2月21日(金)9:00 にじさんじ7周年を記念したフェスがいよいよ開幕、ファンが会場へ
フェス初日の幕張メッセ周辺は、天候に恵まれ快晴。会場に向かう道中にずらりと並んだライバーのフラッグや、幕張メッセ入口付近に掲げられた巨大なイベントビジュアルを撮影するファンの姿が多く見られた。開場を告げるアナウンスのあと待機列からは歓声が聞こえ、ファンが続々と展示エリアへと足を踏み入れる。校舎オブジェを中心としてあっという間に人の波が生まれ、ライバーのパネルと記念撮影をする、お目当てのアトラクションに並ぶなど、思い思いのペースでフェスを満喫する人々が見られた。
幕張メッセ入口に飾られた巨大キービジュアル。
会場周辺の待機列。
2月21日(金)11:00 今年も“ふみのとふみ”が開会宣言!「にじフェス2025」盛大に幕開け
「にじさんじフェス2025(以下、『にじフェス2025』)」の開会式の司会を務めたのは、今年も文野環とフミによる“ふみのとふみ”。「せーの! にじフェス2025、開会ー!」の掛け声で高らかに開会宣言をすると、ステージ上のモニターには、これまでの「にじフェス」の軌跡を辿る特別映像が流れ、会場では大きな拍手が巻き起こった。
その後も、“ふみのとふみ”ならではの企画で会場をさらに盛り上げる2名。「文野環を正解に導け! フェス振り返りクイズ」では、会場のファンも一緒になって頭を悩ませ、時には珍回答に笑いが起こるクイズパートを展開。さらに、2名が「にじフェス」のために作詞したという「にじさんじフェス校歌」の斉唱では、スクリーンに映し出された歌詞を見ながら会場全体が一体となり、楽しげな歌声が響き渡った。
笑いと一体感に包まれた開会式は、これから始まる祭典への期待感を高め、「にじフェス2025」の盛大なる開幕に華を添えた。
開会式司会を務めた文野環(左)、フミ(右)。
2月21日(金)12:30 初ソロライブへ最終調整。壱百満天原サロメ「マイフェアレディ」ゲネプロに潜入!
「にじフェス2025」が開幕し、熱気が会場を満たし始める中、その喧騒から隔てられたイベントホールでは、壱百満天原サロメ 1st LIVE “マイフェアレディ”のゲネプロが行われていた。音楽に合わせ、1つひとつの動きを確認するように、真剣な表情でパフォーマンスを行うサロメ。その姿からは今日の晴れの舞台にかける彼女の並々ならぬ意気込みが伝わってきた。
数時間に及んだゲネプロが無事に終了したところで、担当イベントプランナーに、現在の進捗状況や今回のライブにかける思いを聞いた。
──ゲネプロが終わって、いよいよライブ開幕まで数時間となりました。現在の進捗度合いはいかがですか?
イベントプランナー S:昨日のテクニカルリハーサルでは、いろいろと調整が必要なことがあったのですが、先ほどのゲネプロでは改善されてご本人込みでの調整もうまくできました。あとは本番を迎えるのみですね!
──今回のライブ開催にあたり、こだわったことや苦労されたところをお伺いしたいです。
イベントディレクター S:僕がANYCOLORに転職してきたのが去年の4月で、リアルアーティストのライブはもう何百回って経験があるんですが、今回のサロメさんのライブが僕にとって初めてのにじさんじライバーのライブになるんですよ。すごくわくわくしながら担当させていただいたんですが、同時にサロメさんのファーストソロライブを担当させていただくということで、正直プレッシャーも大きかったですね。
実際にサロメさんとどういうライブにしていくかのキックオフミーティングをした際に、「それはサロメさんにしか考えられないでしょ!」というクリエイティブなアイディアがたくさん出てきていろいろ驚かせられました。もちろん僕も案は出しつつも、一番念頭においていたのはサロメさんのやりたいことをどうやったら100%叶えられるか、そして、自分の過去の経験と知識を活かしてどうやったらサロメさんの素敵なアイディアをよりよい形でお客様に届けることができるようにするか、でした。
サロメさんとも密にコミュニケーションを取りながら、3Dチームや舞台監督はじめ、各セクションの人の方々と相談しながら進めていきました。照明、レーザー、特効、音響などの演出に関してはとても自信があるのでぜひ見てほしいなと思います。皆様にライブの中身に没入していただけるものを作りました。
何よりサロメさんとのライブ作りはとても楽しかったですし、刺激をいただきました。今回ライブの演出で、とあることがきっかけでステージが炎に包まれるのですが、アイディアの原型はサロメさんからいただいたもので、それに付随してキービジュアルを2種類作ることになりました。ライブが終わった後、お客さんがこのホールから出ていくときに、別パターンのキービジュアルを裏に仕込んで、ライブを観終わった後でも楽しめるという付加価値を与えることにこだわりましたね。
壱百満天原サロメ 1st LIVE “マイフェアレディ”のビジュアル。
ライブ終演後にガラッと印象を変えた別バージョンのビジュアル。
2月21日(金)13:30 ファンと配信より近い距離で話せる視聴覚室、2024年デビューライバーに感想を直撃
視聴覚室は、ライバーと1対1でトークができるほか、ツーショットで記念撮影ができる「にじフェス」恒例アトラクションの1つ。配信よりもさらに近い距離で対話できるということもあり、毎年人気の企画となっている。フェス初日であるこの日も、事前の応募で視聴覚室への参加権を勝ち取ったファンが、期待を胸に待機列に並んでいた。ファンとの個別の対話は初めてとなるライバーに感想を聞くべく、視聴覚室への参加が終わったばかりの司賀りこと雲母たまこを直撃した。
――おふたりが視聴覚室に参加されるのは今回が初めてですが、ファンの方々と対面していかがでしたか?
司賀りこ:始まるまでは私の方が緊張しちゃっていたかもしれません(笑)。「どうしよう……」って硬くなっちゃっていたんですが、ファンの方がブースに入ってきてくれたときに私のうちわや私の衣装をモチーフにした手作りのグッズを持ってくださっていて……「応援してくれているんだ」という様子が見えてものすごくうれしかったです。いつもの配信では皆さんの顔が見られるわけじゃないんですが、視聴覚室ではいつもより距離感も近くてファンの皆さんも喜んでくださったり、うれし泣きしてマイクを持つ手が震えている方もいらっしゃったり……! それぐらい感動してくださったのが、めっちゃうれしかったです。
雲母たまこ:たまも始まる前は本当に緊張していて……! 「何しゃべろうかな……大丈夫かな……」って心配していたんですけど、多分ファンの皆さんもお互い同じことを思ってくれてたと思うので、ブースに入ってきたときにお互いに「あっ、あっ! よろしくね!」みたいになっちゃいました(笑)。すごく楽しくおしゃべりできましたし、来てくれた人の表情を見ながら話すと「好きだよ」っていう思いがより伝わってきますね。オムライスとか卵モチーフの手作りグッズを持ってきてくれた人もいらっしゃって、自分のために何かを手作りしてくれるのが本当にうれしかったです! また参加したいなと思います!
司賀りこ
雲母たまこ
――来年も楽しみですね! たくさんのファンの方々とお話されたと思いますが、来てくださった皆さんに改めてメッセージをお願いします。
司賀りこ:まず、こんなにたくさんライバーの中から私を選んで応募してきてくれたっていうことが本当にうれしくて感謝の気持ちです。それから、グッズやうちわを用意してくれたり、Xで「こういうものを持っていくよ」ってポストしてくれたりとか、今日ここに来るまでに見えない部分ってあると思っていて。そんなふうに見えない時間があったということも感じられてすごく幸せだなって思っています。本当にありがとうっていう気持ちでいっぱいです!
雲母たまこ:みんなと対面できたことがすごくうれしかったのと、「たまこちゃんのためにこんな準備をしてきたよ」って教えてくださる人がたくさんいらっしゃって、感謝してもし切れないぐらいなんです。直接会って応援してくれていることを伝えてくれるだけでもうれしかったし、しゃべれなくなっちゃうぐらい感極まっている姿を見せてくれたこともうれしかった。もう本当に、みんなに「ありがとう!」という気持ちです!
2月21日(金)18:00 夢の舞踏会を終えて、壱百満天原サロメ 1st LIVE “マイフェアレディ”レポート&終演直後インタビュー
イベントホールには、壱百満天原サロメ 1st LIVE “マイフェアレディ”を観るために多くの観客が集まっていた。開場前の客席では、舞踏会を思わせる優雅なBGMが流れる中、「皆様サロメでございまーす!」と、影ナレから軽快なサロメ節で会場の笑いを誘う。紫と赤のペンライトが会場を埋める尽くす中、客電が消え暗くなると、スポットライトがサロメを照らし出す。「今日にたどり着くまでにいろんなことがございましたが、こうしてここに来てくれて、席を埋めてくれてありがとうございます」と感謝を伝えると、会場からは万雷の拍手が送られた。
ライブ本編でサロメ劇場が描き出すのは、1人の一般女性が“お嬢様”になるまでの物語。「舞踏会を開きたいですわー!」と意気揚々のサロメは、ケーキを作ったり、ダンス練習をしたりしながら一人前のお嬢様になるために奔走する。そこに集まった月ノ美兎、樋口楓、卯月コウ、ジョー・力一、アンジュ・カトリーナ、周央サンゴらゲストたち、はたまた観客まで巻き込んで、サロメ劇場は思わぬ方向に舵を切っていく――。ANYCOLOR MAGAZINE編集部はそんな夢の舞踏会を繰り広げた、ライブ終わりのサロメを直撃した。
壱百満天原サロメ 1st LIVE “マイフェアレディ”より。
壱百満天原サロメ 1st LIVE “マイフェアレディ”より。
──ANYCOLOR MAGAZINEのインタビューで、「1stライブ前は初配信の前の感覚に近かった」というお話をされていました。今実際にライブを終えられてみてどうでしょうか? 初配信をやりきった後の感覚と似ていましたか?
壱百満天原サロメ:たしかに似ていますわ! やる前はすごく緊張もしていたんですが、今は本当にやってよかったって気持ちでいっぱいです。

壱百満天原サロメ、にじフェス&1stライブ直前インタビュー「皆様には“舞踏会”に来ていただきますわ!」
──今回のライブにはサロメさんも構成などいろいろな面で関わっていたんですよね?
壱百満天原サロメ:そうですね、私のやりたいことを詰め込ませていただきましたわ。前回のインタビューでもお話させていただきましたが、生きていたらみんなそれぞれ辛いことはあるけど、私が少しでもあなたを笑顔にしたいっていうのが活動の目標の1つです。「本当につらいよね、でもきっと大丈夫。みんながいるし、私もいますよ!」みたいに……今回のライブで伝えたかったことも、それは一緒なんですよね。
──ライブを見てくれたファンの方々に向けて、ひと言いただけますか?
壱百満天原サロメ:私は一般人ですけど最近、あなた方の前では本当にお嬢様になれているんじゃないか、と思えるときがあるんです。それはずっと続くわけじゃないんだけど、今日のライブでの私はお嬢様になれていたと思います。あなたがペンライト振ってくれたから、あなたがコメントを書いてくれたから、あなた方がいてくれたから。
今日のライブがあなたにとってしんどいときにちょっとポッケから出して眺める宝石みたいな思い出になっていたらうれしいです。私は今日がそういう思い出になりましたわ。
2月22日(土)12:00 EXゲーマーズのライブはゲネプロから真剣勝負
EX Gamers Event “Odd Play-Off”のゲネプロ中にテスト撮影をするEXゲーマーズ。
「にじフェス2025」の2日目の夜を彩るホールイベントは叶、赤羽葉子、笹木咲、本間ひまわり、魔界ノりりむ、葛葉、椎名唯華らEXゲーマーズによる「EX Gamers Event “Odd Play-Off”」。前半はEXゲーマーズらしく複数のゲームで王者を決めるゲームパート、後半は各々の魅力が光るライブパートという2本立てで構成された。ゲームパートのリハーサルに差し掛かると、アーケードゲームの筐体を模した3Dモデルが現れ、ステージ上はあたかもゲームセンターのような雰囲気に包まれる。
ゲームパートの初戦はげまじょチーム VS. ChroNoiRチームの「STREET FIGHTER 6」対決。ステージ上部のスクリーンには激しい戦いの様子が映し出され、続く2種目でもライバーたちは本番さながらの熱量で試合を繰り広げる。また客席も含めた記念撮影のリハーサルでは、りりむの羽が画面を大きく遮ってしまい、ライバーたちが和やかに笑う様子が見られた。ゲネプロが無事終わり、本番を控えるイベント担当者に今回のライブのこだわりなどを聞いた。
――EXゲーマーズのリアルイベントは今回が初めてとなりますが、開催のきっかけはなんだったんでしょうか?
イベントプランナー U:もともと会社として開催したいと考えていた企画が、ちょうどご本人たちも提案したいと思っていた内容と一致し、タイミングよく双方の意向が合致したんです。ですので、この「にじフェス」の機会でぜひ実施しよう、という運びになりました。
――全体のプログラムとしてはゲームパートとライブパートで2本立ての構成ですが、Uさんがこだわった点や苦労した部分を教えていただけますか?
イベントプランナー U:VTuberのイベントで「STREET FIGHTER 6」をプレイするということがなかなかないことですから、実現するうえでのハードルもありました。一時は「本当にできるのか?」という状況になったこともありましたが、こうして実現できたことがうれしいですね。お客さんとしても「ライバーって普段ゲーム配信をしているときはこんな感じでやっているんだな」と知れる場面なので、見どころとしては大きいと思います。
とはいえ、「STREET FIGHTER 6」だけに注目が集まらないように、ゲームパート全体のバランスを見ていました。「ここは協力してもらって」「ここはバチバチしてもらって」というように調整をしながら、ゲームパート全体に興味を持ってもらえるように作っていましたね。クイズの難易度もリハを重ねて調整して、「これだったらうまく争ってもらえそう」という具合を探っていきました。
EX Gamers Event “Odd Play-Off”ゲームパートでの一幕。
――これを聞くのはかなり野暮かもしれないですけど、ゲームパートの展開は本番が始まるまで誰が勝つかわからない真剣勝負になるんでしょうか。
イベントプランナー U:そこは本当にガチですね。私たちスタッフはライバーさんたちが勝負できる土俵だけを作って、あとはもうご本人たちが好き放題暴れられるようにしているので。パッと見はふざけてるように見えるときもあるかもしれませんが、そういう部分も含めてEXゲーマーズの皆さんのわちゃわちゃとしたいい関係性が見られるものになると思ったんです。
――これは単純な興味ですが、イベントタイトルに入っている「Odd Play-Off」が直訳すると「奇妙な決定戦」という意味ですよね。これにはどんな意味が込められているんでしょうか。
イベントプランナー U:まずゲームの要素をちゃんと入れたかったんです。加えて、にじさんじの中でもかなり個性の強いライバーさんたちだと思っているので、そこのポイントを押し出したいと思い、このようなライブタイトルにさせていただきました。
――いよいよ本番ですが、改めてイベントの見どころをお聞かせください。
イベントプランナー U:ゲネプロを終えた今改めて見ると、ゲームパートとライブパートでライバーさんたちが全然違う表情を見せてくださるなと思いました。本番でもゲームパートは普段の配信以上に暴れ回ってくださると思いますし、ライブパートでは本当にカッコよく、かわいらしく、熱のこもったパフォーマンスをしてくださるのではないかなと。
全編を通じてEXゲーマーズらしさを詰め込んだイベントになっていると思うので、今日をきっかけにEXゲーマーズのことをもっと応援したいな、活躍を見守りたいなと思ってくださる方が増えたらうれしいです。そのためにEXゲーマーズらしさをひしひしと感じてもらえるように最後まで突き詰めたいと思います。
2月22日(土)14:30 謎ノ美兎、襲来!「にじさんじワイワイきぐるみショー!」衝撃のステージ
「みんなあつまれ!にじさんじワイワイきぐるみショー!」の様子。
「みんなあつまれ!にじさんじワイワイきぐるみショー!」では、2頭身になったライバーたちが着ぐるみ姿で登場。月ノ美兎が脚本を担当しているほか、ショーの概要欄には「※この公演には多少のショッキングシーンがあります。予めご了承下さい。」の一文が掲載されていることもあり、注目を集めていた。
この回の公演にはみとちゃん(CV. 月ノ美兎)、とうやくん(CV. 剣持刀也)、りぜちゃん(CV. リゼ・ヘルエスタ)、はやとくん(CV. 加賀美ハヤト)、ふれんちゃん(CV. フレン・E・ルスタリオ)が登場。みとちゃんの掛け声で集まったきぐるみライバーたちによる「こころのアビッシー」でショーは開幕……するのだが、謎ノ美兎の乱入によりショーはカオスの様相を呈していく。ショーの途中では、リアル開催ならではの観客たちの協力により成り立つ演出も。数々の奇行で「にじフェス2025」会場を荒らし回っていた謎ノの陰謀をきぐるみライバーたちはどう乗り越えるのか? 過去に類を見ない構成で話題を呼んだこのショーについて、担当者に話を聞いた。
「みんなあつまれ!にじさんじワイワイきぐるみショー!」に現れた謎ノ美兎集団。
――「みんなあつまれ! にじさんじワイワイ着ぐるみショー」の企画の発端をお聞かせください。これまでのライバーさんの着ぐるみは過去の「にじフェス」でも定番企画でしたが、これまでは撮影会がメインだった印象です。今回のようにしっかりとしたシナリオをもとにしたステージは初めてだったんでしょうか。
イベントプランナー T:そうですね。「今年は着ぐるみで何か新しいことをしたい」という考えがもともとあったんです。ちょうどそこに、月ノさんからご提案いただいたのが、今回のような着ぐるみショーの企画でした。非常に楽しそうでしたので、月ノさんのやりたい着ぐるみショーを我々が実現していく、という形で進めさせていただきました。
――なるほど。ライバーさんの着ぐるみも数が多くて豪華でしたよね。
イベントプランナー T:今回、着ぐるみショーとは言いつつ、着ぐるみそのものがライバーさんご本人というわけではなく、着ぐるみはライバーさんとは別の存在という形で演じていただいています。ですから、頭が取れるなどの少々グロテスクなシーンもコミカルに表現できていて、まさに月ノさんワールド全開でしたね。
そしてこれはイベントの告知時に気付いていただいた方も多かったんですが、タイトルが途中で変わるという仕組みになっています。始めは和気あいあいとした着ぐるみショーですが、劇中に謎ノ美兎が出てきて不穏な空気になりタイトルも変わるという演出ですね。ぜひアーカイブで振り返っていただきたいポイントです!
――企画全体を振り返って一番こだわった部分や、苦労された点は何かありましたか?
イベントプランナー T:着ぐるみの頭が取れて、中から謎ノが登場する部分の見せ方ですね。先ほどお話した通りこのステージはすごく特殊な演出をしていて、謎ノの登場部分はこのストーリーの肝でもあったんですが、「実現できるんだろうか……」と思う瞬間がありました。ですが、月ノさんの「(このシーンは)絶対にやりたいんです」という気持ちをかなり強く感じていましたし、このシーンが無いと起承転結の“転”が弱いという思いも確かにあったんです。
着ぐるみのチームと相談しながら、「謎ノがどうやって登場したらよりインパクトを与えられるか」をかなり綿密に詰めさせていただいた結果、着ぐるみ業界でもかなり珍しいショーになったんじゃないかと思います。全体を通じて月ノさんが本当にたくさんのアイデアを出してくださったこともあり、大変な部分はありましたが起承転結がしっかりした面白い内容になりました。
――月ノさんの熱意も加わって、よりよいものにできたんですね。お客さんの反応もSNSなどで届いているんじゃないかと思いますが、今のお気持ちはいかがですか?
イベントプランナー T:企画が始まった段階では、自分でもどういうショーになるのか予想がつかなかったんですが、脚本を書いてくださった月ノさんのやりたいことをどう実現するか、を考えることにすごくやりがいを感じていました。「着ぐるみでこれだけのことができるんだ」という可能性の広さも実感できましたし、こんなにたくさんのライバーさんが出る企画も「にじフェス」ならではだと思います。楽しんでやらせていただけたので、月ノさんにはとても感謝しております。
2月22日(土)17:00 EXゲーマーズがリアルライブで火花を散らす“奇妙な決定戦”、開幕
EX Gamers Event “Odd Play-Off”の様子。
ОP映像が上映された後、真っ赤な背景を背負って登場した7名は、1曲目としてどっぷりダークな世界観が特徴的なKanaria「デーモンロード」でのっけから観客を引き込んでいく。りりむの無邪気ながらもわずかな毒を感じさせる笑い声でフィニッシュすると、先ほどまでのクールなパフォーマンスから一転して、本間や赤羽らが観客に向かって「みんなー! こんにちわー!」と手を振るなど和やかな空気に包まれる。
EXゲーマーズによる初のリアルイベントということもあり、ステージに集結した7名は緊張しつつも気合十分。「りりむたちのステージである以上! 普通のステージだけなわけないよね!?」というりりむの問いかけから、ゲームパートへと移行する。
「Odd Play-Off=奇妙な決勝戦」と銘打たれたこのイベント。ゲームパートでは7名が“最強”をかけて複数のゲームで争い、優勝者にはトロフィーとその後のライブパートで特別なライブ演出が贈られる。
ゲームパート初戦では、赤羽、笹木、本間、りりむのげまじょチームと叶、葛葉によるChroNoiRチームが「STREET FIGHTER 6」で火花を散らす。結果は、事前にストリーマー・ハイタニをコーチに迎え練習配信を行うなど鍛錬を積んできたげまじょチームがChroNoiRチームに勝利を収めた。
EX Gamers Event “Odd Play-Off”の様子。ChroNoiRチームに勝利を収めた瞬間のげまじょチーム。
続く「失敗したら電流!ドボンクイズ」では、葛葉との泥仕合を気合いで制した笹木がWin。ゲームパートラストを飾る「NG行動をしたら即退場! 騙し合いゲーム」では、相手のNG行動を誘発させたり、複数人対1人でNG行動に誘い込んだりと6人がそれぞれ知能戦を繰り広げる。最終的に椎名のうっかりミスを引き出し、叶が勝者となった。
ゲームパートがすべて終了し、総合得点1位となった笹木が王者に。笹木は「そんな優勝するつもりなかったんですけど……。」と謙遜して見せつつ、トロフィーを高く掲げて喜んでいた。
EX Gamers Event “Odd Play-Off”の様子。総合得点1位となった笹木咲。
ライブパートではEXゲーマーズメンバーがコラボしたカバーパフォーマンスが多数。葛葉・椎名・りりむのずしりによる「ULTRA C」、本間・笹木のござやよによる「バニー」、叶・赤羽による「対象a」などが徐々に会場を熱く盛り上げ、ソロメドレーからつながる「にじフェス」イメージソング「Hurrah!!」のパフォーマンス中には、ゲームパートで勝利を納めた笹木がブランコで宙に舞い上がりながら歌声を響かせた。アンコールパートではEXゲーマーズのオリジナル曲「Lazy × Crazy」が生披露され、ライブ終盤にもかかわらず会場の盛り上がりは最高潮に達した。
2月22日(土)18:00 ライバー考案の恐怖体験!「にじフェスお化け屋敷2025 絶凶呪箱」
毎年好評の「にじフェス」ならではのアトラクションが、今年も多数設置されている。その中で連日大きなにぎわいとなっていたのが、「にじフェスお化け屋敷2025 絶凶呪箱~オカ研救出作戦withもちもち~」だ。本アトラクションは、単なるお化け屋敷の枠には収まらない、没入感とストーリー性を重視した体験型エンターテイメント。来場者はオカルト研究部の赤羽葉子、森中花咲、伏見ガク、ギルザレンⅢ世から「タスケテ」と書かれたメッセージが届いたことを機に、剣持刀也と椎名唯華とともに救出隊を結成し、オカルト研究部の部室へと向かうことになる。
にじさんじの世界観が取り入れられたお化け屋敷でありながら、本格的な恐怖が感じられるということで、初日から話題になっていた本アトラクション。いくつかの部屋で構成されており、それぞれ趣の異なる演出が施されている。不気味な音響が五感を刺激する薄暗い通路、予測不能なタイミングで現れるお化けなど、あらゆる恐怖が参加者を襲う。
「にじフェスお化け屋敷2025 絶凶呪箱~オカ研救出作戦withもちもち~」内の様子。
特筆すべきは、にじさんじライバーたちが各部屋のプロデュースを手掛けている点。彼らの個性と独創的な発想が融合した演出はお化け屋敷でありながらも、ここでしか味わえない独自のエンターテインメント体験となったはず。 企画の発端や制作秘話を紐解くため、担当者にインタビューを実施した。
――「にじフェス」ではこれまでにもVRヘッドセットを使ったお化け屋敷企画が実施されていました。今回はヘッドセットなしとなりますが、どのような経緯があったのでしょうか?
イベントプランナー I:僕が入社したのが2024年5月なので、「にじフェス」自体が初めてにはなるのですが、これまでお化け屋敷に携わっていた前任者から、ヘッドセットを使ったお化け屋敷にはいくつか課題があるという話を聞いていました。例えば「にじフェス」にはおしゃれをして来ていただく方も多い中、せっかくのヘアメイクがヘッドセットを装着することで崩れてしまったり、ヘッドセットを着脱するのに時間がかかってしまうことで体験していただけるお客さんの数に制限ができてしまったり、というところですね。
また、「にじフェス」ではライバーの皆さんに展示やアトラクションでどんなことをやりたいか事前アンケートを取っているのですが、今回協力いただいているライバーの皆さんから「お化け屋敷をやりたい」という意見があり、「じゃあリアルで本当に怖いお化け屋敷を作ってみよう!」というところから企画が動き出していきました。実際にお化け屋敷の内容をどうするか、という初期の案出しの部分もライバーの皆さんに考えてもらっていて、各部屋ごとにそれぞれのライバーさんがコンセプトを決めたという形ですね。
「にじフェスお化け屋敷2025 絶凶呪箱~オカ研救出作戦withもちもち~」内の様子。
――今回の「にじフェスお化け屋敷2025 絶凶呪箱~オカ研救出作戦withもちもち~」を作り上げるうえで、こだわったところや苦労したところはありますか?
イベントプランナー I:実は“暗くする”のが一番大変だったところですね。やっぱり暗くないとお化け屋敷は成立しないと思うのですが、消防法などの観点から天井を付けて室内を密室にしてはいけない、というルールがあったんです。幕張メッセ側ともいろいろと交渉させていただいて、天井を少し浮かせたり、アトラクション内に消火器を配置したりといろいろとそのルールに反しないように注意しながら進めていきましたね。
――なるほど。SNSでもかなり怖かったと評判ですが、Iさんはお客さんの反応などご覧になりましたか?
イベントプランナー I:もちろんお客さんの様子も覗かせてもらっているのですが、お客さんの中には「怖かった」というよりも「楽しかった」という意見の方もいらっしゃいました。僕も本当はもっと怖いものを作りたかったのですが難しい部分もあり、もし次回を担当させてもらえるなら途中退出したいという方が続出するくらい怖いものを作ってみたいですね(笑)。僕自身も音楽ライブなどのイベント制作が本業の中、こういった機会をいただけていろいろと学びがあったので、貴重な経験をさせていただいたと思っています。