Idios 1st LIVE “Seize the day” Day1レポート
Idiosメンバーそれぞれを紹介するオープニング映像の最中、ステージ照明は灯らないものの、暗がりの中から小清水透、獅子堂あかり、鏑木ろこ、五十嵐梨花、石神のぞみ、ソフィア・ヴァレンタイン、倉持めるとが1名ずつ登場。ファンの熱気が少しずつ高まっていき、映像が終了すると盛大な拍手がライブの開演を祝福する。この日の幕明けに選ばれたのは、アゲアゲなパーティチューン「参戦決定☆メタモリディオス」。この曲はIdiosの自己紹介ソングとなっており、ファンは曲の合間に「りかしぃ!」「ソフィ!」「あかぴゃ!」「ろってぃ!」「しーちゃん!」「めるち!」「いしがみ!」と呼びかける。これでコール&レスポンスの準備はばっちりと完了した。
次の「あんぶれらシンデレラ」は雨の日の一幕を描いたラブソング。雨模様の憂鬱さを吹き飛ばすようなポップなステージングで7名はファンに元気を届けた。曲の終盤には彼女たちの手元に白い傘が現れ、小道具を活かしたキュートなダンスも見どころの1つに。パフォーマンスが終わると、客席から「かわいいよー!」という声が次々と投げかけられる。その後のМCパートで彼女たちは、普段の配信でおなじみとなっている挨拶でコール&レスポンスを楽しんでいた。
ここからメンバーそれぞれのカバーパートへと移る。トップバッターを務める倉持が歌い始めたのは、「みんなといるからこそ、”最強”になりたいと思わせてくれた曲」だという「Luna say maybe」。ハンドマイクを手にした倉持はステージをゆっくり歩きながら、歌声を会場いっぱいに響かせる。声を枯らさんばかりに熱を込める倉持の姿に、観客はすっかり魅了されていた。その後の「大声ダイヤモンド」では、小清水、獅子堂、鏑木、五十嵐が登場。曲名にちなんでダイヤモンドがきらめく映像を背負い、聴く人の背中を押すような熱い思いを詰め込んだ王道アイドルソングを堂々と歌い上げた。
その後ステージに残った五十嵐が歌ったのは「世界一可愛い私」。持ち前の甘くキュートな声の魅力を存分に活かし、時折拳を突き上げて観客を煽りながら客席を盛り上げていく。サビのコール&レスポンスでは、客席から返ってくる「かわいい!」という声に笑顔を見せていた。
続く獅子堂は「ファンサ」をチョイス。Idiosの中でも小柄な獅子堂だが、体全体を大きく使ってステージ上を飛び跳ねるように動き回りながら歌い、存在感を際立たせる。手振りには自身の口上の一部になっている「がおー」のポーズを折り込んでいた。
「嗚呼、素晴らしきニャン生」では、猫耳としっぽを身に付けた鏑木とソフィアがデュエット。鏑木が気ままな暮らしを愛する野良猫、ソフィアが飼い主に守られ優雅な生活を堪能する飼い猫に扮し、クリアな高音と心地いい低音を交差させる。
ソフィアはソロカバーパートで「LOVE & ROLL」を披露。ビートが重く響くダンスミュージックにソフィアの繊細な歌声が重なり、小悪魔的な雰囲気を感じさせるダンスで会場の盛り上がりを加速させた。
五十嵐と倉持は「ピッカーン!」をデュエット曲に選ぶ。中毒性の高いEDMによって、クラブさながらの熱気に包まれる会場。五十嵐と倉持のコンビネーション抜群のダンスに、観客は目を奪われていた。しかしここで小清水、ソフィア、倉持による「アイディスマイル」のパフォーマンスで会場の空気が様変わりする。あえてライバーの姿をはっきり見せないライティング、3名のたゆたうような声音かつ複雑なコーラスにより、ステージ上にミステリアスな空間が出来上がり、客席をクールダウンさせていく。
「アイディスマイル」でひと息ついた観客を、揺さぶるように斬りこんできたのは石神。「何チルい空気になってんの!? このあたしがめちゃくちゃ盛り上げてやるよ!」と「ライアーダンサー」をドロップする。熱気は再び上り調子になり、鋭いギターサウンドが鳴り響くロックチューンと、スピーディーな節回しがクールな石神のパフォーマンスに会場が支配されていく。
曲後のМCパートではIdiosが勢ぞろいし、10月29日に誕生日を迎えた石神をメンバーが祝うシーンが見られた。サプライズでケーキも用意され、思わず感涙する石神。メンバーと客席が声を揃え、彼女に「ハッピーバースデートゥーユー」の合唱をプレゼントした。
ライブの後半は、獅子堂、鏑木、石神、倉持による「とくべチュ、して」でスタート。客席に投げキッスを送るようなフォーメーションダンスや、SNSでおなじみになっているサビのダンスも完璧に披露。ピンク色の光に包まれ、甘さ100点満点のアイドルステージングを見せつける。「世界は恋に落ちている」では小清水の優しく透明感のある歌声が、甘く切ない青春ソングにマッチ。爽やかな青色にきらめく背景映像の前で歌う小清水の姿を、無数のシャボン玉が彩り、客席は彼女の優しい歌声に聴き入っていた。
シャボン玉のきらめきが残る中、元気いっぱいにステージに現れたのは鏑木。ソロカバー曲に選んだ「Booo!」で、軽快なギターロックに乗せて彼女らしい親しみやすく伸びやかな声を響かせる。ラストはお茶目に「おしまい!」と締めくくり、「かわいいー!」という歓声を浴びた。その後五十嵐、石神、ソフィアが「初恋サイダー」を披露。愛らしくもキレのあるパフォーマンスでライブ後半戦の山場を作った。
ここで、メンバーそれぞれが自分自身に課した難題に挑み、ファンにとって本人にとっても忘れられない思い出を作る「Idios本気チャレンジ」のコーナーへと移る。獅子堂はゲーム「Getting Over It with Bennett Foddy」を5分台でのクリアを目指すことに。軽快に登り進めていく獅子堂の姿にメンバーと観客は驚き、あわや落ちてしまいそうなタイミングでは会場中が悲鳴を上げる。奮闘の結果、5分台でのクリアを見事達成。獅子堂は「おめでとー!」という声を受けて、満足そうな表情だった。
ソフィアはスパイアクションに挑む。突如、壱百満天原サロメ演じる謎の組織のメンバーから「観客からIdiosにまつわる記憶を消し去る装置を会場にしかけた」と犯行声明が入り、ソフィアは組織のアジトへと単身乗り込んでいく。銃を手にした敵を華麗な足技で退ける、降り注ぐ銃弾を身軽にかわすなど、鮮やかなアクションの数々に観客は感嘆の声を上げた。
五十嵐は“五十嵐P”として乃木坂46メンバー・田村真佑をプロデュースすることに。田村が理想とするギャルの姿をヒアリングした五十嵐は、笹木咲、フレン・E・ルスタリオの手を借りつつ、「クールでビターな田村真佑」を作り出した。へそ出しのパンツルックに赤リップが映えるメイクを施された田村は「新しい自分と出会ったみたい」と大喜び。五十嵐もご満悦で、田村の姿を撮影していた。
倉持は得意のダンスをさらにブラッシュアップさせるため、ハウスやロックなどこれまで挑んだことのない曲調を詰め込んだメドレーでダンスを披露する。ジャズ調のピアノとストリングスに合わせたゆったりした動きで大人な雰囲気を醸し出したり、ハウスミュージックに乗せて切れ味鋭い動きを見せたりと、次々に変わる曲に敏感に反応して踊る倉持。踊りきったあとには、観客からの盛大な拍手とメンバーからの「すごーい!」という称賛が倉持に送られた。
ライブ本編最後の曲は「こいのね!」。ポップで耳に残るサウンドによって、会場全体が幸福感溢れる空間に。メンバーはこの日までに踊ってみた動画などで「こいのね!」のダンスをそれぞれ披露してきたが、ステージで全員そろってフルサイズ尺で踊るのは今回が初めて。かわいらしい歌声とダンスがあたたかな一体感を生む中、曲の終盤にはハート形の紙吹雪がステージの上から降ってきた。
すぐさま起こったアンコールの声に応え、7名は「それは僕たちの奇跡」を歌い上げる。曲中では、それぞれのメンバーが「私たちの今の思いを全力で歌います!」「この7人と皆と出会えたことが奇跡みたい!」と思い思いの言葉をファンに伝え、曲が終わると客席に向かって「(アンコール)ありがとー!」と感謝を述べた。小清水は「みんな今日は楽しかった?」と客席に語り掛け、「なんだかあっという間じゃなかった? みんなの大きな声とペンライトの光、いっぱい届いてたよ。本当に最高だった! 明日も全力で行くから付いてきてよね!」と拳を突き上げる。獅子堂は「まだ終わりたくないよー!」と駄々をこねつつも「みんな来てくれて、見てくれてありがとうございました! これからもずっと一緒にいてねー!」と笑顔でコメント。さらに「みんな好き!」と手を振り、メンバーと観客をメロメロにしていた。
「鏑木もみんなも? Idiosのことがー? 大好きー!」とコール&レスポンスを楽しんだ鏑木。「鏑木にとって初めてのライブだったんですけど、青いペンライトがキラキラしているのが見えたり、コメント欄に青く色をつけてくれたコメントや鏑木の名前が流れてきたりしていて本当にすっごく楽しい時間でした!」と満面の笑みを浮かべる。続く五十嵐も「感想をみんなに聞きたいと思います! 楽しかったですかー!」と客席に語り掛け、歓声を浴びてほほ笑む。そして「本当にありがとう! メンバーが一生懸命練習した成果を今ここで出せたので、我々のダンスや歌にかける思いをみんなが受け取って、いい思い出の1つにしてくれたらいいな、なんて思ってます!」と語った。
鏑木と同じく、この日初ライブを経験した石神は「ライブってこんなに楽しいんですね!」と喜び、「にじさんじ最高じゃないですか!」「Idios最高じゃないですか!」と客席に向かって叫ぶ。そして「いっぱい伝えたいことがあるんですけど、みんなに今日会えて、こうしてライブできて楽しかったです!」と感想を伝える。本番を迎えるまでずっと緊張していたというソフィアは「最初の曲でみんなの声が聞こえてきたとき、緊張が一気になくなってすごく楽しいって思えました! 声を出してくれたみんなありがとう! コメントでもいっぱい声出してくれて本当にうれしかったし、みんなと一緒にライブを作り上げられたことに超感謝でございます!」とコメントした。
最後に倉持は「とにかく何も考えられないくらい、めーっちゃ楽しかった! こんなに楽しいライブが明日もみんなで楽しめるということで、明日もいっぱいいっぱい一緒に楽しんでくれるかな!」と客席に呼びかける。その声に応じるように揺れるペンライトを見て、倉持は「みんなと一緒に作りたい景色がある」と言い、ファンとともに“虹の景色”を作り出すことに。ペンライトの光を客席の列ごとに揃えることで、虹のような7色のグラデーションが生まれ、メンバーたちはファンとともに大興奮。その様子を見て、石神は再び目が潤んだようだった。
そしてここで、彼女たちからのサプライズとして新曲「なないろのうた」を初披露。ドラマティックな旋律とともに紡がれるこの曲は、「この7人でステージに立たせてもらえた感謝と、誰1人欠けることなく歩んで来た軌跡をファンに届けたい」という思いが込められているという。新曲が会場に響く中、ペンライトでできた虹色の景色がきらめき、7名は今日の感謝を込め、ファンに「みんなー! 大好きだー!」と愛を叫んだ。
正真正銘のラストを飾るのは、Idiosが今年1月に発表した初めてのオリジナル楽曲「相性×優勝ドロップス」。コミカルでキャッチーなメロディに7名の個性を詰め込んだ1曲で、ファンの盛り上がりも最高潮に達する。コール&レスポンスの音量もこの日一番のボリュームで、客席からも今日の日を最後まで楽しもうという熱量を感じた。ラストにはピンクのテープとカラフルな紙吹雪が降り注ぎ、Idiosの初ライブという記念すべき1日を晴れやかに閉じた。
Idios 1st LIVE “Seize the day” Day1公演 豊洲PIT(東京)セットリスト
1. 参戦決定☆メタモリディオス
2. あんぶれらシンデレラ
3. Luna say maybe/「学園アイドルマスター」初星学園(カバー)倉持めると
4. 大声ダイヤモンド/AKB48(カバー)小清水透、獅子堂あかり、鏑木ろこ、五十嵐梨花
5. 世界一可愛い私/「学園アイドルマスター」初星学園(カバー)五十嵐梨花
6. ファンサ/mona(CV:夏川椎菜)(カバー)獅子堂あかり
7. 嗚呼、素晴らしきニャン生/Nem(カバー)鏑木ろこ、ソフィア・ヴァレンタイン
8. LOVE & ROLL/supercell(カバー)ソフィア・ヴァレンタイン
9. ピッカーン!/Giga & TeddyLoid meets 松田里奈 & 森田ひかる(櫻坂46)(カバー)五十嵐梨花、倉持めると
10. アイディスマイル/25時、ナイトコードで。(カバー)小清水透、ソフィア・ヴァレンタイン、倉持めると
11. ライアーダンサー/マサラダ(カバー)石神のぞみ
12. とくべチュ、して/=LOVE(カバー)獅子堂あかり、鏑木ろこ、石神のぞみ、倉持めると
13. 世界は恋に落ちている/CHiCO with HoneyWorks(カバー)小清水透
14. Booo!/TOKOTOKO(カバー)鏑木ろこ
15. 初恋サイダー/Buono!(カバー)五十嵐梨花、石神のぞみ、ソフィア・ヴァレンタイン
16. こいのね!
アンコール
1. それは僕たちの奇跡/μ's(カバー)
2. なないろのうた
3. 相性×優勝ドロップス