激動の1年間を振り返って、変化した「涙の種類」
――今宵、××と夢を見る。(以下、よいゆめ)の皆さんは、もうすぐデビュー1周年を迎えられます。まずは1周年を迎える今の率直な感想を教えてください。
十河ののは(以下、十河):まずは、よいゆめとしてバンドを続けることができて本当によかったと思います。みんな揃って1周年を迎えられそうで本当にうれしい、というのが率直な感想です!
蝸堂みかる(以下、蝸堂):わかるな〜。こうしてバンドを続けられて本当によかったです! デビューしたばかりの頃はわからないことも多くて未来のことが漠然としていたから、約1年が経った今、「なんやかんや続いてるやん!」とも思う(笑)。
十河:1年前はただただガムシャラだったから、先のことをあまり想像できていなかったもんね。今でも毎月集まって練習配信ができているし、すごくいいことだと思う。
蝸堂:いや、めっちゃわかる。練習以外のときにオフコラボができているのもいいよね。
――デビュー当初と比べると、この1年間でさまざまな変化があったと思います。おふたりの体感ですと、この1年はあっという間だったのか、長く感じたのか、どちらの感覚が強いですか?
十河:時と場合によりますね。一瞬で過ぎ去ったように感じる瞬間もあれば、「この期間、一生続いてるな」と感じる瞬間もありました。基本的にはあっという間なんですけど、1日中収録がある日は、「なんだか今日は時間が無限にあるように感じるな?」と思っていました(笑)。
蝸堂:わかる(笑)。1日がすごく長く感じて、気付いたら「えっ、お昼ご飯も夜ご飯も同じ場所で食べてるぞ……」みたいな。
十河:1人でドラム練習をしている1日も無限に感じる(笑)。できないところを繰り返し練習して、「よし! 3時間くらい練習したぜ」と思って、時計を見たら20分しか経ってないの。「あれ?」みたいな(笑)。
蝸堂:全然時間が経ってないんだよね(笑)。できるようになりかけたら一瞬で時間が経つんだけど、詰まっているときがとにかく長く感じる。でも、全体的に振り返ると、あっという間だったと思いますね。そう思えるのは、やっぱり活動が楽しかったからです!
十河:そうそう。いつもめちゃくちゃ楽しいよ。
――壁にぶつかっているときほど体感時間が長く感じる、というのは興味深いお話ですね。そんな濃密な日々のなかで、特に印象に残っている出来事を教えてください。
十河:デビュー前の準備期間まで含めたら、実は“デビューそのもの”が一番印象的だったかも?
蝸堂:たしかに。そう言えば、のの(十河)がデビューしてしばらく「これは本当のデビューじゃないかもしれない……実はドッキリなのかも!?」ってずっと疑っていたのも印象に残ってるよ(笑)。みかるたちが「デビューしてしばらく経ったし、もう大丈夫だよ!」って伝えても「いや、まだわからない!」って。
十河:そうそう(笑)。でも、その経験があったからこそ、同じような「デビューが実はドッキリかもしれない」という悩みを抱えている後輩の気持ちに寄り添うことができたよ。
蝸堂:(笑)。みかるも後輩ができたとき、「あ、自分は本当ににじさんじでデビューしてるんだ」って改めて実感できたな。
あとはやっぱりミニライブ(「今宵、××と夢を見る。1stMiniLive」)も印象に残っていますね。もともと、にじさんじのライブは3Dでするイメージが強かったから、2Dのライブってどんな感じになるのかな、という疑問があったんです。でも、実際にミニライブを経験してみて、「2Dでもこんなふうにライブができるんだ!」という発見がありました。ライブならではのヒリつく緊張感やアドレナリンが湧き出してくる感覚があったので、とても印象に残っています!
十河:そうだね! 当日は緊張したけど、みんなと一緒だったから「自分が失敗しても、絶対に誰かがなんとかしてくれる」という安心感があったよ。ライブ本番も楽しかったけど、練習期間も含めて本当にいろいろな思い出がある! あの時期は家族よりも長い時間、みんなと一緒にいたね。
蝸堂:ライブ中は一瞬記憶が飛ぶくらいの衝撃があったな〜。これは個人的なことだけど、課題曲の「GIVE ME FIVE!」をカバーする際に、うまく弾けなくてめっちゃ泣いちゃったのも印象深い(笑)。自分って悔しいことがあったらこんなに泣くんだ、って驚いたよ。
十河:でも、「少女S」のカバー演奏収録のときはシンプルに「技術が足りない!」って泣いていたのに、「GIVE ME FIVE!」のときは「家ではできているのに、今ここで弾けない!」って泣いていたから、時が経つにつれてみかるんも成長していって、涙の種類が変わったなって思ったよ。
蝸堂:確かに、そうかも! 勝手に涙がポロポロ出てくるんだよね。みんなが深刻なトーンで「え、大丈夫……?」って心配するんじゃなくて、「あいつめっちゃ泣いとるやん、がんばれがんばれ!」って気軽にイジってくれたから泣きやすかった(笑)。
十河:いつか「めっちゃうまくできた!」ってうれし涙を流せる日を目指して一緒にがんばろうね。
蝸堂:がんばりましょう。
完全未経験からのスタート、成長を感じる瞬間は?
――おふたりとも、ギターもドラムもまったく経験がない状態から練習を始められたんですよね? 実際に楽器演奏やバンド活動をする中で感じたことを教えてください。
十河:確かにののたちは完全未経験組だね。いや〜、ここまで本当に大変な長い道のりでした。
蝸堂:ある日突然、家に楽器が届くところから始まって(笑)。
十河: そう、いきなり楽器が送られてきたことで有名な我々です(笑)。わからないことだらけですべてが大変でしたけど、初めて1曲通してドラムを叩けるようになったときはうれしかった!
蝸堂:わかる! みかるもデビューしたばかりの頃は、簡単なコードすら押さえられなくて本当に苦労したな〜。パワーコードという弦を2カ所しか押さえない演奏方法ですら、手が届かないし指が開かないしでなかなか弾けなくて……。「いつか本当にギターを弾けるようになるのかな」って不安に思っていました。
十河:ギターは曲によって、メロディとかコードの組み合わせが違ってくるから大変だよね。ドラムは同じ演奏方法で対応できる曲もあるからさ。
蝸堂:そうなの。だから、だんだんギターが弾けるようになってきて、「あ、今この曲を弾けてるな」とわかった瞬間はすごくうれしかった。その後、みんなで音を合わせたときに曲が様になっていく感じも、「あ、今バンドをやってるんだ!」と思えて楽しかったな。
十河: 弾けるようになってからのバンド練習は本当に楽しいよね!「少女S」の「演奏&歌ってみた」がチャンネルに上がったときは本当に感動したよ。観てくれた人から「よかったよ!」とコメントをもらえたときに、「あ、本当にデビューしたんだ」という実感が湧いてきて。
蝸堂:ここだけの話なんだけど、バンド練習中にうまく弾けないときは気配を消してたよ……。アンプから音が出るか出ないかぐらいに絞って、恐る恐る鳴らしてた(笑)。
十河:ののは逆に、ハイハットだけ叩いて、さも「ちゃんとできてますよ?」っていう顔をしてた(笑)。みかるんは気配を消すのがうまいけど、ののは存在を主張するのがうまい(笑)。
蝸堂:いや、今その話を聞くまでずっとできてると思ってたよ?「ののは同じ時期に練習を始めたのにすごいな〜」って(笑)。でも、そうやって周りを見る余裕ができたのも、自分が少しずつ演奏できるようになってきたからかなとは思ってる。
十河: 確かにね。最初の頃は周りを見る余裕なんて全然なかったから。
蝸堂: 「音鳴ったやん、すごいやん!」っていうところから始まってね。
十河: 「お前、右手しか動いてないやん!」っていうときがね、昔はあったからね(笑)。
――ごまかし方にそれぞれの個性が出ていて面白いです(笑)。とはいえ、この1年でおふたりの演奏技術はかなり向上したのではと思います。ほかにもバンドをしていて印象に残っている出来事はありますか?
蝸堂:スタジオ収録をしていた日に、みかるがなかなかギターをうまく弾けなくて泣いている間に、みんながピザを食べていたときのことは印象に残ってる(笑)。控室に戻ったら、みんなが「お疲れ様! みかるの分もあるよ!」って言ってくれたんだけど、各々が好きなやつをつまんで、残った何枚かがきれいに丸く集められていて。
十河:ちゃんと集めて、きれいな1枚の円にしておいたじゃん?
蝸堂:そう! それがさ、ちょっとむかつくんだよ(笑)。でもそういうことを笑って言い合えるのが面白かったし、おかげで元気が出たんだけどね。次は温かいピザをみんなと一緒に食べたいので、早く収録を終わらせられるようにがんばります(笑)。
十河:ギターは録るところが多いから大変なんだよね?
蝸堂:そうそう。ギターって、バンドの中でも目立つメロディラインやソロを担当することが多くて、その分収録箇所も多くなっちゃうんだよね。だから、完璧なテイクを出せたとしてもどうしても時間がかかっちゃうという……。
十河:大変だよね。次はみんなで揃ってピザ食べようね!
音楽に向き合う姿勢の変化と、確かなメンバー愛
――この1年でご自身にどのような成長や変化があったと思いますか? また、1年前の自分が今の自分を見たらどう感じると思うかについて教えてください。
蝸堂:デビュー当初はギターでも配信でも、「自分にできないことがあるのはしょうがない」と思っていたのが、今では「悔しい思いをしてでも向き合いたい!」と思えるようになったのは大きな成長かもしれません。
十河:いいね、いいね! ののはこの1年を経験した今、「音楽って楽しいんだ!」というもともと持っていた心を取り戻しました。音楽が楽しくなかった期間があったというわけでは決してなく、最近になって音楽を楽しむ余裕ができたんです。
蝸堂:いや、わかるよ。音楽って楽しいんだよね。みかるは「GIVE ME FIVE!」のときにその心を取り戻した。必死さの中にある楽しさをだんだん見出せるようになってきて、本来のバンドの楽しさってこれだよな、って!
十河:だんだん“受動的な音楽”から「これをやってみたい!」と思える“能動的な音楽”に変わっていったんだよね。1年前の自分が今の自分を見たら「ドラムがうまくなったね、がんばったね!」と言ってくれると思う。
蝸堂:みかるも「やってんねぇ〜! がんばってるね!」って言ってくれると思う!
――この1年を経て、音楽を楽しむ余裕ができるほど成長されたんですね。では、自分自身ではなくお互いに対して、この1年で「ここが変わったな」と思うところはありますか?
十河:なんかあるかな?……ギターうまくなったねぇ、って。
蝸堂:いや〜、ドラムうまくなったねぇ。
十河:1年前はみかるんのいいところだけを見て好きになってたけど、1年経っていろんな面を見ても、全部ひっくるめて「こいつ、いいやつだな」と思ってるかも(笑)。
蝸堂:わかる!「こういうところあるよな、こいつ」みたいなのが、1年経って分かってきたけど、結局そこもひっくるめて「本当にいいやつだな」ってなるんだよね(笑)。
――それでは同期の夜牛詩乃さん、猫屋敷美紅さんの印象も教えていただきたいです。まずは夜牛さんについてお伺いできますか?
蝸堂:詩乃は周りに気を配ることのできる“気遣いの人”だよね。最近は配信中でもオフのときでも、みかるたちにフランクにツッコミをしてくれるようになってうれしい!
十河:詩乃はずっと機嫌がよくてにっこりしていて、一緒にいると本当に安心します。プライベートでも本当にたくさん食べるし、ずっと、ファンの皆さんも知っているあのまんまの詩乃でかわいい。「いつまでもそのままの詩乃でいてね」って思うし、詩乃の笑顔を損なうやつがいたら「俺たちが守る!」という気持ちです(笑)。
蝸堂:「ずっと幸せに暮らしてくれ!」って思っちゃうよね(笑)。あとはクリエイティビティが本当にすごいなと尊敬しています。ベースもすごく上手で、本人は大変そうな感じを一切出さないけど、裏ではすごく努力しているんじゃないかな? その努力も含めて詩乃らしさという感じがして素敵だなと思っています。
十河:わかる。「なんであんなにサムネ作るのうまいの?」と思ってるし、ベースもすごく上手で尊敬してるよ。
――おふたりの夜牛さんへの愛と尊敬の思いが伝わってきました。では、猫屋敷さんの印象はいかがですか?
十河:美紅は圧倒的な行動力があると思う。大人数を集めたマイクラ企画を主催して、全員に連絡を取って最後までやり切るなんて、自分だったらなかなかできないもん。「こういう企画をやりたいな」って思い浮かぶことは誰にでもあるけど、それを実際に行動に移せるのが美紅のすごいところだし、尊敬しているところです!
蝸堂:「よし、やろう!」ってすぐに動けるのが素敵だし、どんどん周りも巻き込んでいけるから交友関係がどんどん広がっていっているよね。プライベートでもいろいろなところに遊びに行くバイタリティがあるし、その際の出来事を配信で話して活動にも還元しているから、本当にすごいと思う。
十河:詩乃と美紅はめっちゃアウトドアだよね。いろいろなところへ行ってはお土産を買ってきてくれるんですけど、美紅がくれるお土産のチョイスが面白くて(笑)。
蝸堂:ははは(笑)。みかる、あれ好きだよ!
十河:ののも好きなんだけど、美紅がくれる謎の人形が家に増えていく。謎のにんじんみたいな人形、なんだったんだろう(笑)。
蝸堂:みかるはブロッコリーだったよ(笑)。お土産コーナーの中でも、「そう来たか!」って思わせてくれるような唯一無二のお土産をくれるんだよね?
十河:そうそう! ののは「よかったら食べて」って、お菓子とかみんなが好きそうな食べ物を選びがちだからさ。あのお土産をくれる美紅のセンスが大好き。
「自分がやりたいこと」を貫き、目指すは武道館&全国ツアー
――十河さんはドラム練習企画「100日間ドラムチャレンジ」、蝸堂さんは「歌ってみた」など、精力的に音楽活動をしている印象があります。配信や動画投稿をする際に意識していることや、今後やってみたい企画などはありますか?
蝸堂:みかるはデビュー当初、個人チャンネルで「歌ってみた」動画をあげることに少し負い目を感じていたんです……。「歌ったりゲーム配信をする時間があるなら、ギターの練習をしないと!」と思ってしまっていて。でも、それはそれとして、「個人のチャンネルでは自分のやりたいことをしたい!」と気持ちを切り替えて、好きなことをやるようにしました。最近は個人チャンネルでもギターに関連したコンテンツに挑戦したいと思っていて、よいゆめとは違う形で何かできることがないか考えています!
十河:ギターのコンテンツ、めっちゃいいと思う。今この記事を読んでいる人は、今すぐみかるんの歌を聴きに行ってほしいよ。2人で「歌ってみた」のコラボ動画を出したのも、みかるんと一緒なら歌いたいなと思って、ののから声をかけたんだよね。
蝸堂:ののから誘ってもらえるとは思わなかったから、すごくうれしかったよ!
十河:ののが活動で意識しているのは、「自分が楽しいと思うことをする」ですね。自分がやりたくないことは絶対にやりたくないんです。自分が楽しんでいるからこそ、ドラムチャレンジも自発的に続けられたし、視聴者の皆さんも「無理してるんじゃないか」と心配せずに、安心して配信を楽しんでもらえたと思っているので、これからも自分のやりたいと思うことを突き詰めていきたいです。
――これから挑戦してみたいことや、活動を通して実現したい“夢”を教えてください。
蝸堂:バンドマンの方々って日常的にライブをされている印象があるので、私たちも記念日とかだけじゃなくて、日常の中にライブがあるような活動ができたらいいな〜、と思ってる。
十河:2Dでライブできるんだっていうのがわかったし、もっとライブをやっていきたいよね。
蝸堂:目標はやっぱり武道館でのライブだよね?
十河:そうだね、武道館ライブは目標だね。いつか有観客の全国ツアーもやってみたい。これは半分冗談だけど、下北沢の路上でビラを配って、そのままライブハウスでライブをしてみたい(笑)。アルバムを作って、ライブ会場で手売りしたいな。
蝸堂:そういうビラ配りとか手売りの映像を撮り溜めておいて、いつか有観客ライブが決まったときにオープニング映像で流す、みたいな演出をやりたいね(笑)。
十河:うわ、いいなぁ! 路上ライブもやりたいよね。みかるんにアコギを弾いてもらって、ののはバケツの裏を叩くからさ(笑)。
――夢がどんどん広がりますね! ビラ配りや路上ライブ、いつか実現してほしいです。続いて、個人の目標についてもお伺いしたいです。
蝸堂:個人の目標としては、やっぱり「視聴者さんに会いに行きたい」という気持ちが大きいので、ファンミーティングをやってみたいです!あと、スケジュール的な制約がなかったらどれだけ長時間配信を続けられるのか、自分の限界が来るまで試してみたい。寝落ちエンドを迎えちゃうくらい(笑)。
十河:それは気絶だよ(笑)。ののはドラム演奏をするジャズ系のディナーショーとかやりたいな。あと、X JAPANさんの「紅」の完コピに挑戦したい(笑)。
蝸堂:うわ、いいね。見たい! あと、みかるはフルートもやってみたいかも。よいゆめの曲中に急にフルートの音が鳴って、「え、今の誰が吹いたの!?」ってなったらみかるだったみたいな(笑)。せっかくフルートも演奏できるから、曲のクレジットにギター以外でも名前を載せてみたいな。
十河: いいじゃん! 個人の目標か〜。毎日楽しく、健康に、できる限り長く活動し続けることだね。 もちろん今も毎日楽しいんだけど、この楽しい日々をずっと続けていくことが目標かな!
――それでは最後に、改めて応援してくださるファンに向けてコメントをいただけますか?
蝸堂:いつもありがとうございます! 皆さんが応援してくれているからこそ、練習がしんどいときも前を向けるし、楽しく活動できているなと思っています。オリジナル曲や「演奏&歌ってみた」を聴いて「こういうところが好き」と言ってもらえるのもめっちゃうれしいです。大感謝!
十河:この1年間、本当にありがとうございました。ののも歌をあげたときに皆さんから「聴いてるよ!」「ここがいいね!」とコメントをもらえるとすごくうれしいです。「自分の中で完結する音楽」と「人に聴いてもらうための音楽」って別だと思うんですけど、私たちの歌は「人に聴いてもらうための音楽」としてやっているからこそ、そうやって届いた反応を見られるのはやっぱりうれしい。2年目のよいゆめも、どうぞよろしくお願いします!