チーム発足から約1年半、大事にしているのは“施策の軸”
――始めにプロモーションチームの皆さんがどのような業務を担当されているのかを教えてください。
プロモーションプランナー I:にじさんじオフィシャルストア(以下、にじストア)で販売されるグッズのプロモーションを担当しています。具体的な業務内容としては、プロモーション施策の立案や宣伝用の動画・グッズ特設サイトの制作、SNSの投稿文言や画像の制作のほか、施策によっては街頭広告の掲載や配信の企画、その制作進行をすることもあります。
――グッズの宣伝に関わることを幅広く担当されているんですね。
プロモーションプランナー I:実はいろいろなことをしています。ちなみに、私がANYCOLORに入社したのは2024年6月なのですが、「プロモーションチーム」が発足したのも同じタイミングでした。チームの発足から約1年半と日が浅く、もともと別業種で働いていたメンバーで構成されていることもあって、今はチームの土台作りをしながら「できることは全部やろう」といろいろなことに挑戦している段階なんです。
――では、プロモーションに伴う動画・画像の制作や配信企画などを進めるうえで重視されている手順や意識されていることはなんでしょうか?
プロモーションプランナー I:私たちの仕事は、さまざまな部署やチームの方々に協力してもらいながら進めるので、進行中に齟齬が生じないよう、最初にプロモーションの軸を共有するようにしています。部署によって立ち位置や考え方が異なるので、こちらの意図やその理由を明確にお伝えする必要があるんです。
――施策の軸とは具体的にどんなことですか?
プロモーションプランナー I:そのグッズをどんな方に届けたいのか、やりたいプロモーション企画はファンの方に向けたものなのか、それともにじさんじを知らない方も含めたものなのかという方針のことですね。その軸がぶれないようにすることが大事だと思っています。
――プロモーションチームの皆さんは、そのような軸を持ってお仕事に取り組まれているんですね。他部署やチームと連携をするうえで、ほかにも意識されていることはありますか?
プロモーションプランナー I:特に意識していることは、グッズを企画しているグッズプランナーさんと足並みを揃えることですね。グッズの企画については、グッズプランナーさんがほかの部署やライバーさんへ確認を進めて実施されるものなので、先にプロモーションチームが伝えてしまったり、内容が乖離してしまったりすることがないように注意しています。
――なるほど。そうすると、お仕事を進めるうえで特に関わることが多いのはグッズプランナーさんなのでしょうか?
プロモーションプランナー I:そうですね。企画の意図を詳しく聞いたり、どんなプロモーションがいいかを相談したりと、連携しながら進めています。
グッズプランナーさん以外にもたくさんの方や部署と関わりがありますが、実施したいことによって相談先が変わります。映像制作をしている部署や配信を担当している部署、ライバーさんに出演や確認をお願いするならマネージャーさんに連絡するなど、多くの方にご協力いただいています。
話題の「にぎにぎにじたうん!」はなぜ生まれた?
――これまで実施されたプロモーションについて、アイデアが生まれたきっかけやどのように進められたのかなどを伺っていきます。まずは、にじストアの5周年を記念して発売されたどうぶつマスコットシリーズ「にじたうん」のプロモーションについて教えてください。
プロモーションプランナー I:「にじたうん」は、「『にじさんじ』ライバーとどこか似ていて、ちょっと違う?」がコンセプトで、ライバーさんご自身のグッズとは少し異なるんです。それを踏まえて、まずはファンの方にこのシリーズについて知っていただく必要があると思いました。また、親しみやすいビジュアルだったので、見せ方によってはにじさんじを知らない方にも興味を持っていただけるのではないかと感じたんです。
「にじたうん 1ちょうめ」
プロモーションプランナー I:その考えをもとにチームメンバーと話し合いを重ねる中で、「楽曲とMVを作る」というアイデアが生まれて、グッズプランナーさんも賛同してくれました。そこから本格的に動き出し、スケジュールの調整やライバーさんへの確認、楽曲や映像を担当している部署との連携などたくさんの方々のご協力があって、「にぎにぎにじたうん!」が完成したんです。
――楽曲やMVはもちろん、ライバーさんたちのダンス動画も話題になっていますよね。
プロモーションプランナー I:部署としても初めての試みでしたが、いろんなライバーさんがダンス動画に参加してくださり、配信などでも話題に上げてくださいました。また、キャンペーン特設サイトで「踊ってみた」動画用素材を配布したこともあり、さまざまな企業のキャラクターやVTuberさんも動画を投稿してくださいました。
にじさんじの枠を越えて、いろんな方に「にぎにぎにじたうん!」を取り上げていただいたことが、「にじたうん」を多くの方に知っていただくきっかけになったと思います。
【MV】にぎにぎにじたうん! / にじさんじ
――「初めての試み」とおっしゃる通り、グッズのテーマソングやMVを制作するのは珍しいですよね。
プロモーションプランナー I:そうですね。ANYCOLORが新しいことに挑戦できる社風であることや、社内に楽曲制作を担当する部署などがあったからこそ実現できたと思います。MVは細かいところにもこだわっていて、それぞれのライバーさんをイメージした振り付けになっています。そこにも注目して観ていただけたらうれしいですね。
――続いて、今年の6月に発売された「Prism Heart June Bride」についてお伺いします。こちらはロマンチックなLive2DのPVが印象的でした。
プロモーションプランナー I:グッズのプロモーション用の動画でLive2Dを取り入れたのは、2024年12月に発売された「ウィンターデート2024~Memorial Gift & Snowy Tales~(以下、ウィンターデート2024)」が初めてでした。さまざまなグッズの中でも「ウィンターデート2024」や「Prism Heart June Bride」はライバーさんをより身近に感じられるシリーズだと思うので、今回もLive2Dの動画にすることで、グッズやライバーさんの魅力を最大限に引き出せるのではないかと考えたんです。
そんな中、「Prism Heart June Bride」では一枚絵のようなビジュアルも用意されていると聞いて、「絶対にライバーさんに動いていただいたほうがいい!」と思ったんですよね。
――そのような経緯があったんですね。では、制作するうえでこだわった部分はどんなところでしょうか?
プロモーションプランナー I:多くの人に観てもらうためにトレンドのショート動画でそれぞれのライバーさんの動画を制作したことです。また、「ライバーさんの姿がより印象に残ること」を意識して、こちらに微笑みかけていただくなどの動きが出るようにしていただきました。
――細部にまでこだわりが詰まっているんですね。ライバーの皆さんがグッズタイトルを言うラストシーンも印象的でした。
プロモーションプランナー I:あのシーンもこだわりの1つです。ショート動画の場合、にじさんじのYouTube公式チャンネル、YouTubeのおすすめ、公式Xの投稿など入り口がたくさんあるので、ファンの方はもちろん、にじさんじを知らない方も観てくださるかもしれないと思いました。ライバーの皆さんが自分らしさを出して読んでくださったこともすごくよかったです。
【6/16発売新グッズ】Prism Heart June Bride
「思い出に残ることが大切」新たな視点で切り拓くプロモーションの可能性
――Iさんが担当された中で印象に残っているプロモーションについてもお聞かせいただけますでしょうか?
プロモーションプランナー I:2つありまして、1つ目は2024年9月に実施された「にじさんじオフィシャルストア4周年記念キャンペーン」のプロモーションです。でびでび・でびるさん、黒井しばさん、ルンルンさんを公式アンバサダーに起用して、宣伝や配信を行いました。
にじストア4周年アンバサダー就任会見動画
プロモーションプランナー I:ストアの周年企画は、コンセプトが異なる複数のグッズがまとめて発売されるタイミングの一つです。通常の施策ではグッズを軸にするのですが、この施策では全体的に「お祝い感」が重要だと思ったので、「ストアの周年をお伝えすること」を軸に企画を考えました。
そんな折にちょうどルンルンさんがデビューされたので、「でびるさん、黒井さん、ルンルンさんの3名にアンバサダーをしていただくのはどうだろう」とひらめいたんです。似た雰囲気を持つライバーさんだけど、ありそうでなかった組み合わせということで、お客様にも楽しんでもらえるのではないかと思いましたし、実際にお祝いムードが増したと感じています。
ちなみに、現在は「ふらっふぃい」としておなじみの組み合わせですが、初共演はこの企画だったんですよね。
――プロモーションをきっかけにライバーさんの関係性も深まったんですね。
プロモーションプランナー I:そのきっかけの1つになれたのであればとてもうれしいです。
【 #ふらっふぃい1周年 】ざっくり一周年🎶告知もあります🎶【ルンルン/にじさんじ】
――次に、Iさんが印象に残っているもう1つのプロモーション施策についても教えてください。
プロモーションプランナー I:今年7月に発売された「ChroNoiR 7th ANNIVERSARY」のプロモーションです。こちらも先ほどの施策と同じく、「7周年をお祝いすること」を軸に施策を考えました。一番特徴的だったのは、ChroNoiRのお二方へのサプライズとして、叶さんと葛葉さんがお好きな漫画家さんにお祝いビジュアルをご寄稿いただき、ChroNoiRの公式Xで投稿したことですね。
ファンの皆さんはもちろん、ChroNoiRのお二方にも喜んでもらえるプロモーションにしたかったので、叶さんと葛葉さんがお好きな漫画家さんを調査し、内緒で進行したんです。
――ChroNoiRのお二方はもちろん、ファンの皆さんも驚いていましたね。
プロモーションプランナー I:とても人気のある漫画家の方々だったので、「お忙しいだろうし、引き受けていただけるかな……」と心配だったのですが、快く引き受けてくださいました。ファンの皆さんとライバーさんの思い出に残るようなプロモーションをしたいと思っていたので、グッズを手に取ってもらいたいという気持ちも込めつつ、「グッズを見返したときによみがえってくる思い出を少しでも増やせたらいいな」という気持ちで企画をしましたね。
幅広いアプローチ、ライバーとのタッグが強みに
――ANYCOLORのグッズプロモーションの強みはどんなところにあると思われますか?
プロモーションプランナー I:できることの幅が広いことですね。いろいろなテーマやジャンルのグッズがたくさんあるので、「今回はこういったアプローチをしてみようかな」「このライバーさんならここを重視しよう」など、いろんな見せ方を考え、実際にやってみて……ということができるんです。そこが面白さであり、強みだと思っています。
――個性豊かなライバーさんがたくさんいらっしゃることもプロモーションの幅を広げている理由になっているのではないでしょうか。
プロモーションプランナー I:そうだと思います。ライバーさんがたくさんいらっしゃる分、グッズ企画も多いので、プロモーションでグッズの魅力を引き出せるようにがんばっていきたいですね。
また、ライバーさんと協力しながら進められることもANYCOLORならではなのかなと感じているんです。特にライバーさんご自身がグッズについて触れてくださる点は、VTuberグッズのプロモーションの魅力だと思っています。
――ライバーさんご自身が説明してくださるとファンの皆さんもうれしいですし、より興味が湧きますよね。
プロモーションプランナー I:さらにANYCOLORでは、それをいろいろな見せ方で展開できるんです。その点も含めて、ライバーさんと一緒にコンテンツを作っていけるというのはやっぱり大きな強みだと感じます。
【新衣装お披露目】3SKMと一緒にちるたいむ【#さんくま】。動画では、3SKMの3名が「ちるたいむ ~さんくまのじかん~」のルームウェアを着用し、グッズを紹介している。
SNSが主流の今、「直接見てもらえる機会や場所を増やしたい」
――IさんがANYCOLORのグッズプロモーションに携わってみて、これまでの経験との違いや新たな発見はありますか?
プロモーションプランナー I:実は、グッズのプロモーションをするのはANYCOLORが初めてなんです。これまではデジタルコンテンツのプロモーションに携わることが多かったので、グッズは手元に残る分、思い出とより結びつきやすいと感じました。そのことに気付いてから、「できる限り楽しい思い出になるようなプロモーションをしたい」という思いが強くなりましたね。
――では、さまざまなご経験をされた今大切にしていることはなんでしょうか?
プロモーションプランナー I:ファンの方がグッズを手にしたときの喜びを損なわないようにすることを大切にしています。そして、皆さんが幸せな気持ちになれるプロモーションができたらいいなと思いますね。
――ここまでお話をお聞きして、ANYCOLORでは枠にとらわれないプロモーションができるんだなと思ったのですが、Iさんはどんなところにやりがいを感じていますか?
プロモーションプランナー I:プロモーションがきっかけとなって、「ライバーさんとファンの皆さんをつなぐことができた」と実感したときですね。例えば、先ほどお話しした「にぎにぎにじたうん!」のMVや漫画家さんの寄稿ビジュアルは、同じ楽しさや感動を分かち合える“共通の話題”を増やせたのではないかと思います。
それと、新しいことに挑戦できることもやりがいになっていると思います。弊社には「いろんなことに挑戦をしよう」という風土があって、プロモーションにおいても「必ずこの方法で」という決まりがないんです。
VTuberというコンテンツ自体にもまだまだ可能性があると思うので、新しいことをやってみたら、グッズに興味を持ってくださる方が増えるかもしれないし、グッズがもともと好きな方にももっと喜んでもらえるかもしれない。ANYCOLORには「どんな方にも楽しんでもらえるプロモーション」を追求していける環境があると思います。
――仕事に丁寧に向き合っていらっしゃるという姿勢が伝わってきました。チームとして今後挑戦したいこともお聞きしたいです。
プロモーションプランナー I:現在、プロモーションのメインの場はSNSになっていますが、グッズのビジュアルや動画、そしてグッズ自体を直接見てもらえる機会や場所を増やしていきたいです。また、プロモーションをコンテンツの1つとして面白いと思ってもらいたいですし、グッズだけでなく、にじさんじに興味を持っていただけるきっかけを作れるような施策にも挑戦していきたいですね。
趣味や知見が活きる、ANYCOLORのプロモーションプランナー
――一緒に働く仲間として、今後どんな人にジョインしてほしいですか?
プロモーションプランナー I:始めにお話しした通り、プロモーションチームはトライアンドエラーを重ねている段階なので、知見が広い方だと心強いです。プロモーションとは関係のないスキルが活きる場面も多いですし、趣味でやっていることが役立つこともあるので、いろいろなことに興味がある方のほうが楽しく仕事ができると思います。
また、複数の施策を並行して進めていくので、柔軟に対応ができる方のほうが合っているのではないかとも思いますね。
――いろんな情報をキャッチアップできるという意味でも、興味関心の幅が広い人は適していそうですね。ちなみに、特に活かせるスキルや趣味などはありますか?
プロモーションプランナー I:映像を作ったことがあって映像編集ソフトが使えたり、イラストを描いていた経験などからビジュアルの構図がわかったりすると、ほかの部署とスムーズにコミュニケーションがとれますし、環境にもなじみやすいかもしれません。
――プロモーションを広い視野で考え、試行錯誤を楽しみながら取り組める方が活躍できるのかなと思いました。
プロモーションプランナー I:試行錯誤をしながらの進行は大変ですが、ファンの皆さんがプロモーションを見て喜んでくださったり、「グッズが楽しみ」と言ってくださったりしているのを拝見すると「やってよかったな」と思います。そのゴールにたどり着くためにチームメンバーとがんばっているので、ご興味のある方はぜひご応募ください。お待ちしています!