「Saegusa Akina 1st Solo LIVE 'Unity'」レポート
三枝明那のライバーカラーである赤色のペンライトで4階席まで埋め尽くされ、開演前から活気に満ちた武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナ。オープニングムービーが流れ始め、オーディエンスの期待感が限界まで高まり切ったところで、ステージ上の巨大モニターの壁を蹴り壊し、三枝明那がオンステージ。
彼が開幕曲に選んだのは、ボカロP・Chinozoが楽曲提供し、5周年記念の3Dライブで初披露された「あさが来る!」。妖艶なサウンドの上で、ロングトーンを響かせたかと思えば、軽やかにラップまで乗りこなし、1曲目からその好調ぶりを見せつける。
続く2曲目ではミニアルバムでトリを飾ったキラーチューン「うぇいびー」を一切の出し惜しみなく投下。淀みのないハイトーンボイスを響かせると、生バンドが奏でる超迫力のサウンドも相まって、会場は一気に熱気に包まれた。
開幕からクライマックスの様相を呈するステージを披露した三枝だが、MCでは「ありがとうございまーす! 三枝明那でーす!」といつもと変わらない挨拶で、会場へと笑顔を向ける。「もしかして、みんな緊張してない?」「俺よりみんなの方が緊張してるんじゃない?」と笑いを誘い、「もっとみんなの声聞きたいよ!」とコール&レスポンスで会場を温めていく。ライブという晴れ舞台でも、いつもの配信と変わらない姿を見せたことで、オーディエンスの緊張も和らいだようだった。
Rain Dropsの衣装に衣替えすると、三枝初の作詞曲「ラブヘイト」をソロボーカルで披露。続けて、同じくRain Dropsのアルバム「バイオグラフィ」に収録された三枝のソロ曲「シャロウ」へとつないでいき、儚くも温かみのある歌声で会場を優しく包みこむ。
三枝が愛して止まないボカロ楽曲のカバーもふんだんに盛り込まれた本ライブ。ダウナーかつアップテンポなぬゆりの楽曲「終末じゃない」で、モノクロな三枝の分身とシンクロしたダンスを披露すると、突如新衣装へとチェンジ。突然の新衣装のお披露目に会場は沸き立ち、大歓声が巻き起こった。
その後もボカロ楽曲のカバーを畳み掛けていく三枝は、すりぃの楽曲「テレキャスタービーボーイ」、はるふりの楽曲「浮遊感」を熱唱。ステージに設置された装置からシャボン玉が噴射されると、柊マグネタイトの楽曲「マーシャル・マキシマイザー」では、BPMが高いこの曲を持ち前の高い歌唱スキルで軽快に歌い上げていった。
MCでは「何から話そう、これかな。新衣装!」と、配信で見慣れたLive2D衣装を元に作られた新衣装を紹介。「やばい、無限に話せるんだけど……!」と止まらないマシンガントークもそこそこに、三枝が敬愛するボカロP・ハイノミ⌘が楽曲提供した「アナザーシェード 」で再び歌唱パートに入ると、ミニアルバムの曲順を辿るように「RED」へ。会場は照明とレーザーで真紅に染められる中、間奏でキレのあるダンスも披露。EDMを基調とした、アルバム収録曲の中でも異質な輝きを放つこの曲の重低音と音圧に煽られ、会場の熱気も最高潮に達する。
ハンドマイクからマイクスタンドに持ち変え、ボカロP・wotakuの楽曲「リテラシー」、須田景凪の楽曲で独特なテンポ感が中毒性のある「ダーリン」へとつないでいくと、会場全体が暗くなり、ステージ中央に立つ三枝にスポットライトが落とされる。そのまま蝶々Pの楽曲で三枝の「歌ってみた」も好評を博す「心做し」、三枝初のオリジナル曲「はんぶんこ」を情感たっぷりに歌い上げていった。
「ここから一気に怒涛の終盤戦に入るんですけど……楽しみきれよ! よろしく!」とMCが入り、会場からは「えー!」とライブの終演を惜しむ声が上がる。気鋭ボカロP・くじらが楽曲提供した「Funeral」が流れ始めると、オーディエンスはその詩的で美しい歌詞と三枝の歌声に耳を傾ける。
ミニアルバムリリース時のリスニングパーティーで、「(今作の中で)一番自信がある」と豪語した唯一のバラードが「Funeral」だ。会場には白い雪が舞い降り、どこか危うげな儚さを持つ彼の魅力が存分に輝いたステージングを披露した。
歌い終わると白い靄がかかり、三枝の姿を隠していく。モニター上部からゴンドラに乗ってステージに再登場した三枝は、自身の「歌ってみた」が1,400万回再生を超える「エゴロック」を熱唱。「みんなー! 今から会いに行くぞー!」とトロッコに飛び乗り、会場に駆けつけたオーディエンス1人ひとりに手を振って、視線を送りながら会場を周っていく。そのまま間髪入れずに、三枝が作詞に挑戦し、等身大の彼自身が投影されたような楽曲「ララバイ」を歌い上げた。
再びステージ上に戻った三枝は、「みんなと目合ったからね!」と、会場の後方や2〜4階席まで見えていたことを明かし、「(このライブができていることについて、)改めてすごいことだよね〜。」と今日のライブを振り返る。「次で最後(の曲)なんだ。」とアナウンスし、ソングライター・ボカロPの堀江晶太に「『三枝明那のエンディング』を書いてほしい」とリクエストしたことで生まれた楽曲「prayers」へ。
アルバムリリース時のリスニングパーティー配信では「祈りと呪い」が込められていると語ったこの曲をセットリストの最後に持ってきた三枝。「俺はここにいるぞ!」と叫び、コーラスパートでは盛大なシンガロングを巻き起こす。そして、「どうか皆さんの明日が幸せでありますように! ありがとう!」とステージを後にした。
万雷の拍手はすぐにアンコールを求める声へと変わり、その声に応え、再び三枝がオンステージ。koyori(電ポルP)の楽曲で、気だるげなメロディとギターフレーズが印象的な楽曲「曖昧劣情Lover」のカバーでアンコールステージがスタートする。
「いや〜おもろかったなー!」「次もやりたいんだけど」と次回への意気込みを見せたところで、「重大発表があります!」と12月8日0時から、新曲がデジタルリリース配信されること、そしてライブ当日の12月7日22時に新曲のMVが公開されることを明かす。
そして、「今から歌います! ライブタイトル、実は曲名でした! 聴いてください、UNITY!」と新曲を初披露。フィナーレを飾るにふさわしいロックナンバー「UNITY」で、これまでを過去にする勢いでフロアは熱気を増していく。ダンサーとフラッグ隊も大集結し、最後には銀テープが舞う中、「マジでうれしかった! 本当に最高のライブでした! また会おう!」とオーディエンスに別れを告げ、ライブは大団円を迎えた。
ライブを終えた三枝明那からコメントが到着
三枝明那
とにかく楽しかったです!!!人生のなかでいちばん幸せでした。特に「RED」は爆盛り上がりましたね、さいっこうでした。いつも応援ありがとうございます!!!楽しんでいただけたなら何よりです!!!今後ともがんばっていきます!!!
Saegusa Akina 1st Solo LIVE 'Unity' セットリスト
1. あさが来る!
2. うぇいびー
3. ラブヘイト
4. シャロウ
5. 終末じゃない(カバー)
6. テレキャスタービーボーイ(カバー)
7. 浮遊感(カバー)
8. マーシャル・マキシマイザー(カバー)
9. アナザーシェード
10. RED
11. リテラシー(カバー)
12. ダーリン(カバー)
13. 心做し(カバー)
14. はんぶんこ
15. Funeral
16. エゴロック(カバー)
17. ララバイ
18. prayers
アンコール
1. 曖昧劣情Lover(カバー)
2. UNITY
Saegusa Akina 1st Solo LIVE "Unity" | 三枝明那 1st ソロライブ