「MECHATU-Aの集合体」を目指した「On-Deck!」
――このインタビューでは、先日発売されたばかり(※1)のMECHATU-A 1st Mini Album「On-Deck!」の制作に携わったスタッフのおふたりに、各曲のコンセプトや制作中のエピソードをお聞きしていきます。まず、おふたりはこのアルバム制作においてどのような業務を担当されていたんでしょうか。
※1→取材は2026年7月に実施した。
プランナー Y:肩書としてはプランナーですが、部内では“音楽商品に関わるなんでも屋さん”のような立ち位置で動いています。MVやアルバム、それらに付随する特典グッズの企画・制作進行などいろいろ行っていて、中でも、Blu-rayの制作進行を担当させていただくことが多いですね。「On-Deck!」に関しては、アルバム自体の企画立案・進行を担当し、特典グッズの企画もしました。
音楽制作ディレクター T:原盤制作に関わる部分は音楽制作ディレクターである自分たちの担当です。「On-Deck!」の場合は、Yさんが考えてくださった企画やアルバムのコンセプトに対して「このコンセプトなら、こういう楽曲はどうですか?」と提案することに始まり、クリエイターさんとのやり取り、ライバーさんからいただくご意見の取りまとめのほか、曲によってはレコーディングのディレクターを担当することもありました。
――アルバムに収録されている音源に関わる部分の主担当はTさんで、特典グッズ制作も含め全体の企画と制作進行はYさんということですね。先ほどアルバムのコンセプトのお話が少し出ましたが、「On-Deck!」はどういうコンセプトで制作されたものなのかお聞きしたいです。
プランナー Y:今回は、特に明確なテーマを掲げているわけではないんです。普段アルバムを制作する際にはテーマに沿って曲作りをしていくことが多いのですが、MECHATU-Aの皆さんは各々が別のフィールドで活躍していらっしゃるので、きっちりとコンセプトを決めると型にはめ込むようでもったいないと考えたんです。そのため、あえて方向性を絞り切らず、ライバーさんたちのいろんな個性が感じられる曲を詰め込もう、という考えが最初からありました。
一方、アルバムのタイトルはしっかりとイメージを固めようとしていたので、決めるまではけっこう悩みましたね。ライブを制作するイベント部と話し合いをする中で「OriensのOとDyticaのDを入れたい」という意見があり、それを踏まえつつ「ヒーローのセリフっぽくしたらカッコいいかも」とさまざまな案を考えて、どうしようかといろいろ調べたんです。その後、直訳すると「Deck(船などの甲板)に上がる」で「準備万端、いつでも行動できる」という意味のスラングを見つけて。「オーディオデッキ」など音楽に関連する単語でも「Deck」が使われることがありますから、これはいいな!と思って決めました。
――Tさんは、タイトルやコンセプトを決める段階からすでに参加されていたんですか?
音楽制作ディレクター T:そうですね。「こういう方向で考えています」と共有をいただき、ライバーさんやYさんが考えていることを楽曲でどうやって表現できるのか……と一緒に相談していました。Yさんが先ほどおっしゃっていた通り、MECHATU-Aの皆さんはさまざまな魅力をお持ちですし、音楽面では声が高い方から低い方までいらっしゃって、いい意味で本当にバラバラなんです。だから、タイトルもアルバムの方向性も、MECHATU-Aの皆さんに合っているな、という印象を受けました。
プランナー Y:恐らくファンの方々がMECHATU-Aの皆さんに抱いている印象や応援したくなるところも、それぞれ違うと思うんです。ライバーさんもファンの皆さんも好みがバラバラだからこそ、いろんな魅力が結集した「MECHATU-Aの集合体」のようなアルバムならイメージに合うかもしれない、と。我々としては、こうしていろんな個性を集めたアルバムの中で、何か1つでも聴いてくださった方に刺さるところが生まれればいいな、と思っていました。
――ライバーさんたちの多面的な魅力を集めて制作されたアルバムだからこそ、いろんな楽しみ方もできますね。それでは、収録されている楽曲について詳しくお話を伺っていきます。ライバーさん全員が歌唱に参加している「The Hearties」「PEACE MARK」がアルバムの最初と最後に収録されていますよね。この曲順に意図のようなものを感じましたが、どのようなイメージで作られた楽曲ですか?
プランナー Y:「The Hearties」はアニメのオープニングテーマ、「PEACE MARK」はライブの終盤を思わせるような曲、というイメージをしていたんです。そのためアルバムの最初と最後に配置しました。全員で歌う楽曲の位置を決めてから、他の楽曲の順番を決めていったんです。
音楽制作ディレクター T:アニメのオープニングテーマ、というコンセプトを踏まえて、「The Hearties」はいわゆるバトルアクションアニメの主題歌になっても違和感がないような曲を目指していました。ライバーさんたちがこれまで公開してきた「歌ってみた」動画の傾向を踏まえても、ご本人たちやファンの皆さんも楽しんで聴いていただけそうだな、と感じていたので。曲全体のコンセプトとしては、得意分野や活動の方向性が違うライバーさんが揃っていますから、普段は各々のフィールドで闘いを続けている皆さんがヒーローとして共闘している場面、というイメージをしていました。
プランナー Y:この曲を初めて聴いたときに感じる景色としては、「ああ、MECHATU-Aの皆さんのヒーロー活動がアニメ化されたんだなあ……」みたいな。そういう情景が浮かぶような曲になったらいいな、と思いながら相談をさせていただいた記憶です。
――推進力のある歌詞と情熱的な曲調ですが、若干の不穏さも感じられるので、これから大きな闘いに挑んでいく気迫を感じる楽曲でした。それでは、アルバムのラストを飾る「PEACE MARK」についてはどういうイメージでしたか?
プランナー Y:今回のアルバムはMECHATU-A 1st LIVE “Over Drive!”に紐づいたものですから、ライブ会場の情景を浮かべてくださったらいいな、と考えながら進めた曲でしたね。ペンライトの光が客席に広がる中で、ファンの皆さんとライバーさんたちが作る楽しい時間がより魅力的になるような曲にしたいと思っていたところ、Tさんとクリエイターさんがイメージ通りの楽曲に仕上げてくださいました。
音楽制作ディレクター T:先ほどのアニメ主題歌の例えに戻るなら、大団円のシーンで流れていてほしい曲ですよね。聴いている方が口ずさめるようなコーラスや、手を振りたくなるようなメロディで、ライバーさんと一緒に楽しんでいただけるような曲を意識していました。
プランナー Y:取材を受けるにあたって、制作していた当時に自分で用意した資料を見返しているんですけど、「大団円の曲」って書いてあります(笑)。
音楽制作ディレクター T:(笑)
――アルバムを1つの物語と捉えて制作するアーティストの方もいらっしゃいますから、そういう意味で「On-Deck!」という物語を締めくくる楽曲になったのではと思います。それではOriensとDytica、それぞれのユニットによる楽曲についてお聞かせください。ユニットごとにジャンルがガラッと違う2曲ですが、それぞれどういうイメージで制作されたんでしょうか。
プランナー Y:Oriensはすでにユニットのオリジナル曲「IENOMI」が発表されていたので、「Promised Future」ではそちらと違う一面を見せたい、というライバーさんたちからのご希望が前提としてありました。そこでOriensがヒーローとして活動している場面をテーマにしたんです。
音楽制作ディレクター T:ライバーさんたちも我々も、「愉快にふざけ合っているだけじゃないOriensを見せよう」という方針は最初から一致していましたね。ヒーローとしてのカッコいい一面はもちろん、カッコよくなるために泥臭くがんばっている、という等身大の姿を描こう、と。今振り返ると「等身大」は重要なキーワードでしたね。
プランナー Y:そうですね。ヒーローとしてのOriensを描くことでファンの皆さんにエールを送れるような楽曲にしよう、という意見もありました。そのエールの形も、みんなを守るヒーローとしての大きくて頼りがいのある姿じゃなくて、ありのままの自分たちの努力を見せてファンの方々に寄り添いたい、というものでした。
音楽制作ディレクター T:「自分たちもカッコ悪いところがあるし、できないこともたくさんあるけど、そういうところを見せながら一緒にがんばろうよ」と言える存在でありたい、というメッセージを詰めていった結果、「等身大」というキーワードが出てきたんだと思います。
Oriensが過去に発表していた楽曲とは違う一面を見せようとしていた一方で、「月下美人」はDyticaにとって初めてのユニット曲なんです。Dyticaの皆さんはこれまでの活動を見る限り、同期ユニットではあるものの、前提として個人の活動で積み上げてきたものを大切にしている、という印象でした。そのため、Oriensがチームとして魅力的な表現をすることに挑むとしたら、Dyticaはそれぞれの個性を活かしながら素敵な曲を作る、ということを考えていましたね。
そのため参考になりそうな楽曲のジャンルをいくつか提示しながらライバーさんに選んでいただき、皆さんの声質も踏まえて、少し夜の雰囲気を感じさせるシティポップ調の楽曲に着地したんです。その後の歌割なども含め、Dyticaは個々の魅力を大事にすることを念頭に置いていました。
プランナー Y:確かに、Oriensの皆さんとは楽曲のテーマをしっかりと話し合って、Dyticaの皆さんとは音楽表現の方向性を重視して打ち合わせをしていましたね。
音楽制作ディレクター T:得意な歌い方もそれぞれ違うので、そんな皆さんの“武器”を最大限に活かしていただきたいとも思っていましたから。特にサビは、それぞれの声を活かすために工夫をしています。伊波(ライ)さんと星導(ショウ)さんは上の音階を、小柳(ロウ)さんと叢雲(カゲツ)さんがその1オクターブ下を歌っているんですが、ハモりにするわけではなくて、全員の声がしっかり聞こえるようにしているんですよ。皆さんが歌えるようなキーに揃えるのではなく、それぞれの声の魅力が最も発揮されるキーで歌えるようにすることで曲に厚みが出てカッコよくなると思ったんです。
ユニットを横断した楽曲で、スタッフも想定外の事態が発生
――ユニットを横断したシャッフルメンバーでの楽曲も、ファンの方々がさまざまな組み合わせを楽しんでいらっしゃったようでした。
プランナー Y:アルバムに収録する曲数は最初から決めていたので、その中でどういう組み合わせでどんな楽曲にするかはすごく悩みましたよね。我々2人でいろいろとアイデアを書き出して、ライバーさんにもご意見をいただいて。
音楽制作ディレクター T:(うなずく)
プランナー Y:最初にお話しした通り、アルバム自体のコンセプトはきっちり定めずMECHATU-Aの魅力をとにかく詰め込むという方針ではあるものの、曲同士で雰囲気を被せてしまうわけにはいかないので。アルバムとして成立する組み合わせで、かついい曲にしなければ、という思いで、曲調とライバーさんの組み合わせはほぼ並行して考えました。全体のバランスを考えながら、ファンの方々が今まで見たことのない組み合わせにトライしてみたり、各々の得意技を活かした歌い方ができるチームを組んでみたり。
音楽制作ディレクター T:組み合わせのパターンも含めて、「こういう曲を作れると思うのですが、いかがですか?」というラインナップをご提案しました。でも、それはあくまでも我々が考えたものですから、「ライバーさんたちはどんな曲を作りたいですか?」とイメージをお聞きする打ち合わせをさせていただいています。そこで出たご意見をもとに、ブラッシュアップを重ねながら制作をしていきました。
――お話を伺っていると、ライバーさんたちのご意見をたくさん取り入れながら制作が進んでいったんだなと感じます。シャッフルユニットの楽曲について、ライバーさんたちとどういう話し合いをされたのかお教えいただけますか?
プランナー Y:佐伯(イッテツ)さん、宇佐美(リト)さん、叢雲さんが歌った「NEW MUSCLE ORDER」は、コンセプトを決めるときに「何かぶっ飛んだことをやりたいね」というお話になったんです。「ユニークなことをやる」という点に特化した曲は世間でもすでにたくさんありますから、何か別の要素をかけあわせようということになり、全員ですごく頭を悩ませた結果採用されたのがエクササイズでした。誕生の経緯も面白かったので、すごく覚えていますね(笑)。
音楽制作ディレクター T:話し合いの最中、面白いことを真剣に突き詰める姿勢に、「やはり皆さんは、にじさんじライバーなんだな」と再確認しました。エクササイズを軸に決めるまで、お三方はそれぞれの共通項を探してアイデアを本当にたくさん出してくださったのが印象的でしたね。「全員漢字が苦手」という共通ポイントから、お勉強ソングにする案もありました。
プランナー Y:赤城(ウェン)さん、伊波さんの「フェイクプリンス × リアルプリンセス」を作るときは、方向性として「“アイドル”を突き詰めて面白くしたいです」というご意見をいただいていました。いわゆる、キラキラしたアイドルソングを作りたいということではなく、「赤城さんと伊波さんがアイドルを極めて、なおかつその姿が面白い」という。おふたりとも声質が明るくて高いので相性がいいのでは、という考えからペアになった方々なんですが、いい意味ですごく変化球な楽曲が出来上がったなという印象です。
――「フェイクプリンス × リアルプリンセス」では、好きな人の理想のタイプに近づくため、王子様のように優雅に振る舞うものの、だらしない本当の姿を見せられず苦悩する心情が描かれていますね。
音楽制作ディレクター T:はい。「On-Deck!」のクロスフェードムービー(※2)が公開される少し前の話なんですが、赤城さんと伊波さんによる「ロメオ」の「歌ってみた」動画が公開されたんです。「ロメオ」でキラキラとした王子様を表現していたおふたりが、その後公開されたクロスフェードムービーで「王子様とか インポッシボー」と歌っていらっしゃるので、ファンの方々が驚きつつもとても面白がってくださっていた印象でした。
※2→アルバムの試聴を目的に、収録曲の一部分をつなげて編集した動画。
プランナー Y:本当にすごいタイミングでしたよね。この2曲の温度差でファンの方々が風邪を引いてしまうのではと思いましたが……(笑)。でも「ロメオ」のような素敵な王子様像も、その逆の姿も1曲の中で楽しむことができると判明して、聴いてくださった方にも楽しんでいただけたんじゃないかと思います。「捌 -HACHI-」については、アルバム全体のバランスを見てゴリゴリのラップ曲があってもいいかもしれないと考えたので、ラップの技術力が高い緋八(マナ)さん、星導さん、小柳さんに参加していただきました。
音楽制作ディレクター T:この曲は先ほどお話しした「月下美人」と同じように、楽曲のメッセージやテーマを決めてから作るのではなく、どういう音楽表現をしたいのかを先に決めていきました。作詞・作曲・編曲を担当してくださったVACONさんが思い描く世界観を表現するために、いただいたご提案を元に深掘りしていったんです。
プランナー Y:でも「捌 -HACHI-」の収録はちょっとびっくりしましたね……! と言うのも、収録の段階で緋八さんも星導さんも小柳さんもほぼ完璧に仕上げた状態で収録に臨んでいらっしゃったんです。「捌 -HACHI-」は歌うのがめちゃくちゃ難しい曲で、制作したVACONさんですら大変だったとおっしゃっていたんですよ。
音楽制作ディレクター T:VACONさんはリモート参加ではありましたが、作家さんご本人がディレクションを担当してくださるということもあって、ライバーさんたちもより気合いが入っているなと感じましたね。
「期待してくださる皆さんを裏切らないものをお届けできた」
――YさんもTさんもレコーディングに参加されたと思うのですが、現場はどんな様子でしたか?
音楽制作ディレクター T:「The Hearties」は「紅蓮華」などで知られる草野華余子さんが作詞・作曲を担当してくださった曲なのですが、草野さんが現場でとてもパワフルだったことを覚えています(笑)。草野さんはシンガーソングライターとしても活躍されていらっしゃるので、現場でボーカルディレクションも担当してくださったんです。それはもう“熱血指導”でしたね。歌う際の姿勢など細かい部分にいたるまで、さまざまなアドバイスをどんどんしてくださるので、ライバーさんたちも自然に「はい!」と元気な返事になっていって。部活動のようでした。
プランナー Y:実際、ライバーさんたちがアドバイスをどんどん吸収して、収録が終わるまでの間に歌唱力が格段に上がりましたよね。皆さんがすごくスッキリした表情でスタジオから出る様子が印象的でした。
音楽制作ディレクター T:草野さんがここまで丁寧に指導してくださるのは、ひとえに、この楽曲にとても真摯に取り組んでくださっていたからだと思います。そこに加えて、シンガーソングライターとしてのご自分の経験を踏まえてお話ししてくださいますし、ボイストレーニングの知識もお持ちの方なので、とても実践的な指導をしてくださっていました。「この部分はちょっと声が出にくいな……」と苦戦したライバーさんも、草野さんの指導を受けて歌えるようになっていましたし。
プランナー Y:非常に気持ちよく声が出るようになっていましたよね。そうやって指導の成果が出て、歌声が変化する様子を目の当たりにしたのがエピソードとしてかなり印象深いです。
――すごいお話ですね……。ちなみにMECHATU-Aの中には音楽活動に力を入れているライバーさんも多く、レコーディングの際に各々のこだわりが見える場面もあったのではと思うのですが、その点はいかがでしたか?
音楽制作ディレクター T:そうですね、ライバーさんによって本当に個性が出るなと感じました。例えばご自分が歌われた複数の音源をすべて聴き直して、我々スタッフと相談しながら一番納得のいくテイクを選ぶ方もいらっしゃれば、すでに素晴らしい仕上がりになっているテイクが録れているけど「あと1回だけ歌ってもいいですか?」とこだわり抜く方もいらっしゃいました。
あと曲への解釈を事前に詰めてきて「自分はこう考えているんですが、これってどう思いますか?」と丁寧に相談を重ねながら収録される方も印象に残っていますね。ライバーさんそれぞれに合ったレコーディングの方法があるな、とこのアルバムを経て自分でも改めて勉強になったと感じています。
プランナー Y:(うなずく)。全体を振り返ると、皆さん本当にきっちり練習を重ねて現場に来てくださっているんだな、という裏側の努力を強く感じましたね。歌そのものだけじゃなく、体調など全体のコンディションも気を付けてくださっていたので、現場ではすでに完成に近かったクオリティをさらに高めていく作業に集中できたと思っています。
――ライバーさんたちのさまざまな個性を詰め込む、というアルバムのコンセプト通り、レコーディングの形もそれぞれだったんですね。話は変わりますが、「On-Deck!」は通常盤、初回生産限定盤、MECHADE-K盤の3形態あり、どれもジャケットビジュアルが全然違いますよね。 ビジュアルの制作はどんな方針で進められたんですか?
プランナー Y:おっしゃる通り、ライバーさんのいろんな一面をお見せすることを目標に作ったアルバムなので、あえて形態ごとに見た目をガラッと変えてみました。通常盤はプロモーションでも使われる機会が多く、いわゆるアルバムの“顔”になるビジュアルなのでタイトルに沿ったイメージにしたいと思っていたことと、MECHATU-Aのアルバムだということをわかっていただきやすいように、ライバーさんたちにはファンの方々にとってなじみ深いいつもの服を着ていただいています。構図は「準備万端」というタイトルの意味を踏まえて、気合い入れの円陣を組んでいる……というイメージですね。
――なるほど。初回生産限定盤はカジュアルな私服風、MECHADE-K盤はパーティに参加するような華やかなスタイルで、確かにどれも印象が大きく変わりますね。
プランナー Y:初回生産限定盤のビジュアルでは、ライバーさんたちの日常を感じられるようなラフなポージングをしていただいています。配信で見られるような皆さんの個性を表現できたらなと思っていました。あとこのビジュアルをステッカーにすることが決まっていたので、アイテムとしての使いやすさも重視しています。
MECHADE-K盤は、30cm×30cmの本当に存在感のあるジャケットなので迫力がありますよね。特典としてライバーさんを1名ずつ大きくプリントしたアナザージャケットが付属するので、大きいサイズのグッズになったときにお客様に喜んでいただけるビジュアルにしたい、と考えていました。アルバム発売を記念した撮影なので皆さんにドレスアップしていただき、スタンドなどを使ってカラフルな背景をセッティングしたほか、タコ焼きや唐揚げのようにライバーさんの配信を思い出させるような小物も配置した撮影現場を作り上げました。ちなみに、これまでいろんな商品を担当させていただいたのですが、個人的に「変わった要素を何か1つは入れること」をモットーにしているので、フックになるアイテムを作ったり、アイテムの名称を凝ったりしてきたんです。今回はそれがMECHADE-K盤でした。
――ファンの方々から「想像以上に大きい」というコメントがたくさん寄せられていましたので、間違いなく大きな話題になったアイテムですね。お買い上げいただいた方々からのご感想をたくさん目にしていると思いますが、今のお気持ちをお聞かせください。
プランナー Y:発売日を迎え、皆さんからたくさんのご感想をいただいたことで「本当にがんばってよかったな」と感じています。CDは企画が始まってから世に出るまで多くの時間が必要なものですから、ライバーさんとともに自信を持って作ってはいましたが、「皆さんにどう受け止めていただけるんだろう」「この特典は喜んでいただけるのだろうか」と、いろんなことを考えていました。我々があえて表に出していないけどこだわった部分もあり、そこをファンの方々が感じ取ってくださったのであろう感想も見かけて、スタッフとしては「そう、そこです!」と言いたくなります(笑)。
直接感謝をお伝えすることはできないのですが、本当に励みになります! 中には楽曲を聴いて思い浮かんだイメージをファンアートとして描いてくださる方もいらっしゃって、「ライバーさんとスタッフ一同で思い描いていたものが、こんな形で届いたんだ!」とあたたかい気持ちになりました。これからもたくさん聴いていただいて、引き続き感想などいただけるとうれしいです。
音楽制作ディレクター T:今は何より、ホッとしています。どの曲でもライバーさんの個性を潰さず、素敵なところを引き出せるように注力していたんですが、ファンの皆さんが書いてくださるご感想を読むと、皆さんにとっての“ライバーさん像”を裏切らないものが作れたのかなと思っています。歌割1つとっても「この歌詞をこのライバーさんが歌ってくださってうれしい」というお声や、「この部分を、こんなふうに歌っているのが気持ちよくハマっていた」というように、音楽的な要素を感じ取ってくださってるご感想も多くて。期待してくださる皆さんを裏切らないものをお届けできたことがうれしいですね。
これまでVTuberの音楽にあまり触れてこなかったという方にもどうやら届いているようで、このアルバムをきっかけにMECHATU-Aをはじめとしてにじさんじの楽曲を聴いてくださる方が増えたらいいな、と感じました。Yさんもおっしゃっていた通り、我々が「ここに気付いてくれたらいいよな」と思う部分に気付いてくださったり、聴いてくださった方にとって刺さる部分をそれぞれ見つけていただいている様子を見て、本当にありがたいなと感じています。これからも楽しんでいただけるとうれしいです!