伏見ガクエスト 〜伝説の調理器具(ピース)を求めて〜レポート
伏見ガクエスト 〜伝説の調理器具(ピース)を求めて〜は、ジサンジ国・ヤーナゴを旅立った伏見が、最強の宮廷料理人を目指す冒険譚。世界一おいしい料理を作るために、伝説の調理器具を手に入れるべく各地を駆け巡るさまが描かれる。本番を迎えるこの日までに、イベントの予習動画とも言えるシリーズ「#伏見ガクエスト 序章動画」が6本公開され、伏見のパーティに剣士の剣持刀也、魔法使いの社築、呪術師のましろ爻、武闘家の宇佐美リトが加わるまでの過程が描かれた。
期待感に満ちた会場に、RPGのスタート画面風のオープニング映像が流れると、観客は大歓声を上げる。ステージには勇者らしくマントを身にまとった伏見の姿や、それぞれジョブにあった装備を身に付けた剣持ら仲間たちの姿が。ジサンジ国王に旅立ちを報告した伏見は「出発しようぜー!」と元気いっぱいに呼びかけ、仲間たちは「おー!」と応じる。そのまま伏見は、「V.I.P」をカバー。青空をバックに、壮大な旅へと向かう高揚感を込めて歌声を響かせた。
いよいよ冒険の旅へ。しかし、宇佐美以外の仲間たちはなぜかボロボロの状態。実は剣持は伏見との戦いで負った傷が癒えず、社はゲームのやり過ぎで疲労困憊、ましろは呪物の影響で生死をさまようなどコンディション不良の状態で旅立ちの日を迎えていた。気を取り直し出発したものの伏見たちは大爆発に見舞われ、パーティは散り散りになってしまう。1人ぼっちになった伏見は、国王からもらったしゃべるおたま・レードル4世のサポートを受け、冒険を続けながら仲間と合流することに。なお彼らの冒険の様子は、北見遊征のナレーションによって紹介されており、時折差し挟まれる解説に伏見が「わかりやすい! 遊征くんありがとう!」と感謝する場面が見られた。
伝説の調理器具を手に入れるためには、この世界に散らばるグルメの石を5つ集める必要があるという。最初に伏見が訪れたのは、港町・ピッツア。イタリアンの石はこの町のマフィアが持っていると聞き、おびえる伏見。そんな彼のもとに現れたのは「僕に任せな!」という威勢のいい声に反して、棺桶に入ったままの剣持だった。現れた3人のマフィアを倒すため、伏見と剣持は「以心伝心!シンクロクイズ」に挑む。
ともに元2期生である伏見と剣持は長年育んだ絆の力で正解を重ねるが、「伏見ガクの好きなところは?」という関係値が試されるお題で、失態を演じた剣持がたじたじになる場面も。最後には見事マフィアに勝利し、イタリアンの石を手に入れた2人は、激しさを増す冒険へ気合いを入れるため、アップテンポなロックチューン「桃源郷エイリアン」を歌い上げる。曲中には2人が息ぴったりのダンスを披露し、観客を沸かせた。
お次は荒れ果てた山岳地帯・マーボーの山へ。レードル4世によると、中華の石はドラゴンが持っているとのことで、伏見たちは合流した宇佐美とともにドラゴンへと挑みかかる。ここで立ちはだかった試練は、伏見たちがさまざまな体力勝負にトライし、仲間が事前に予想した記録を超えることを目指す「仲間を信じろ!パワーダービー」。伏見は握力測定にて、剣持と宇佐美が予想した50kgを難なく超えて54kgを叩き出し、歓声を浴びる。結果は3種目中2種目クリアで、伏見一行が勝利を収めた。中華の石を手に入れた伏見は「世界を救えるような熱い曲を歌おう」と宇佐美に語りかけ、「UNION」をデュエットする。爽やかで疾走感のあるロックチューンに2人のまぶしい笑顔が映え、会場は晴れやかな空気に包まれた。
その後、天空の古代遺跡・バインミーに到着した伏見たちは社と合流。アジアンの石は神様のペットである虹色の鳥が持っているというが、宇佐美がそうとは知らず虹色の鳥を捕まえてしまったことで神様を怒らせてしまう。神様の機嫌を取るために社は「楽しいゲームで打ち解け合おう」と提案し、全員で4種類のカレーを食べて金額の高い順に予想する利きカレーを行うことに。視聴者と一緒に朝ご飯を食べる配信企画「おはガク!」を続けている伏見は、カレーを食べる際に「一緒にいただきますって言ってもらっていいですか」と呼びかけ、観客と「いただきます!」と声を揃えてからカレーを味わい始める。4人が協議の末に回答を出すと、なんと一発で正解。観客はどよめき、本人たちも驚きを隠せない様子だった。
おいしそうにカレーを食べる彼らの様子に満足した神様から虹色の鳥を授かり、伏見たちはアジアンの石を手に入れる。宇佐美はゲーム中に口にできなかった高額カレーを食べたいと言い残し、剣持が石を懐に入れて立ち去ったことで、2人になった伏見と社。社が炎の魔法使いであることから、伏見は“熱い曲”として「Reckless fire」をチョイスし、社とともに歌い始める。ラテンのビートを感じさせるダンサブルな音楽に乗せ、2人は熱い歌声を響かせた。
虹色の鳥に乗り、4人がたどり着いたのは毒の沼地に立つムニエルの館。ここには呪われた人形の噂があり、伏見は独自にこの館を調べていたましろと再会を果たした。屋敷を探るうちに人形と遭遇した伏見たちは、次第に巨大化していく人形を鎮めるために「幽霊を見破れ!ジェスチャー人狼」に挑む。5人のうち1人だけ異なるお題のジェスチャーを行っているメンバーを当てるというゲームで、「ピース」と「カニ」など紛らわしいお題も用意された。人狼側にお題を悟らせまいと複雑なジェスチャーをする、などメンバー同士の思惑がすれ違う場面もあったが、伏見たちは見事勝利を収めた。
ましろが祈りを捧げ邪気を払うと、人形の中からフレンチの石が。「せっかく合流したし、この雰囲気に合うあの歌を歌いませんか?」という伏見に、ましろは「あの怖い歌! いいね!」と返し、2人で「ゴーストルール」を歌い始める。ここまで明るく爽やかな曲が多かった伏見ガクエストの中では珍しくダークな雰囲気の曲に、観客はペンライトを振りながら聴き入っていた。
残るグルメの石はあと1つになり、冒険が順調に進んでいることを喜ぶ伏見。しかし急にナレーションの北見から「今までのデータをセーブしますか?」と問われる。「別に必要ないよ、順調なんだから!」と答える伏見だったが、「本当にいいんですか?」と念を押す北見、セーブを強く勧める会場の声に押されセーブをすることに。
裏の世界に足を踏み入れた伏見たちは、和食の石を持っている魔王に戦いを挑む。最終バトルを前に作戦を「ガンガンいく感じで!」に切り替え、攻撃力・精神力、配慮、社会性を上昇させた伏見一行は、礼儀正しく魔王の根城へと入る。しかしそこにいたのは、彼らを冒険に送り出したジサンジ国王。世界をまるごと自分好みに作り変えたいと目論む国王こと魔王は、伏見たちにグルメの石を集めさせていたのだった。魔王に攻撃をしかけるも、強大な力の前にパーティは一気に全滅してしまう。
会場が暗転しスクリーンに「GAME OVER」の文字が映し出されると、会場のあちこちから悲鳴が。悲しみに暮れる観客のもとに、北見の声が届く。北見は「ガクさんたちが復活するには、たくさんの応援が必要なんだ! 大きな声でコンティニューとコールしてくれ!」と呼びかける。会場は黄色いピースサイン型のペンライトの光で満たされ、すぐさま「コンティニュー! コンティニュー!」というコールが響き渡る。応援の声が強まるごとに、スクリーン上の光の玉が大きくなり、光が弾けると伏見たちはムニエルの館でセーブしたポイントで息を吹き返した。
各地をゆったり放浪した伏見たちは、再戦のために魔王の城を再び訪れる。魔王を倒す秘策として会場の声援を力に変えることを思い付いた伏見たちは「最初の技は、グーッす!」「僕が、みんなー!って言ったらみんなー!って返してほしい」「デバフをかけるために大きな声で絶叫して」などと思い思いの声援を受けながら魔王を攻撃していく。最後は伏見たちと会場が「ピーッス!」と声を揃えて魔王を撃破した。
こうして集まったグルメの石の力で、伝説の調理器具・フライパンを手に入れた伏見は仲間とともにヤーナゴに戻り、ジサンジ国に伝わるけんちん汁を食べながら宴を開く。冒険のラストに選ばれた曲は「神のまにまに」。メンバーの軽快なダンスや、にぎやかな音楽が彼らの旅の終わりを鮮やかに彩った。その後、伏見たちが目を覚ますとそこはANYCOLORのある一室。実は彼らの冒険はゲーム「JISANJI QUEST」のストーリーであったことが明らかになり、伏見ガクエストのストーリーは終わりを迎えた。
再び、ステージに現れた伏見、剣持、社、ましろ、宇佐美。イベントを振り返りながら、伏見はゲスト陣に声をかけた理由などを明かし、自由なトークを展開する。伏見は「みんなと一緒に過ごした時間や一緒に汗をかいた時間は俺の記憶に残り続けます。最後にお話を1つだけ。7年間ぐらい活動してきて、まさか自分がソロイベントを開催できると思わなかったし、こうしてやらせていただく中で大人の人や仲間が力を貸してくれて成功に向かうことができました。それは皆さんも同じです。本当にありがとうございます」と感謝を伝えた。
「最後にもう1曲だけ歌わせてもらっていいですか」という伏見に、観客は大歓声で応じる。「もしよければ(一緒に)歌ってほしい」と言ったのち、伏見は会場外から動画配信などで視聴しているファンに向け「(直接声が)届かないとかじゃないんです。そこでピースした思い出や掛け声をした思い出を胸に秘めていただければと思います!」と語りかけた。
正真正銘最後の1曲に歌われたのは、2019年に発表された伏見初のソロ曲のアレンジ版「モーニングアクター2024」。曲中に伏見は「いつも活動を応援してくれて本当にありがとうございます。こんな夢みたいな景色、7年前は想像すらしてなかったです。客席のみんな、画面の前のみんなにこう言わせてください」と語り、「迎えに来たぜ、モーニングアクター!」と声を張り上げる。伏見らしい笑顔に満ちたシナリオでファンを楽しませ続けた伏見ガクエスト。最後に伏見は「ピース!」と叫んで、自身初のソロイベントに明るく幕を引いた。
伏見ガクエスト 〜伝説の調理器具(ピース)を求めて〜(愛知県芸術劇場)セットリスト
1.V.I.P/シド(カバー)
2.桃源郷エイリアン/serial TV drama(カバー)ゲスト:剣持刀也
3.UNION/OxT(カバー)ゲスト:宇佐美リト
4.Reckless fire/井出泰彰(カバー)ゲスト:社築
5.ゴーストルール/DECO*27(カバー)ゲスト:ましろ爻
6.神のまにまに/れるりり(カバー)ゲスト:剣持刀也、社築、ましろ爻、宇佐美リト
7.モーニングアクター2024
イベントを終えた伏見ガクからコメントが到着
伏見ガク
一緒に最後までクエスト、付き合ってくれてありがとうございました!!
イベントが終わった今、すべて出し切って真っ白です……! そしてすっごくすごく楽しすぎました!
「モーニングアクター2024」でみんながノってくれて、サイリウムを振って、声を出してくれたのめちゃめちゃうれしかったです!
最後まで楽しんでくれてありがとう……!
会場でも、画面の前でも、声を出して一緒に冒険してくれた思い出は、キミ自身にとって他の誰にも絶対に負けない冒険譚です。
その思い出をずっと宝物にしてくれたらオレはこの伏見ガクエストやってよかったって心から思えます。
いつかまた冒険、一緒にしような✌
ANYCOLOR MAGAZINE カバーアート特集『伏見ガクエスト』