ユーザーからのフィードバックを求め、ANYCOLORへ
Webプロダクト部部長 U(以下、部長 U):ANYCOLORが運営するWebサイト・Webアプリの開発や保守を担っている部署です。にじさんじの公式サイト、ANYCOLORのコーポレートサイトを始め、にじさんじFAN CLUBやANYCOLOR ID、ANYCOLOR MAGAZINE(以下、エニマガ)やイベント特設サイトなど、にじさんじオフィシャルストア以外のプロジェクトはほぼすべて担当していますね。
部署はバックエンドチームとフロントエンドチームに分かれています。WebサイトやWebアプリの構築や保守を担当しているのがバックエンドチームで、UI/UX(※1)の設計や実装を担当しているのがフロントエンドチームです。
※1→UIは、user interface(ユーザーインターフェース)の略。ボタンやレイアウトなど、ユーザーとサービスの接点となる要素。UXは、user experience(ユーザーエクスペリエンス)の略。「使いやすい」「デザインがいい」などユーザーがサービスに対して感じる体験のこと。
うちのチームでは基本的に、全員がすべてのプロジェクトに関わっています。その時々でメンバーの業務量や余力は変わるので、新しい作業が発生したときには全員の状況を確認し、対応できるメンバーにお願いしていますね。
――ご説明いただきありがとうございます。次に、皆さんそれぞれの業務内容とANYCOLORに入社した経緯を教えてください。
部長 U:現在の業務は、チーム全体のマネジメントや各プロジェクトの進捗確認がメインです。部長になる前はサイトの開発などもしていたんですけど、組織の拡大に伴い、徐々にメンバーへ業務を引き継いでいきました。今は部長としてチームの成長や体制づくりに軸足を置いています。
ANYCOLORに入社したのは2021年です。前職で働いていた2019年頃、コロナ禍でフルリモート勤務になり、気兼ねなく外出できない状況や仕事への悩みもあって、少し気持ちが落ち込んでいました。そんなときに、ちょうどデビューしたライバーさんたちの配信を観るようになり、「にじさんじって面白い!」と思ったのが、ANYCOLORに興味を持ったきっかけです。
また、ユーザーさんからのフィードバックをより多くもらえる仕事をしたいと思ったことも転職を考えた理由の1つです。前職では農業用のWebアプリの開発・保守をしていたんですが、本格的なサービス提供に向けた検証段階だったので、フィードバックがそれほど多くありませんでした。ユーザーさんの声はコンテンツをよりよくするヒントになりますし、「使ってもらえている」という実感は開発側のモチベーションにつながるんです。VTuber業界はファンの方からの反応が多い印象を持っていましたし、まさに自分が求めている環境に近いと感じて、もともと興味を持っていたANYCOLORに応募しました。
エンジニア T:僕はバックエンドチームでチームリーダーをしています。にじさんじ公式サイトやにじさんじFAN CLUB、ANYCOLOR IDなどのサーバー運用保守が主な業務です。チームリーダーとして、チームの成果を最大化するマネジメント業務も担当しています。
僕がANYCOLORに入社したのもUさんと同じ2021年で、最初は派遣社員としてジョインし、今は正社員として働いています。前職は一般の方に向けた旅行会社でエンジニアをしていたのですが、よりユーザーさんに近い形でサービスを提供したいと考え、転職活動を始めたんです。その中でにじさんじに出会い、縁あってANYCOLORに入社しました。
入社後に配属されたのは現在と異なる部署だったんですが、当時もファンの方からたくさんのリアクションをいただけたので、ANYCOLORでエンジニアとして働くことに大きなやりがいを感じました。その後、2021年末頃にWebプロダクト部の前身となる部署に配属されて今に至ります。
エンジニア Y:僕はフロントエンドチームで、主にエニマガの画面設計や実装を担当しています。また、他部署から来た依頼の取りまとめやスケジュール調整、チームメンバーへの作業の振り分けも行っていますね。そのほか、イベントの特設サイトやユニットの公式サイトの保守にも携わっています。
ANYCOLORに入社したのは2023年9月です。前職はゲーム業界のエンジニアだったんですが、自分によりマッチする企業を探していたときに、VTuber業界が盛り上がっていることを知りました。にじさんじのライバーさんがパーソナリティーをされているラジオ番組を聴いたことからANYCOLORに興味を持ち、エンジニアの求人に応募したという流れです。
前職の頃から、自分にはエンタメ業界が合っていると思っていたんですが、その理由を明確に言語化できていませんでした。でも先ほどのUさんとTさんの話を聞いて「ユーザーさんからフィードバックをたくさんもらえること」が、自分にとっての魅力だったんだと気付いたんです。それと同時に、改めて自分が求めていた仕事ができていると実感しました。
ライバーとファン、会社にとっての“最善”を真摯に追求する
――Webプロダクト部はANYCOLORコーポレートサイトやにじさんじ公式サイトなど、会社とファンの皆さんをつなぐ架け橋のようなサイトをたくさん担当されていますが、設計や実装で気を付けているポイントはどんなことでしょうか?
部長 U:実装しようとしているものが会社とライバーさん、ファンの皆さんにとって本当にいいものなのか、気付いていない潜在的なリスクや懸念がないかを考えることですね。特に、にじさんじやライバーさんのブランディングに関わる情報の正確性に細心の注意を払っています。ANYCOLORのコンテンツに対するファンの皆さんからの反響が大きい分、慎重かつ丁寧に対応する必要があるんです。
エンジニア T:僕が気を付けているのは、WebサイトやWebアプリにアクセスが集中したとしても、スムーズに閲覧できる状態を保つことです。そのためにインフラチームと連携を取りながら、サーバーの安定性を維持することに注力しています。また、画面を操作したときのレスポンスの速さもこだわっていて、設計段階からスムーズに動く構成を意識しているんです。
エンジニア Y:僕は実装や設計に入る前の段階で、依頼者としっかりコミュニケーションを取るようにしています。WebサイトのUIを開発したり、機能を追加したりする際には、サイトの担当者が作りたいイメージや込められた思いを汲み取ることが重要なんです。
実装の部分では、「早く公開したい」「今すぐ修正してほしい」などの依頼にすぐ応えられるよう、誰が読んでもわかりやすいコードを書くことを意識しています。Webサイトの土台となるサーバー構築は、バックエンドチームがパフォーマンスを担保してくれるので、我々フロントエンド側は、迷いなく実装スピードを追求できるんです。
――背中を預けられる仲間がいるのはすごく心強いことだと思います。皆さんがこれまでご担当された中で印象に残っているプロジェクトを教えてください。
エンジニア Y:メインで担当しているエニマガの開発です。入社してから初めて主導したプロジェクトなので特に印象に残っています。作業の洗い出しやチームメンバーへの作業の割り振りに加えて、エニマガの企画担当チームとの連携も自ら担当しました。こうしたマネジメントに近い役割を担当したことで業務の幅と視野が広がりましたし、僕にとって大きなターニングポイントになったと思っています。
エンジニア T:僕はクレジットカードの決済処理を刷新したことです。チームリーダーとして初めて主導した案件だったので、学びが本当に多い仕事だったと感じています。作業の整理やメンバーのタスク管理をしながら、プロジェクト全体を見て進めていくのは難しかったですが、すごく新鮮でしたしワクワクしました。機能をリリースした瞬間は「やりきった!」という達成感がありましたね。
――初めての挑戦はより記憶に残りますし、その経験が自信にもつながると思います。Uさんはいかがですか?
部長 U:ANYCOLORが上場する際、コーポレートサイトのIR(投資家情報)ページを実装したことです。実装そのものの難易度が特別高かったわけではないんですが、会社の重要な情報を開示するという、ミスが許されない案件だったので強い緊張感を持って臨んだことを覚えています。会社が上場する瞬間に立ち会えたこと自体も貴重な経験でしたし、この仕事をきっかけにエンジニアとしての視座が大きく変わりました。
エンジニア Y:そのときの経験が、情報を注意深く確認する今の体制につながっているんですか?
部長 U:そうですね。IRページの実装を経て、より一層情報や実装の正確さに責任を持つようになりました。

IR情報 | ANYCOLOR株式会社(ANYCOLOR Inc.)
ANYCOLOR株式会社(ANYCOLOR Inc.) ↗
エニマガ開発は「新しい経験の連続」
――先ほどのYさんのお話にちなんで、この記事が掲載されるエニマガの開発についてもお話を伺いたいと思います。エニマガのオープンから、今年の4月で約1年半が経過しました。開発を始めた頃から現在までを振り返って、印象に残っていることを教えてください。
部長 U:私自身、ANYCOLORで新しいサイトの開発を担うのは初めてだったので、すべてが印象に残っています。リリースまでの進行はもちろん、具体的な開発方法やデザイン、機能面を1から考えることも含めて新しい経験の連続でした。それだけに、サイトが完成したときの達成感はすごく大きかったですね。
エンジニア Y:僕が特に印象深いのは、エニマガの企画側の担当者と「これはどうしますか?」「次はどんなことをしますか?」と相談を重ねたことです。新しいプロジェクトということもありましたが、オウンドメディアとして仕様や構成が固まっていない状態からお互いに意見を出し合い、サイトそのものの方向性を決めるのが初めてだったので、すごく印象に残っています。
部長 U:2025年10月に実施したリニューアルではエニマガチームからの要望をほとんど実装できましたし、現在はシステム側の運用体制も整って安定していると感じています。立ち上げ当初、手探りで進めていた時期を思い返すと感慨深いですし、オープンから約1年半経った現在もたくさんの方にご覧になっていただけることがすごくありがたいですね。
――本当にそうですよね。エニマガの記事を楽しみにしてくださる読者の方がいることは、何よりの励みになります。続いて、エニマガのデザイン面で皆さんが気に入っている部分を教えていただけますか?
エンジニア Y:「COVER STORIES」のページで表示される、カバーアートが表紙になった雑誌のビジュアルです。個人的には、雑誌のビジュアルをいつかトップページでも活かせないかと考えていて。本当に雑誌を開いて読んでいるかのような体験ができるギミックがあれば面白いな……などと想像することもあります。
ANYCOLOR MAGAZINE カバーアート特集『にじフェス2026 前編』
エンジニア T:僕はトップページの左上にある「New Cover Art Apr. 07 2026」のテキストが、横文字のまま縦方向に表示されているところが気に入っています。上から下へスクロールしていく構造の中に縦のラインが入っているのがおしゃれですし、そのバランスがアクセントとして効いているなと感じますね。
部長 U:僕は要素が重なり合うデザインが好きです。例えば、トップページのカバーアートに特集記事の枠が少し重なっていたり、画面を上から下にスクロールすると最新記事の一覧がせり上がってきたりと、サイトの随所に“重なり”がちりばめられているんですよ。このデザインが特に気に入っていますし、今後ほかのサイトなどでも取り入れていきたいと思っています。
また、リニューアルの際に刷新したフォントも気に入っているんです。フォントを選定する際に「ライバーさんのお名前やユニット名の漢字が正しく表示されること」という条件があるんですが、これをクリアしているフォントが実は少ないんですよね。そんな中、条件をクリアしていて、かつデザインもよかったのが今採用しているフォントなんです。
ANYCOLORのバリューを意識し、信頼される仕事を
――ANYCOLORのさまざまなプロジェクトに関わる中で、この会社やVTuber業界ならではと感じたこと、それによって得た学びはありますか?
エンジニア T:やっぱりファンの方からたくさんのフィードバックをいただけることです。特にANYCOLORの場合、ライバーさんが配信などでにじさんじの公式サイトなどを紹介してくれることもあるので、想像していた以上の反響があるんです。そんなふうに、多方面からフィードバックが届く環境は、VTuber業界ならではだと思います。自分たちが開発したものに対する反応をダイレクトに受け取れるので、ファンの皆さんはもちろん、ライバーさんにも喜んでいただけるような機能を実装したいという気持ちが強くなりますね。
エンジニア Y:ANYCOLORはファンの皆さんからのフィードバックを機能改修に活かすこともありますし、ライバーさん側からの要望を受けて実装することもあります。他部署やライバーさんから依頼を受けた際は、こちらからも「こういう機能にするのはどうですか?」と提案して、お互いに意見を出し合いながら進めていけるんです。伴走できると言いますか、一緒にプロダクトを育てていける感覚はANYCOLORならではだと思います。
ANYCOLORに入社するまで、エンジニアは任された開発や実装に集中するほうがいいのかなと思っていたんです。でも今は、ANYCOLORのバリューにある「思いやりで、向き合う。」「素直に語る、誠実に動く。」「もう一歩に、こだわる。」がエンジニアにとっていかに大切かを実感しています。このバリューを意識して取り組むことで、他部署の方々やライバーさん、そしてファンの皆さんに信頼していただける仕事ができるのではないかと思っていますね。
部長 U:VTuber業界は企業から発信する情報やコンテンツへの注目度が高い分、多種多様な反応をいただけるんです。その中には、自分たちにはなかった視点からの意見もあるので、学びがとても多いんですよね。だからこそ、仕様変更や機能追加をする際には、ご利用いただくすべての方にどのくらいの影響があるのかを考える必要がある。その意識を常に持って、1つひとつの業務に取り組んでいます。
エンジニア T:僕もANYCOLORに入社してから、ファンの方への影響力を考えて機能の実装や変更をするようになりました。ファンの方の立場になって考えることはエンジニアとして大事なスキルなんですけど、入社前の自分には足りていなかったと思うんです。だからこそ今は、WebサイトやWebアプリがスムーズに閲覧できる状態を保つのはもちろん、改修をするときにはメンテナンスモードを入れるなど、ファンの皆さんが安心して利用できることを意識していますね。これはANYCOLORやにじさんじのコンテンツを多くの方が見てくださっているからこそ得られた学びだと思っています。
部長 U:僕個人としては、マネジメントを担うようになったことで得た学びもたくさんありました。最初は少なかったチームの人数が増え、メンバーそれぞれがプロジェクトを進めてくれて、自分は組織全体を見る立場に変わった。その経験そのものが自分の成長や意識の変化につながったと思っています。
――ちなみに、これまでのさまざまな部署の方にお話を聞いてきた中で「今の仕事に関係のない経験や自分の趣味が活きる場面がある」とおっしゃる方が多かったのですが、皆さんもそのような経験はありますか?
エンジニア T:実はエンジニアになる前に美容師をしていたんです。もともと散らかっているのが苦手な性格なのもあり、コーディング(※2)では可読性を意識し、誰が見ても理解しやすく、メンテナンス性が高いコードを書くようにしています。すると先日、僕の書いたコードを見たチームメンバーが「きれいに整理されていますね」と言ってくれたんです。
※2→ソフトウェアの動作に必要な処理をコードで記述する作業。
エンジニア Y:確かにTさんのコードを見て、「いい仕事をしていますね……!」と感じることがあります。
エンジニア T:ありがとうございます! このこだわりは今後も大事にしていきたいです。
エンジニア Y:僕はエンジニアになる前にデザイナーをしていたので、その経験が活きていますね。サイトの実装をしている中で、Webサイトの担当者から「デザインで足りない部分があるので作ってくれないか」と依頼されることがあるんです。こんなふうにエンジニア以外の経験も実務に活かせるのはすごくいいなと思います。
部長 U:僕は逆にANYCOLORに入社してから趣味が増えたタイプなんです。最近は創作活動の一環として、イベントなどのフライヤーやロゴのデザインを作ってみているのですが、始めたきっかけはANYCOLORで多様なデザインに触れたことでした。クリエイティブな刺激が多く、挑戦を惜しまない環境で働くうちに自分のマインドが変わっていって、「新しいことにチャレンジしたい!」と思えたんです。
チームワーク、積極性……未来の仲間に求めるもの
――部内の雰囲気や皆さんが普段どのようにコミュニケーションを取られているのかを教えてください。
部長 U:うちの部署はリモート勤務がメインで、出社は個人の裁量に任せています。オフィスに集まったときはメンバー同士でいろんな話をしますし、リモートのときチャットツールで活発にコミュニケーションを取っています。業務の話から雑談まで、気軽に話せているんじゃないかなと思っています。
エンジニア T:バックエンドチームとフロントエンドチームが情報共有をするミーティングも設けていますしね。チーム間でもしっかりコミュニケーションが取れていると感じています。
エンジニア Y:同感です。チームメンバーとのミーティングももちろん行っていて、各メンバーが担当している業務の進捗確認をしつつ、やりたいことや考えていることを聞いています。実際にその話し合いの中で出た案を採用して、作業を進めることもありますね。
部長 U:僕からもチームメンバーには「やりたいことや悩みがあれば遠慮なく言ってくださいね」と伝えるようにしているんです。気負わずなんでも話してほしいので、話しやすい空気を作るように意識しています。チーム全体の雰囲気も明るいと感じているんですけど、どう思いますか?
エンジニア T:明るいと思います! 業務外でのカジュアルな集まりもありますしね!
――チーム内の雰囲気のよさが伝わってきました。最後に、一緒に働く仲間として、どんな方にジョインしてほしいかを教えてください。
エンジニア Y:まずは、他部署からの依頼や相談に対して、相手のやりたいことや思いをしっかり汲み取れる方ですね。そのうえで、新しい技術にアンテナを張って情報をキャッチアップできたり、自分の考えをチームに提案したりできる方はうちのチームにマッチすると思います。
ただ、何より大切にしたいのはチームワークなんです。自分の意見を主張するのではなく、「こういうのはどうですか?」と提案して、チームメンバーの考えも尊重できる。そんなふうに、周囲と高め合える方と一緒に働きたいなと思います。
部長 U:僕は個人的にそこまでスキルを求めていないんです。もちろんあったほうがいいけれど、やる気があればスキルは後から付いてくると思っています。だからVTuberというまだまだ発展途上の業界で、新しいことにチャレンジする積極性を持っている方がいいな、と。そして仕事をしながら、「こういう機能があると便利かもしれない」「こうしたらファンの方がもっと喜んでくれるかもしれない」と考えられる方だとうれしいです。
エンジニア T:僕も自分のやりたいことがあって、積極的に手を上げられる方がいいですね。Uさんが言った「スキルは後から付いてくる」というのはその通りだと思いますし、まさに僕がそうでしたから。この会社は挑戦できる環境とフォロー体制が整っているので、やる気と積極性を持っている方は活躍できると思います。
部長 U:あともう1つ、「技術を取り入れること」を目的にするのではなく、手段として使える方ですね。「この技術をやってみたい」ではなくて、「この技術を使ってこういうサービスを提供したい」と考えられる人。ANYCOLORにはいくらでもチャレンジできる土壌があるので、技術を通じてファンの皆さんやライバーさんにお届けしたい体験がどんなものなのかを見据えつつ、率先して行動できる方は楽しく仕事ができると思います。