2月18日(火)10:00 設営作業まっさかり! 学園祭の舞台が徐々に幕張メッセ内に現れ始める
ANYCOLOR MAGAZINE取材班が会場入りしたのは、「にじさんじフェス2025(以下、『にじフェス2025』)」初日から遡ること3日前。前日17日の夜までに幕張メッセに運び込まれた大量の資材がスタッフの手によって組み立てられていく設営現場から取材を開始した。「にじフェス2025」は千葉・幕張メッセの1~8HALLと幕張イベントホールが会場となり、広大な会場をスタッフたちが忙しなく行き交う。
展示ホールのランドマークとなる校舎オブジェを始め、2023年に初お披露目された加賀美インダストリアル製「ダイカガミ」のフォトスポット、にじさんじ夏の風物詩「にじさんじ甲子園」がテーマのアトラクション「リアルにじ甲野球盤」、ライバーたちが日替わりでさまざまなイベントを繰り広げるオープンステージなど、“にじさんじの文化祭”を彩るエリアの数々が次第にその姿を見せ始める。
ライトチェック中の校舎オブジェ。
セッティング中の「加賀美インダストリアル製『ダイカガミ』フォトスポット」。
「にじフェス」の展示ホールでひときわ目を引く校舎オブジェだが、デザインは毎回アップデートされている。組み立て作業が進む中、関連チームの担当者に今年の見どころや設営全体の進捗状況などを聞いた。
――イベントディレクター Nさんとイベントプランナー Nさんにお話を聞いてまいります。おふたりは今回のフェスではどの部分を担当されていますか?
イベントディレクター N:私は主にオープンステージとラジオブースが担当です。なので、それらの施工が滞りなく進んでいるかなどもチェックしています。
イベントプランナー N:私は展示ホール全体の施工や校舎デザインの進行を担当しています。
――設営作業も真っ盛りといった状況ですが、率直に現状の進行状況はいかがですか?
イベントディレクター N:おかげさまで遅延もなく、滞りなく進んでいます。
――今年の校舎オブジェクトもかなり目を引くものになりそうですが、デザインについて変更した点はどこでしょう。
イベントプランナー N:デザイン担当者の意図としては、今までの校舎オブジェは日本で馴染み深い校舎のイメージを落とし込んでいたんですが、今年は白を基調に海外の学校の要素も入れています。
イベントディレクター N:今年はにじさんじ7周年のアニバーサリーフェスなので、今までのデザインから変えていこうという意見が出たんです。そこで校舎を白ベースにして、照明でいろんな色に光るようにしたことが今年の売りです。
イベントプランナー N:窓の1つひとつに照明を設置し、校舎全部の窓の光を連動させているんです。一定の間隔で色が変わる仕組みになっていて、窓全部が同じ色に光ったりグラデーションができたり。照明のチェックはこれからですが、実物はすごくきれいになるんだろうなと思っています。校舎オブジェもけっこう凝っていますし、ホール間をつなぐ部分も門みたいになっているので、注目してもらえたらなと。
――当日のお客さんたちの反応が楽しみですね。それではいよいよフェス開催目前ですが、意気込みをお願いします。
イベントディレクター N:ひたすら倒れないように、走り切りたいと思っています。すべては来てくれるお客さんの楽しい時間と笑顔のために、我々はがんばってきたので。
イベントプランナー N:今回初めてのフェス参加なのでとにかくがんばります!
2月18日(火)16:00 イベントホールも着々と準備中、ステージ照明の特徴は?
豪華なライブイベントが目白押しな「にじフェス2025」。その会場となる幕張イベントホールでも設営が着々と進む。アリーナエリアには大量の機材が運び込まれ、取材班がホールを訪れたときにはステージを飾る巨大な照明セットの組み立てが行われていた。今年の舞台装飾はステージ上部のスクリーンを起点に、光の梯子が左右斜めに走るようなLED照明が特徴。「にじフェス」ホールイベントのステージ照明は毎年意匠を凝らしたものが制作されるが、今年の照明デザインについて、今年のにじフェスチーフディレクターに話を聞いた。
設営作業真っ只中のイベントホール。
――ステージ照明のデザインは例年どのように決められているんでしょうか?
にじフェスチーフディレクター S:例年「にじフェス」に携わっていただいているフリーの舞台監督の方がいらっしゃるんですが、その方と弊社スタッフの間で相談して決めています。今年の照明デザインは、「アーティスティックなライブをお届けしたい」という思いが強かったので、今回は例年よりも照明の数を増やして音だけではなく「光の演出」も楽しんでいただこうという狙いでした。
――なるほど、本番では具体的にどういう見せ方ができるのかお教えいただけますでしょうか。
にじフェスチーフディレクター S :デザインの基本的なところは先ほどお話した舞台監督の方が考えてくださったんですが、1曲1曲それぞれの照明がすべて違う見え方になるようにしたい、ということに気を遣っていらっしゃいました。灯りをすべて付けると梯子のような形になりますが、部分的に点灯させると、横線だけが見えたり縦に柱のように並んで見えるなど、光らせる場所によって全然違う形にできる、といった仕組みです。今回は全部で6公演行われますが、ライブごとに照明セットを大きく変えられるわけではないので、汎用性と応用力のあるセットを組んで、光の見え方で差別化を図ろうとしました。
――なるほど。各公演、照明でもイベントの“色”を出そうとされているとのことですが、実際に組みあがった照明をご覧になった感想をお願いします。
にじフェスチーフディレクター S:期間中はライブ以外にもバラエティパートがあったりゲームをやったりと、イベントごとにいろんなことにトライするつもりですが、各ステージのやりたいことがちゃんと映えるような照明にしてくださったことがすごくありがたいですね。照明以外にもステージの左右のスペースで公演ごとに装飾を変える予定なんです。あくまでもワンポイントではあるのですがそういう部分でも舞台のイメージを日ごとに大きく変えられると思うので、そこも注目いただきたいです。
ステージ照明の一例。2月20日開催「七次元生徒会! ~前夜祭ステージ、使わせていただきます!~」より。
2月19日(水)10:00 グッズ搬入がピークに、大型トラックが次々と会場へ現れる
取材2日目の2月19日には、フェス期間中に販売されるグッズの搬入がピークを迎えた。今回の「にじフェス」で販売されるグッズはTシャツやアクリルスタンド、ランダム缶バッジ、ランダムクリアカードなど全217種類。グッズ販売が行われるHALL8の搬入口には大型トラックが数台待機しており、荷台に詰め込まれたグッズ入り段ボール箱がフォークリフトで次々と下ろされていく。
期間中に会場に運ばれた段ボールは約1800個。荷下ろしが済むと、待機していた30人ほどの仕分けスタッフがてきぱきと大量のグッズの荷解きを始めていた。グッズ搬入作業の合間、進捗状況を見守るグッズプランナーに作業状況などを聞いてみた。
フォークリフトでトラックに積み込まれたグッズの段ボールが次々と下ろされていく。
――今年のグッズは全部で何種類ほど制作されたんでしょうか?
グッズプランナー H:今年は217種類です。前回はライバーさん全員のクラスTシャツイラストのアクリルスタンドを制作したので点数が多くなっていたのですが、今回新規に制作されたクラスTアクリルスタンドは前回のフェスから今日までにデビューされたライバーさんの分のみなんです。そのため、グッズの点数としては少々落ち着いたということになります。
――そういう背景を踏まえても今会場に到着している物量には驚きますね。ちなみに、いつもどんなグッズが人気になるんでしょうか? Hさんが注目しているグッズもお伺いしたいです。
グッズプランナー H:一番ご好評いただいているのはランダムカードなどのカード類ですね。個人的には「にじさんじフェス2025おみやげクッキー」が喜んでいただけたらうれしいなと。会場限定発売なので、「『にじフェス』に遊びに行ってきたよ!」という雰囲気が出るかなと思っています。
――期間中の販売はどういったオペレーションになりそうですか?
グッズプランナー H:窓口は100カ所作れるように場所を確保していますが、ありがたいことに事前販売でご購入いただいた方が多くいらっしゃるので、ひとまず80カ所設置しています。窓口の数はその日の混雑具合を見て変える予定です。実は今回が初めてのフェス参加なのですが、圧倒されています……!
――グッズを楽しみにしているお客様も多いでしょうから、期間中は大変なにぎわいになると思います。では本番への意気込みをお願いします!
グッズプランナー H:グッズの販売は後夜祭の「OVERTURE」Nighttime Stage終了まで行われるので、最後まで無事に乗り切るというのが第一。そして皆様の楽しそうな笑顔を見られるのが楽しみです!
2月19日(水)11:00 にじさんじ夏の風物詩がアトラクションに、野球盤の調整作業が進む
HALL4に設置された「リアルにじ甲野球盤」は、にじさんじの夏をより熱くする球宴「にじさんじ甲子園」をモチーフにしたアトラクションで、今回のフェスで初めて開催された。バッティングセンターを彷彿とさせるセットには、ライバーが思い思いのフォームで投球しようとする様子を映したパネルが設置され、プレイヤーはバッティングティーに置かれたボールを3球打ってホームランを目指す。
この日は前日までに組み上げられたプレイエリアに、月ノ美兎、剣持刀也、笹木咲、本間ひまわり、舞元啓介、戌亥とこ、リゼ・ヘルエスタ、レヴィ・エリファ、イブラヒム、ルカ・カネシロの等身大パネルがセッティングされ、担当スタッフがプレイ難度などをテストすることに。ライバーのパネルはすべて撮り下ろしで、好きな野球選手のフォームをまねるライバーもいたという。
プレイテストを待つ「リアルにじ甲野球盤」。
野球盤に使用されているボールはマジックテープのような材質で、球場を模した同じくマジックテープ状の壁にくっついた位置に応じてヒット、ホームランなどが決まる。担当スタッフたちは自らバットを手に球を打ち、バッティングティーの高さを細かに調整する、当日の接客スタッフへの指示など、プレイヤーがより遊びやすくなるために入念な調整を重ねていた。そんな「にじさんじ甲子園」初となるアトラクションはどういう経緯で生まれたのか?
――「リアルにじ甲野球盤」は「にじさんじ甲子園」をモチーフにしたアトラクションですが、企画の発端はどういうものだったんですか?
イベントプランナー N:前回までの「にじフェス」では無料のアトラクションとして「ライバーを倒せ! ローションストライク」がありましたが、今回は新しい体験アトラクションを作ろうということで。モチーフになる企画の候補はいくつかあったんですが、「にじさんじ甲子園」は“にじさんじの夏の風物詩”と言えるような大きいイベントですし、たくさんの方が見てくださっているコンテンツなので、何かできないかなと思って考えました。
――なるほど、企画全体を通じてこだわったところや苦労した点はなんでしょうか?
イベントプランナー N:本当はバッティングセンターのようにマシンから飛んでくる球を打つ方式や、壁に穴を空けてお客さんの打ったボールが「ここに入ったらホームラン、ここに入ったら2ベース」とわかるようにしようと思っていたんですけど、球を打つこと自体が意外と難しくて……。バットで球を打つということに慣れていない方も多いでしょうし、ましてや飛んでくるボールはもっと打てないかもしれないと思いました。ですから、球を打って壁にくっついたらその場所でヒットやホームランを判断する、という方向に調整しました。
――当日どんなふうにお客さんが楽しんでくださるか気になりますね。
イベントプランナー N:そうですね。ライバーさんのパネルも撮り下ろしで、アンダースローなどいろんなフォームがあるので、それも見比べながら楽しんでいただけたらうれしいです。展示を見る合間に体を動かして、ぜひ野球盤を楽しんでもらいたいですね。
2月19日(水)18:00 元のデザインを忠実に、そして美しく「にじさんじライブ共通衣装展示」セッティング作業
「にじフェス」恒例の人気企画となった「にじさんじライブ共通衣装展示」では、にじさんじ 7th Anniversary LIVE 「OVERTURE」に出演するライバーのほか、2024年に新規お披露目となった総勢19名のライブ共通衣装を展示。準備現場では約10名ほどのスタッフがトルソーに共通衣装をセッティングしていた。1着1着、慎重かつ丁寧に行われたセッティングが終わると、アートディレクターの最終チェックが入り、1着あたり、5〜10分かけて衣装のシワや光の当たり加減など、細かなところまで確認が進められていく。共通衣装のチェックを行っていたアートディレクターに話を聞いた。
1着1着時間をかけ、衣装の調整が行われる。
──衣装の角度やシワ、照明の当たり方まで、細やかな微調整をされていました。1着1着、時間をかけて確認をしていましたが、どういったところを注意して確認されていたのでしょうか?
アートディレクター K:以前、取材していただいたときのインタビューでもお話したのですが、ライバーの実在感をどれだけ感じてもらえるか、ということがこの展示で一番に考えていることなんです。なので、元の素晴らしい衣装デザインにどれだけ近づけるか、元の衣装デザインと比べて違和感がないか、というところにとにかく注力していましたね。
正直、見栄えや美しさはその次に気にするべきことだと思っていて、ファンの皆さんに見ていただいたときに実在感を感じていただけるかという観点でチェックを進めていました。とはいっても、やはり皆さまに見ていただく展示物にはなるので、展示という観点で最も美しくきれいになるように、細かな調整をしていた感じです。

「誰が着ても様になるように」共通衣装に込めた思い イラストレーター岩本ゼロゴ×スタッフ座談会
──今回新たに展示される衣装も多いですが、制作にあたって大変だったことはありましたか? また、展示方法について去年から変化はありましたか?
アートディレクター K:去年までの経験値が貯まっていたこともあって、今年はそこまで苦労してないなっていう印象がありますね。これまでは生地や靴、小物の素材感まで、いろいろと考えながら進めていたのですが、今年はいつも制作いただいている業者さんに入ってもらっているので、大きな問題はありませんでした。
展示方法についても基本的には去年までの成功例を参照していますが、今年からは衣装の一部を透明な糸で吊ることで、裏地まで見れるようにしている衣装もあります。ぜひ、普段は見えづらい部分まで見ていただければと思います。
2月20日(木)13:00 ホールイベント1番手、七次元生徒会!メンバーがリハを開始
「にじフェス2025」ホールイベントの先陣を切った「七次元生徒会! ~前夜祭ステージ、使わせていただきます!~」。そのゲネプロ(イベント全体の流れを本番通りに確認する通しリハーサル)がスタートした。生徒会長の叶、副会長の樋口楓、広報の三枝明那、書記の仙河緑、会計のレオス・ヴィンセント、雑務の周央サンゴがステージに登場する。ゆったりと構える樋口や叶、鼻歌を歌いながら振付を確認する周央など、メンバーは思い思いにゲネプロ開始まで過ごしていた。
「七次元生徒会! ~前夜祭ステージ、使わせていただきます!~」ゲネプロの様子。
ゲネプロが始まると、まず樋口がイラストを提供し、周央がナレーションを担当したオープニングムービーが流れる。メンバーの多くはこのユニークなイラストを初めて目にしたようで、真っ暗になったステージの袖から笑い声が響く場面も。ライブパートのリハーサルが着々と進む中、レオスがソロで歌う新曲「BEST TREASURER」に差し掛かると、突如として音源が止まり、ステージ上には無音の中でも本番さながらの勢いで踊るレオスが残される。機材トラブルか?と思ったものの、実はこれにはある目論見があったという。担当者に話を聞いた。
――前夜祭として開催される七次元生徒会!ステージですが、企画の発端を教えてください。
イベントプランナー I:「にじフェス」は“にじさんじの文化祭”というイメージがありますよね。文化祭で生徒会が前夜祭を行う、というのはテーマとしてもふさわしいものだと思ったんです。
――ゲネプロを最初から最後まで見学させていただきましたが、新曲が4曲披露され、バラエティあり歌あり、と大ボリュームですよね。
イベントプランナー I:すごく豪華になりました。七次元生徒会!の皆さんはご自身でも企画を積極的に提案してくださるんです。我々スタッフがそれに一生懸命ついていった結果、こうなった形です。
――なるほど。ライバーさんのご希望もかなり込められているとのことですが、Iさんがイベント全体でこだわった部分はなんでしょうか。
イベントプランナー I:こだわりは、「全部やる」ですね。七次元生徒会!の皆さんって、バラエティもできて歌もうまくて、となんでもできる人ばかりなので。寸劇で笑わせて歌でカッコよく見せて、というようにアップダウンの激しいジェットコースターみたいなイベントにしようと。それに伴って、セットリストも意識的にぐちゃぐちゃにしているんです。だいたいのライブは特に見てほしい部分に向けてどんどん盛り上がりを作っていくのが普通だと思うんですけど、今回はそれを意識しないようにしました。前半で普段の動画で見せている七次元生徒会!っぽいところを表現して、後半はもう各自の歌でしっかり聞いてもらう構成です。
――曲と言えば、レオスさんの「BEST TREASURER」のリハで音源が流れなかったのはなぜなんでしょうか。
イベントプランナー I:レオスさんから「ほかのメンバーには本番でファーストインプレッションの感想を出してほしい」というご要望があったんです。だから実際の歌詞を本番まで聴くことができないようにするにはどうするかと考えた結果、あそこだけすべての音声をオフにしているんです。
――そうだったんですね! それはスタッフの皆さんも本番が楽しみになりそうですね。それではいよいよ本番ですが、意気込みをお願いいたします。
イベントプランナー I:とにかく「がんばります!」のひとことです。七次元生徒会!というジェットコースターを楽しんでほしいです。そして新曲がたくさんあるので、その点も楽しんでいただきたいですね。
2月20日(木)17:00 当日なのにまさかのノープラン? バラエティあり、歌ありな七次元生徒会!ステージ
会場が暗転すると、周央のナレーションと樋口が描いた生徒会メンバーの似顔絵を使用したオープニングムービーが流れる。ユニークな画風で観客が和む中、ライブ1曲目となる「ホラフキパペット」のイントロが流れ出す。赤い緞帳の前に現れた会長・叶が1番をソロで歌い上げ、ゆっくりと緞帳が上がると樋口、三枝、仙河、レオス、周央が登場した。
「七次元生徒会! ~前夜祭ステージ、使わせていただきます!~」より。
パフォーマンスが終わり観客がステージに大歓声を送ると、学校のチャイムが鳴り響く。先ほどまでのアーティスト然とした姿から一転、大きく伸びをするなどリラックスした姿を見せる生徒会メンバーたち。なんと本番当日にも関わらず、前夜祭ステージの内容が決まってないらしく、各々がやりたいことを提案しながら演目を決めることとなった。
「“楓VS”シリーズ」「大喜利」「チンチロ」などさまざまな案が出るもまとまらず、やはり音楽ライブとして企画を固める方向に向かう。するとここで三枝が「勝手に曲を作ってもらいまして」と切り出し、叶、レオスとともにこのライブで初披露となる「バトルロイヤル~漢道~」をダンス付きで堂々と披露。事前告知一切なしの新曲にも関わらず、瞬時にノリをつかんだ観客とともに会場が一体となった。続いて叶、樋口、仙河、三枝が「怪獣の花唄」をピアノアレンジの伴奏に乗せて歌唱。オレンジ色の光に包まれ、4人が美しいハーモニーを奏でるエモーショナルな空間に、周央は「すごーい!」と声を弾ませるが、レオスだけは何やら納得がいかないようで……。
普段の生徒会活動さながらのわちゃわちゃとした掛け合いが楽しいバラエティパートや、個々人の魅力が選曲にも現れたソロ歌唱パートなど、グループでもソロでも輝く「七次元生徒会!」メンバーの良さが詰め込まれた本ステージ。イベント中には実に4曲もの新曲が披露され、5月28日に1st EP「即物的アンサンブル」が発売されるなど、多数の新情報でファンを驚かせた。
「七次元生徒会! ~前夜祭ステージ、使わせていただきます!~」のステージ装飾。黒板のメッセージはライバーたちの直筆によるもの。
2月20日(木)21:00 「にじフェス」を円滑に動かすための司令塔・運営本部
過去最大規模での開催となった「にじフェス2025」。各所でさまざまな企画が同時展開されるため、準備期間中は膨大な数のスタッフが会場を駆け巡り、各々作業に没頭していた。このイベントがスムーズに、そして安全に運営されるために、その舞台裏で全体を俯瞰し、舵取りをしていたのが運営本部だ。
ひっきりなしに飛び交う無線連絡、モニターに映し出される会場各所のライブ映像、PCに向かいリアルタイムでSNS更新をするスタッフたち。イベント全体の進行状況をリアルタイムで把握し、あらゆる事態に備え、即座に対応策を講じていた。
本部に並ぶ、スタッフ用トランシーバー。
開幕を翌日に控え、最後の確認作業が大詰めを迎える準備期間最終日の夜。運営本部の中心で指揮を執るスタッフに話を聞いた。
──お仕事内容はどんなことをされているのでしょうか?
運営本部 S:スタッフの皆さんが準備期間から会期終了まで、快適に仕事ができるような環境を整えるのが私の仕事の1つですね。例えばスタッフ向けのマニュアルやスタッフリストの作成、パス申請、ホテル周りやお弁当の手配などです。
もう1つがイベント全体を見ながら窓口となることです。スタッフ向けの問い合わせ対応や何かトラブルがあった際の緊急対応も担当します。
──トラブルがあった際の緊急対応もされるとのことですが、準備期間中に何かご対応されたことはありましたか?
運営本部 S:事前に確認していた図面上では控え室用に十分なスペースがあるように見えても、いざ現地で見ると全然足りないということが分かって、緊急でスペースを補充しました。どんなに準備をしていても、実際に現地入りするとどうしても問題は出てきてしまいます。
あとはライバーさんが会場に落書きをしに行く際、スムーズに会場に移動していただけるように段取りを整えていたのですが、会場を実際に歩いてみると改善が必要な部分があったので調整を行いましたね。
──問い合わせの窓口もされていますが、今日もすごい数の社内向けの問い合わせ対応をされていましたよね?
運営本部 S:そうですね。細かいところだと「水がない、弁当がない」といったことから、ほかにもいろんなことが起こっていました。私はとにかくスピード感を持って早め早めに対応することを意識していましたね。今日中にすべて片付けないと明日からは本当に体力勝負になってくると思います。いかに皆さんに快適に過ごしてもらうかを考えていました。
──今日で準備期間が終わりますが、今のところ進捗具合はいかがでしょうか? 明日に向けての意気込みをお願いします。
運営本部 S:来場する皆さんに見ていただく展示会場やイベントホールの表側は完成して、裏側の準備もだいぶ整ってきたので後は本番を迎えるのみとなりましたね。わくわく半分ヒヤヒヤ半分って感じです!
これだけの規模で何も起きないイベントはないとも思うんですけど、私はスタッフやライバーさんの不安要素をなるべく少なくできるようにがんばります!
ライバーによる会場内の落書き。この落書きは日を追うごとに会場のいたるところに増えていく。
翌日に開幕を控え、ファンの訪れを待つ入場ゲート。