Nornis Orchestra Live「Concerto di luce」レポート
さんばかの「IF」のストーリーを描いた「Page of Lambda」のOPテーマ「Try add」でライブは開幕。オーケストラ&生バンド編成で奏でられる壮大なサウンドがホールを包み込む中、戌亥と町田はその圧倒的な歌唱力で観客を一気に魅了する。Nornisの類まれなる歌唱力に身を預けて聴き入っていると、続く2曲目では「Odyssey」へとつなげていき、これから始まる冒険への期待感を膨らませるような希望を歌い上げるナンバーを届けた。
MCではオーケストラライブということで、いつもより上品なトークを展開しようとしていることを明かしたNornis。指揮者やオーケストラ、バンドメンバーを紹介すると、「オーケストラと我々の新たな音楽の世界をお届けします。上質で贅沢な時間をお楽しみください。」とアナウンスして、再び歌唱パートに入っていく。
ハーモニーが心地よく鳴り響く、幻想的なスローコーラス「Circle of stars」で、再び観客をNornisの世界観に惹き込んでいく戌亥と町田。存分に聴かせるように歌い上げると、この日のためにアレンジされたイントロから始まる幻想的な楽曲「Lycoris」へ。リコリス(彼岸花)のように真っ赤な照明に包まれる中、「Nornis LIVE TOUR 2024 -Tensegrity-」の仙台公演で発表された新曲「Wishing you」までを一気に歌い上げた。
序盤からライブならではの壮大かつ優美なオーケストラサウンドに乗せて、Nornisらしい迫力に満ちたパフォーマンスを見せていった2名。MCで観客との掛け合いを挟みつつ、カバーパートに入ると、戌亥は未来古代楽団による楽曲「忘れじの言の葉」をカバー。続く町田は「一番の宝物 Yui ver.」を歌い上げ、それぞれの楽曲表現における射程の広さを見せつけていく。
カバーパートを締めくくったのは「歌よ」。オーケストラの魅力を届けるのに最適なこの曲を情感たっぷりに響かせると、最後まで声を振り絞るようにして歌い上げた。
15分の休憩を挟み、2幕の幕開きはオーケストラのみの演奏による「White Blossom(Instrumental)」。管楽器を中心とした伴奏から始まると、最後はフルオーケストラならではのそれぞれの楽器の音が一体となったうねりがホールを包んだ。
椅子に腰掛けたNornisが現れると、Nornisの楽曲群の中でも爽快感のある希望にあふれる軽快なナンバー「innocent flowers」をオーケストラアレンジで披露。原曲の雰囲気とは打って変わって、BPMもスローなアレンジで響かせると、続けて「Goodbye Myself」でも温かい歌声と音色をじっくりと会場に演奏を聴かせた。
このMCでは「あと3曲なんです……!」とまもなく終演が近づいていることを明かす。MCで一度和やかな雰囲気に包まれた会場も「Fragment」が始まるとすぐさま静まり返り、Nornisの力強くも切なさも感じさせる歌唱に聴き入っていく。
その後、町田が1人でステージに現れると、1st mini Album「The Pages」から「ひとひらの未来」を披露。出だしは静かな印象を与える本楽曲だが、サビに近づくにつれて大きな盛り上がりをみせる。ラスサビではロングトーンを響かせて、最後まで力を振り絞るようにして歌い上げた。
残すは1曲となった本ライブ。最後のMCで町田は「珍しくライブが始まる前に、そわそわしてました」と振り返ると、「個人としてもNornisとしても成長していきたいし、みんなともっといろんな景色を見ていきたいと思っています」とコメント。
戌亥は「歌い慣れた楽曲が普段とまた違うような気がした」「これ以上のコメントは夜公演に取っておきます(笑)」として、「いよいよ、最後の曲になります」とアナウンス。「誰かに寄り添えるようにという願いを込めて作りました。聴いてください、『優しい君へ』」と新曲を紹介し、オーケストラライブはフィナーレへ。
「優しい君へ」は劇伴のような臨場感たっぷりのサウンドで、彼女たちのしっとりした声がいっそう際立つ美しいナンバー。「最後のシンガロング、みんなの声を聴かせてください。」と優しく語りかけると、盛大なシンガロングを巻き起こした。
オーケストラのパワーに劣らない、見事な歌唱力で全曲を歌い切ったNornis。曲ごとにさまざまな表情を見せる戌亥と町田の歌声と、この特別なライブとの再会を心待ちにしたい。最後には客電がつき、明るくなった会場に幸福感のある余韻が残る中、Nornis Orchestra Live「Concerto di luce」は幕を閉じた。
ライブを終えたNornisからコメントが到着
──ライブが終わった今の率直なご感想をお聞かせください。
戌亥とこ
またみなさんと一緒にライブがしたいな、という気持ちです。終わってしまった寂しさはありますが、今回本当にたくさんの人に支えられて作り上げたライブを経て今後も頑張っていこうと強く思えました。
町田ちま
まだふわふわ夢を見てるような気持ちです。リスナーさんやNornisチーム、たくさんのスタッフさん、そして相方から日々受け取っている情熱をより強く感じられた一日でした。今の幸せな気持ちも大事にしつつ、今回の反省点や今後の課題も自分の中で見つけています。
──ライブで特に印象的だったシーンを教えて下さい。
戌亥とこ
各公演を終えたあと、揺れるバングルライトやペンライトの光、それと一緒に聞こえてくる拍手や歓声が本当に美しくて思い出深いです。いつもと違ってアンコールこそなかったですが、とても充実していたと思います。
町田ちま
とこちゃがその光の海を眺めながら「この景色を目に焼き付けとかなきゃ」と呟いていたことが一番印象に残っています。相方が戌亥とこでよかったなとその時強く強く思いました。
──最後に観てくれたファンへのメッセージをお願いします。
戌亥とこ
ライブを観てくださって、本当にありがとうございました。作り上げたものを受け取ってくれるみなさんがいてこそ出来上がるものですし、受け取ってくれたのがみなさんで良かったと心から思っています。必ず、また会いましょうね!
町田ちま
いつも見守ってくれてありがとうございます。これからもっとNornisのことを好きになってもらえるように、我々は歌い続けます。返しきれない感謝の気持ちを受け取る準備をしていてくださいね。
Nornis Orchestra Live「Concerto di luce」昼公演セットリスト
1.Try add
2.Odyssey
3.Circle of stars
4.Lycoris
5.Wishing you
6.忘れじの言の葉(カバー楽曲)
7.一番の宝物 Yui ver.(カバー楽曲)
8.歌よ(カバー楽曲)
9.White Blossom(Instrumental)
10.innocent flowers
11.Goodbye Myself
12.Fragment
13.ひとひらの未来
14.優しい君へ

Nornisが贈る「空気が変わる。きっと、息をのむ。」鑑賞体験、オーケストラライブに込めたスタッフの信念