にじさんじ WORLD TOUR 2025 Singin’ in the Rainbow! 仙台公演レポート
もうまもなくに迫った開演をファン全員が待ちわびる中、6名の掛け声が会場に響き渡り、場内は一気に高揚感に包まれた。幕が上がると、四季をコンセプトにした楽曲を制作する「HE4RT BE4T!」プロジェクトで生まれた、春がテーマの「Budding!」でライブがスタート。華やかな照明に照らされたライバーたちが堂々とステージに立つ姿に、客席の歓声が一気に弾ける。
初のMCでは、加賀美が「始まりました、仙台公演! 7周年ツアーの初回ということで!」と切り出す。それぞれが軽快な自己紹介で会場を和ませると、次曲が「ZUNDA!アッパレ☆運命」であることが明かされた。
この曲は仙台公演のために、リゼが中心となって制作したオリジナル楽曲。明るく軽快なメロディーに乗せて、歌詞には6名それぞれの個性豊かな自己紹介が盛り込まれている。それぞれの歌唱パートでメンバー全員が通常衣装から共通衣装へチェンジしていくと、その度に客席からは大歓声が巻き起こった。
その後は、ソロパフォーマンスやユニットによる歌唱が続く。山神がダンスも交えて力強く「第六感」を歌い上げると、加賀美とリゼは「名前のない怪物」で美しいデュエットを響かせ、りりむは「こどものしくみ」で彼女らしい独自の世界観を披露した。
歌唱を終えたりりむがステージ袖から登場した卯月に「がんばってね!」とバトンタッチをすると、卯月は「スマホのライトで俺を照らしてくれ!」と客席に呼びかける。「デビュー時の曲で皆さんに恩返ししようと思って」「俺の初めてのオリジナル曲です」とアナウンス。客席からステージに向けられる光により、会場が幻想的に演出される中、2019年6月を機に長らくYouTube上で非公開となっていた楽曲「アイシー」の歌唱に会場は沸き立った。
中盤もユニットやソロの見せ場が次々と展開される。「ハレンチ」ではフレン、山神が挑発的で大胆なダンスパフォーマンスを披露し、「非国民的ヒーロー」では卯月、りりむがスタンドマイクでの歌唱や息ぴったりの掛け合いで魅せる。「Booo!」ではリゼ、フレンがキュートな明るい声で観客の笑顔を誘い、「パラサイト」ではりりむ、山神がほんのりダークで力強いステージングを披露した。
続けて、「黙ってロックをやれって言ってんの!」では卯月、加賀美の男子組が激しいロックナンバーで観客を煽り、場内は熱狂の渦に。りりむ、フレン、リゼ、山神の女性陣も負けじとキュートさ全開の「気まぐれメルシィ」で対抗し、ステージに華を添えた。その後も加賀美が「地球最後の告白を」、卯月とリゼが「月光浴」、フレンが「Luna say maybe」を響かせ、多彩なユニットとソロパフォーマンスで観客に飽きさせる暇を与えない。
終盤はボルテージ全開のナンバーが続き、フロアは揺れるほどの盛り上がりを見せる。加賀美、フレンによる「ロキ」、リゼによる「ワールドイズマイン」、りりむ、加賀美による「糞ブレイキン脳ブレイキン・リリィー」と続き、「ココロオドル」では卯月、加賀美、フレン、山神による個性がぶつかり合った。
本編最後のMCでは、加賀美は「(にじさんじ WORLD TOURが終わった)再来年も最高なイベントができるようにこれからがんばってまいります。そう思わせてくれる仙台公演でした。ありがとうございました!」、リゼは「『ZUNDA!アッパレ☆運命』のこと最高だと思ってたんだけど、皆さんがコールをしてくれて完成したなって思ったよ」、りりむは「やっぱりライブならではのみんなの声が届くのが本当に好きで……今すごく幸せです。今日はたくさんの幸せをありがとうございます!」、卯月は「1個通過するべきところを通過したなという思いです」、フレンは「ソロ曲の歌唱中、みんな声がすごい温かくて涙が出てきてしまいました。みんなへの気持ちは歌で伝わったと思います!」と、それぞれが本ライブへの思いを語っていく。
特に今回、にじさんじ共通衣装がお披露目となった山神は、「本当にこういうステージに立つために活動をがんばってきた」「私がこれから先の活動で挫けそうになったとき、この公演が絶対に私の支えになる」「そんな公演を仙台メンバーとできて本当によかったし、会場が真っ青に染まっているところを見れてよかった」と涙ながらに語った。
全員が感慨深く仙台公演までの道すじを振り返ったところで、突如加賀美が「この日のためにオリジナル曲、もう1曲持ってきたぞー!」と新曲をサプライズ発表。「最後の曲です。聴いてください」と、もう1つのオリジナル曲「鐘が鳴る場所で」を披露する。この楽曲は仙台公演のために、加賀美が中心となり制作したロックチューン。ファンとライバーが一体となって作り上げる熱量が、会場全体を包み込む圧巻のラストを演出し、ステージに並ぶ6名はともに過ごした時間を振り返るように歌い上げた。
アンコールでは7周年記念プロジェクト楽曲「Arc goes oN」、にじさんじを代表する名曲「Virtual to LIVE」の2曲を披露。カラフルなペンライトがフロアを染め上げ、会場中が笑顔と感動に包まれる中、卯月の提案で再び、1人ずつコメントをしてからライブを締めることに。全員が今日という日が終わってしまうことを惜しむかのように最後の最後までファンとコーレスをして、仙台公演は大団円を迎えた。
仙台の地で最高のスタートを切ったにじさんじ WORLD TOUR 2025 Singin’ in the Rainbow!は、メンバーを変えながらこの後、全国、そして世界を駆け巡る。各地でライバーたちがどんな景色を描いていくのか、期待は高まるばかりだ。
ライブを終えたライバーたちからコメントが到着
加賀美ハヤト
ライブが終わった直後に卯月さんと話してたんですけど、お互い魂で会話をしていたというか(笑)。お互いにすごくいい影響を受けていて、仙台メンバーでたった1人の男性のパートナーが卯月さんでよかったということをしみじみと話していました。卯月さんだけではなく、本当にこのメンバーだからこそ、ここまでやり切ることができたと思っています。
卯月コウ
「FANTASIA」ぶりに社長と組むことになったんですけど、そのときから社長はライブ経験が豊富で……そのときの俺は胸を借りるじゃないけど、引っ張ってもらっている感覚があったんです。そんな中、今回のライブは社長に追いつきたいって気持ちでした。「FANTASIA」のときはリハで全力を出すのってなんか気恥ずかしいと思っていたんだけど、社長がリハも全力でやっている姿を見て、そういう感覚も払拭されたし、リハでも手を抜かないようになりました。
リゼ・ヘルエスタ
私は「Arc goes oN」で山神さんが歌った「夢に見てた きらめき」というパートが、すごく印象的です。リハーサルで聴いたときから泣いてしまったので、本番では気を付けていたのに、やっぱり本番でも感動して涙が出てきてしまいました。もちろん自分にとって大切なこともたくさん経験させていただいたライブだったんですけど、一緒にがんばってきた仲間の歩みをものすごく身近で感じて、人と一緒にライブを完成させるって素晴らしいことなんだっていうのを改めて感じました。本当にこのメンバーでライブができてよかったです。
フレン・E・ルスタリオ
私は「ZUNDA!アッパレ☆運命」がめっちゃ楽しかったなって。あの曲のおかげで、来てくれたみんなもすごく声出ししやすくなったと思いますし、やま(山神)の共通衣装のお披露目もあの曲が1人ひとりにスポットが当たる曲だったからこそ、すごく素敵に発表することができたんじゃないかって。あとはみんなが歌った曲が大好きで、もう普通に歩いてても歌っちゃうぐらい耳に残っています。自分が出ないパートでも裏でずっと口ずさんでいました(笑)。
山神カルタ
皆さんがめちゃくちゃやまにおいしいところをくれて、今回こういう形で共通衣装をお披露目させていただいて……。すごくありがたくて幸せだったし、もう何回も言ったんですけど、このメンバーで本当によかったなっていうのが1番に思っていることです。実は最初、このメンバーの中でやまだけ浮いているんじゃないかって不安だったんです……。それでもたくさん練習してきて、こうやってライブをやり遂げることができて、みんなと仲間になれたことが本当にうれしいです!
魔界ノりりむ
カルタちゃんが初めてこういう舞台に立っているのを見たときに、初めて自分がライブに出たときのことを思い出すことができました。りりむは最近いくつかライブに出る機会をいただく中で、少しずつライブというものに慣れてきていたんですが、初心の気持ちを思い出したときに、いつものライブとは違う感動がありました……!
あと、りりむもカルタちゃんと一緒でみんなと仲良くなれるかなっていう不安があった(笑)。一緒にライブに出たことがあるメンバーもいたけど、ちょっと期間が空いたあとだったから不安になっちゃった(笑)。でも、今こうやってライブをやり遂げることができて、このメンバーで本当によかったと思っています!
にじさんじ WORLD TOUR 2025 Singin’ in the Rainbow! 仙台サンプラザホール(宮城)セットリスト
1. Budding!
2. ZUNDA!アッパレ☆運命
3. 第六感(山神カルタ)
4. 名前のない怪物(加賀美ハヤト、リゼ・ヘルエスタ)
5. こどものしくみ(魔界ノりりむ)
6. アイシー(卯月コウ)
7. ハレンチ(山神カルタ、フレン・E・ルスタリオ)
8. 非国民的ヒーロー(卯月コウ、魔界ノりりむ)
9. Booo!(リゼ・ヘルエスタ、フレン・E・ルスタリオ)
10. パラサイト(魔界ノりりむ、山神カルタ)
11. 黙ってロックをやれって言ってんの!(卯月コウ、加賀美ハヤト)
12. 気まぐれメルシィ(魔界ノりりむ、リゼ・ヘルエスタ、山神カルタ、フレン・E・ルスタリオ)
13. 地球最後の告白を(加賀美ハヤト)
14. 月光浴(卯月コウ、リゼ・ヘルエスタ)
15. Luna say maybe(フレン・E・ルスタリオ)
16. ロキ(加賀美ハヤト、フレン・E・ルスタリオ)
17. ワールドイズマイン(リゼ・ヘルエスタ)
18. 糞ブレイキン脳ブレイキン・リリィー(魔界ノりりむ、加賀美ハヤト)
19. ココロオドル(卯月コウ、加賀美ハヤト、山神カルタ、フレン・E・ルスタリオ)
20. 鐘が鳴る場所で
アンコール
1. Arc goes oN
2. Virtual to LIVE