「VΔLZ LIVE TOUR 2024『三華の樂』」ライブレポート
「VΔLZ LIVE TOUR 2024『三華の樂』」横浜公演の様子。
記念すべきツアー初日の会場に選ばれたのは、2023年6月に行われた1stライブ「一唱入魂」と同会場の神奈川・KT Zepp Yokohama。オープニングムービーを経て、いきなり新衣装でステージに現れた3人が、まず披露したのは「黎明の轍」。桜魔皇国で生きる彼らのきせき(日常)を歌った楽曲で、異世界の雰囲気を存分に感じることができる、まさにVΔLZの代名詞と呼べる1曲だ。突然の新衣装に会場は沸き立ち歓声に包まれた。
初っ端からクライマックスの様相を呈した「黎明の轍」に続くのは、ミドルテンポなロックナンバー「青春応歌」。「会いたかったぞ!横浜ー!!」とフロアを煽ると、オープニングナンバーの勢いそのままに2曲目も駆け抜けていく。
温まりきったフロアを前に、ここで初のMCが入る。配信で聞き馴染みのある自己紹介を済ませると、初披露となった新衣装を紹介。
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コール&レスポンスも済ませ、3曲目として披露されたのは爽やかなバンドサウンドと伸びやかな3人の歌声が心地いい「Treasure Believer」。事前のダンスレクチャー動画が投稿されていたこともあり、サビ終わりの間奏では会場が一体となってダンスを踊ると、第1パートの最後を飾る「DAY BY DAY」へとつなげていった。
ここからカバーパートへ入っていく。まずは、ポップな曲調と独特な世界観が印象的なボカロP・いよわの楽曲「きゅうくらりん」を弦月藤士郎と長尾景のコンビがダンスとともに披露。キュートな振り付けも見事にこなし、会場を沸かせる。
「VΔLZ LIVE TOUR 2024『三華の樂』」横浜公演の様子。
続いて、マルチクリエイター・じんのロックテイストな楽曲「夜咄ディセイブ」を長尾と甲斐田が歌い上げる。この曲は甲斐田がYouTube企画「毎日ワンコーラス」として投稿してたのを覚えているリスナーもいるかもしれない。最後は会場を「ウォイ! ウォイ!」と煽りまくってフィニッシュ。
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勢いそのままに長尾が弦月にバトンタッチ。ハチの軽快なロックナンバー「パンダヒーロー」をダンスも交えながら巧みに歌いこなすと、フレデリックの一度聴いたら頭から離れなくなるメロディが印象的な「オドループ」を弦月と長尾が披露。舞台上には弦月と長尾のお面を被ったダンサーも登場し、わちゃわちゃとした掛け合いを見せながら、最後には一緒にダンスを披露した。
「VΔLZ LIVE TOUR 2024『三華の樂』」横浜公演の様子。
再び長尾と甲斐田コンビがFLOW「Sign」を、弦月と甲斐田がTVアニメ「戦姫絶唱シンフォギア」の劇中歌「逆光のフリューゲル」を畳み掛け、VΔLZファンにはたまらないデュエット曲多数のカバーパートは幕を閉じた。
ここで2回目のMCが入ると、カバー曲を振り返っていく。事前に発表されていた通り、横浜公演の魅力は「コラボ」。その魅力を存分に発揮したところで後半戦の火蓋が切って落とされた。
重厚なバンドアンサンブルが印象的な「No Reason.」は生バンドと相性抜群。最高のバックアップを受けて3人のパフォーマンスも加速度的に熱量を増していくと、続けて「ムーンウォーカーズ」を熱唱。これまでを過去にする勢いでフロアは熱気を増していく。
「VΔLZ LIVE TOUR 2024『三華の樂』」横浜公演の様子。
ここで突如流れるVTR。横浜公演のリハーサル中の3人の姿が映され、続くソロパートの披露順を賭けて「プレッシャー早口言葉」に挑戦することに。
「最初は俺かなあ」と口を揃え、トップを担当することに自信を見せる3人だったが、最初のお題「ただ暖かい」で早速、長尾が脱落。続く2問目のお題「炙りカルビ」で弦月が脱落し、晴れて甲斐田がソロパートの先陣を切ることになった。
「Tell me Your dream」は甲斐田らしい爽やかな曲調の1曲。ダンサー2人を従え、透き通って伸びやかな高音を披露し、ソロパートのトップという大役を全うした。
「VΔLZ LIVE TOUR 2024『三華の樂』」横浜公演の様子。
2番手となった弦月は甘い歌声と華麗なラップを使い分け「ミッドナイト・ダンスホール」を熱唱。長尾は特徴的な低音ボイスでメロディアスに「極夜」を歌い上げる。3人ともダンスのクオリティにも非の打ち所がなく、高い実力を見せつけソロパートを締めくくった。
「VΔLZ LIVE TOUR 2024『三華の樂』」横浜公演の様子。
なお、これらの楽曲は音楽制作プラットフォーム「SHOWBIZ」にて行われていた、VΔLZの各メンバーが歌うソロ楽曲を募集する企画で制作されたもの。ツアーの初日に初披露され、3曲が収められた「Union」が当日9月14日24時に一斉にリリースされることも明かされた。
「VΔLZ LIVE TOUR 2024『三華の樂』」横浜公演の様子。
ソロパートを終えると、じんが作詞・作曲を手がけたVΔLZのオリジナル曲の中でも温かみのある一曲「SOUP」を披露。三者三様の声質を持つVΔLZだが、3人で歌うと1本の糸のようにきれいに折り重なっていくハーモニーが心地いい。
MCでは「SOUP」がいかに難易度の高い曲かということを振り返りつつ、次の曲が最後の1曲であることを告げる。甲斐田が「今日で終わりじゃない! これは始まり。この先の2公演も付いて来てくれ!」と締めくくり、そして本編の最後を「ブリキの魂」で飾る。
「VΔLZの活動は決して平坦な道ではありませんでした。そんな我々が作った曲を最後に聴いてください。」と彼らがMCで語ったことからも分かるように、「ブリキの魂」は同期の3人がユニットを結成し、それぞれを支え補い合うことで生まれたVΔLZを象徴する曲の1つ。作詞を甲斐田、作曲を弦月が担当したこの曲を互いにアイコンタクトを取りながら熱唱し、ライブを締めくくった。
「VΔLZ LIVE TOUR 2024『三華の樂』」横浜公演の様子。
すぐさま湧き上がるアンコールに応えて再びバンドメンバーがステージに立つと、グッズTシャツを着たVΔLZが再びオンステージ。「もっと聞かせてくれー!」「もっともっと絞り出せー!」とこれでもかと会場を煽り、「にじさんじフェス2022」のイメージソング「Hurrah!!」を大熱唱。宙には銀テープが舞った。
「VΔLZ LIVE TOUR 2024『三華の樂』」横浜公演の様子。
新曲や新衣装と盛りだくさんの内容となったツアー初日は、VΔLZの「これまでとこれから」が指し示され、VΔLZというユニットの“樂しさ”が感じられた1日となった。
「VΔLZ LIVE TOUR 2024『三華の樂』」横浜公演の様子。
「VΔLZ LIVE TOUR 2024『三華の樂』」横浜公演セットリスト
1. 黎明の轍
2. 青春応歌
3. Treasure Believer
4. DAY BY DAY
5. きゅうくらりん(弦月藤士郎/長尾景)
6. 夜咄ディセイブ(長尾景/甲斐田晴)
7. パンダヒーロー(弦月藤士郎/甲斐田晴)
8. オドループ (弦月藤士郎/長尾景)
9. Sign (長尾景/甲斐田晴)
10. 逆光のフリューゲル(弦月藤士郎/甲斐田晴)
11. No Reason.
12. ムーンウォーカーズ
13. Tell me Your dream(甲斐田晴)
14. ミッドナイト・ダンスホール(弦月藤士郎)
15. 極夜(長尾景)
16. SOUP
17. ブリキの魂
18. Hurrah!!