブグッズを紹介。その後、「それではそろそろ次の曲を……」と次曲へつなごうとしたところで、「なんだあなたたちは!?」と加賀美が声を上げる。突如としてステージ袖に現れたYAGZA(敵の戦闘員)の存在に気付くと、「あなたたちには出ていってもらう!」と意気込み、「聴いてくれ、フメツフハイ!」の宣言とともに次曲がスタート。会場をヒーローショーさながらの“戦場”へと塗り替えていく。
楽曲が進むにつれ、ステージ上のセットは敵の攻撃により破壊されていくが、加賀美はその中心で抗うように歌い続け、敵をなぎ倒していく。しかし、ギターソロの途中で音楽が突如として止まってしまう。不自然な静寂の中、加賀美は客席に現れたグラボ怪人・ドットガッケ総統の存在に気が付き、動揺を見せる。音が止められた理由、それはドットガッケ総統によって“なんか大事そうな線”が切断されてしまったためだった。そしてドットガッケ総統によって不穏な破壊装置の存在が示されると、制止の叫びも虚しくその装置からレーザーが放たれ、ステージが破壊されてしまう。
煙の中から姿を現した加賀美は、「よくもやってくれたな……だが、こんなところで負けるわけにはいかない!」と声を張り上げる。そして、「助けてくれ! チャイカさん!」と仲間の名を呼ぶと、「フメツフハイ」のMVにも登場する車に乗った着ぐるみ姿の花畑チャイカが登場。チャイカは勢いそのままにボスへ体当たりするという力技で、ドットガッケ総統もろとも爆破。敵勢力を撃退し、ステージには平穏が訪れた。その後、加賀美は破壊されたステージを背負いながら、「ずうっといっしょ!」のカバーを披露。荒廃した世界の中で響く加賀美の甘い歌声が、客席の空気を一度優しく緩め、安寧をもたらしたようだった。
MCではステージの荒廃感に触れつつも、「このままやらせてもらいますか!」「この曲が自分の曲と言えるのが誇りです」と「デュオバース」へつなぐ。破壊されたステージの上で、空間的な広がりを感じさせるバンドサウンドが印象的なこの曲を、なおも前進する意志を感じさせるように歌い上げた。続く、「トレモロムーン」は、感情の揺らぎを丁寧に描き出す1曲。加賀美のパワフルでありながら繊細な表現力が際立ち、観客の没入感をさらなる深みへと導いた。
MCでは、ギター・田口悟、ベース・二家本亮介、ドラム・髭白健、キーボード・園田涼、そしてギター&バンドマスター・佐々木“コジロー“貴之とバンドメンバーが紹介される。それぞれにスポットが当たるたび、会場からは大きな歓声が上がった。その後に披露された「デストロイアガール」は、まさにバンド編成の真価を発揮するような楽曲。音の厚みと心地いいスピード感が、これまで以上に加賀美の歌を際立たせた。立て続けに、どこか不穏な空気を纏うラブソング「プロポーズ」へ。 加賀美の声は、軽やかでありながら感情の機微までを表現し、会場全体が柔らかく包まれたような時間となった。
「プロポーズ」を歌い終えると、間髪を入れずに差し込まれたR藤本のビデオメッセージを受け歌った曲は、映画「ドラゴンボールZ 復活の『F』」のバトルソングとして劇中で使用された「F」。激しいロックサウンドの中で、切れ味抜群のシャウトや重々しいデスボイスを炸裂させた。
やがて、ステージには“工事”の時間が訪れる。荒廃していたステージがビニールシートで覆われ、作業員が瓦礫を片付けていく。すると、これまで壊れた壁やトラス(※)などの装飾により、意図的に隠されていた広大なステージが姿を現した。工事を経て再構築されたステージで鳴らされる「LYCANTHROPE」は、鋭さと攻撃性を強く感じさせるロックナンバー。“工事”という舞台転換によって装飾を削ぎ落とした空間だからこそ、歌声と演奏の輪郭が際立つ。続く「キャリィ」でも、シャウトや荒々しい表現を含むボーカルが、この曲の持つ勢いとよく噛み合い、観客の意識を強く引き寄せた。
※→音楽イベントなどのステージにおいて、照明や音響を吊るすためのフレーム・柱のこと。
ここで一度暗転したステージに再び光で照らされると、“ALPHA ONE”のロゴが刻まれた巨大なモニュメントがステージ上部に姿を現す。これまで一部制限されていた背景の電飾の全てにも明かりが灯り、ここで初めて正真正銘のステージ全体像が明確に提示されることとなった。前半から中盤では意図的に制限されていた視界が一気に開かれ、“ALPHA ONE”というライブが、どれほど大きな空間によって構築されているのかを実感させるひとときとなった。その後披露された「Luminous」では、広大な空間すべてを使って音と光が解き放たれる。「輝く(=Luminous)」をテーマにしたこの楽曲は、前に進むことそのものを肯定するようなアンセムとして会場に響いた。
MCでは今しがた姿を現した巨大なモニュメントについて触れながら、加賀美が「皆さん安心してください。まだまだ暴れられる曲が続きますよ! 付いて来てください!」と呼びかけると、「篝火」へとつなげる。この曲では確かなエネルギーを内包した歌声とサウンドによって、燃え上がるような熱気がステージ全体に広がっていく。間奏中に加賀美は客席に向けてペンライトを赤く灯すように呼びかけ、「皆さんのおかげでここに篝火が灯りました。何かあったらこの景色に戻ってきてください」と語りかけた。その後、「PIERCE」「22」を立て続けに披露。どちらの楽曲もシャウトの入る激しいロックであり、作詞も加賀美自身が担当している。加賀美の感情の込もった歌声が前面に出ることで、観客の感情を鋭く突くようなパフォーマンスとなった。
ここから先がカバー曲のブロックであることが伝えられ、披露されたのは「狂乱 Hey Kids!!」。跳ねるようなリズムに乗りながら、高揚感を全面に出して楽しげにパフォーマンスをする加賀美の姿に、観客もペンライトを振って応える。その勢いを保ったまま、続く楽曲は「刃」。攻撃的な和風ロックサウンドが、ライブの熱気を途切れさせない。リアルステージには剣豪も登場し、華麗な剣舞と殺陣(たて)を披露した。
ここで、ステージを支えてきたゲストである着ぐるみ姿の花畑チャイカやドットガッケ総統、R藤本、剣豪への感謝を語る加賀美。「まだ私のやりたいことは終わらなくて……この曲をやらせてください!」と語り、披露したのは「シュガーソングとビターステップ」。イントロの軽快なリズムにステージ全体が弾むような空気感に包まれる中、突如ステージ上に葉加瀬冬雪と夜見れなが登場する。もともと“ALPHA ONE”の同時視聴配信をしていた2人だが、ステージ上へ姿を現し、SMC組がTOYOTA ARENA TOKYOに集結する強烈なサプライズとなった。
曲が終わるとそのままMCへ。会場の特設配信スペースで出番まで控えていたという2人は、「社長、1stライブおめでとうー!」と同期の晴れ舞台を祝った。3人が並ぶステージだからこそ生まれる空気感が会場全体を包みこむ。和やかな空気の中、加賀美が「3人で歌わせてください!」と客席へ伝え、「拝啓、少年よ」を歌い上げる。楽曲の持つ真っ直ぐなメッセージ性に正面から向き合うように丁寧に歌声を届けていく3人。前を見据える視線が、1つひとつの言葉の重みを際立たせた。
SMC組の仲間たちを見送り、1人ステージに残った加賀美は次の楽曲が本編最後の曲であることを明かす。ここで加賀美が「ウォール・オブ・デス」ならぬ「ウォール・オブ・ハイタッチ」を客席へリクエスト。「ウォール・オブ・デス」はロックコンサートなどで行われるモッシュの1種で、観客が左右に分かれてぶつかり合う観客参加型のパフォーマンス。そして、今回加賀美がリクエストした「ウォール・オブ・ハイタッチ」はぶつかり合う代わりに、周りの観客とハイタッチをするというものだった。本編の最後を飾った「THE OPEN WORLD」が始まると、客席では「ウォール・オブ・ハイタッチ」が巻き起こる。加賀美も力強いバンドサウンドの後押しを受けて歌声を放ち、会場はエンディングの高揚感に包まれた。
鳴り止まない拍手に応え、再びステージに姿を現した加賀美。アンコールの最初に選ばれた楽曲は「決闘」だった。タイトル通り、真っ向からぶつかるような歌唱と演奏が会場を満たし、アンコールでありながら、改めてライブに臨む姿を強く印象付けた。MCでは、「決闘」のコーラスに葛葉、社築、花畑チャイカ、夜見れな、葉加瀬冬雪が参加してくれていたことを明かし、ライバーたちへ感謝を伝える。
その後、加賀美は、突如新曲を披露することをアナウンスする。尊敬するアーティストである高橋優によって制作されたという新曲「間隙の座標」。これまでの激しいライブパフォーマンスとは異なり、温かみのあるトーンで紡がれるこの曲は、不器用さや揺らぎを抱えたまま生きていくことを肯定するような歌詞が印象的で、優しく会場に響いた。
そして最後のMCで「本当にあっという間でした。次の1曲に全部込めさせてください」「私と皆さんの始まりの曲です。これからもともに歩めていけたら……」と加賀美が初配信の終わりに披露したデビューオリジナル曲「WITHIN」へ。荒々しいメタルサウンドの上で、強烈なシャウトを惜しみなく放つ。そして、「今日この光景が見れてよかった!」「これで終わりじゃないんだ、我々は! にじさんじは!」「付いて来てください! 我々に賭けてくれ!」と終幕を惜しむように声を張り上げる。そして、すべてを出し切ったあとに残る静かな熱を抱えながら、ライブは幕を閉じた。
加賀美ハヤト 1st One Man Live 'ALPHA ONE' セットリスト
1. ARE YOU READY? FIGHT!
2. 泥の誉れ
3. フメツフハイ
4. ずうっといっしょ!/キタニタツヤ(カバー)
5. デュオバース
6. トレモロムーン
7. デストロイアガール
8. プロポーズ/なとり(カバー)
9. 「F」/マキシマム ザ ホルモン(カバー)
10. LYCANTHROPE
11. キャリィ
12. Luminous
13. 篝火
14. PIERCE
15. 22
16. 狂乱Hey Kids!!/THE ORAL CIGARETTES(カバー)
17. 刃/THE BACK HORN(カバー)
18. シュガーソングとビターステップ/UNISON SQUARE GARDEN(カバー)加賀美ハヤト、葉加瀬冬雪、夜見れな
19. 拝啓、少年よ/Hump Back(カバー)加賀美ハヤト、葉加瀬冬雪、夜見れな
20. THE OPEN WORLD
アンコール
1. 決闘/PENGUIN RESEARCH(カバー)
2. 間隙の座標
3. WITHIN
ライブを終えた加賀美ハヤトからコメントが到着
――イベントが終わった今の率直な気持ちを教えてください。
加賀美ハヤト
まずは、やり切ったなと! そのうえで、今まで準備してきたライブを皆さんに受け入れていただけたことに安心している、というのが率直な気持ちですね。
――イベント本番の中で、加賀美さんが特に印象的だった瞬間はどこでしたか?
加賀美ハヤト
たくさんあるのですが、ドットガッケ総統にビームを打たれてステージが破壊されたときに、皆さんが自然と私の名前を呼んでくれたのはすごくうれしかったです! こちらから何もサポートをしなくても、皆さんが特撮ドラマの世界に自然と入り込んできてくださったことに感動しました。
――最後にイベントに参加・視聴いただいたファンの皆さんへのメッセージをお願いします。
加賀美ハヤト
先ほど「やり切った」とは言ったのですが、その一方で「まだまだやれることがあるんじゃないか」と思っていることも、実はたくさんあるんです。ライブが終わった直後で、少しだけ汗が引いてきた今、心の中の自分が「まだやれる、まだやれる」って言うんですよ。そんな自分の声にこれからも応えていこうと思いますので、よろしければ皆さんにもお付き合いいただけるとうれしいです。今日はありがとうございました!