デビュー当時は“嵐”のよう、一般人女性から「魔法の国」の住人へ
──VTuber史に名を残すような鮮烈なデビューを果たしたサロメさんですが、デビューした頃を振り返るとどんな印象ですか?
壱百満天原サロメ(以下、サロメ):いえいえ、そんな鮮烈なデビューをしたかな?と思っておりますけど……嵐みたいだったという話は当時よくしておりましたね。
正直今でもよく分かっていなくて、突然新しい国に来てしまった感覚というか。例えるなら「オズの魔法使い」に近いと思っておりますわ!
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──なるほど。知らない人のために「オズの魔法使い」について、簡単にご説明いただいてもいいですか?
サロメ:普通に暮らしていた女の子が嵐に巻き込まれて、気が付いたら家ごと不思議な魔法の国に行ってしまったというお話でございます。女の子はそこからがんばって家に帰ろうとするんですけれども、私(わたくし)はそのままこの国で暮らさせていただいておりますわ。
──ご説明いただきありがとうございました。それではデビューから2年半たった今、変わった部分と変わらない部分をそれぞれ教えてください。
サロメ:デビュー当時と今では緊張の質が変わりましたわね。当時は活動を始めたばかりなので、配信すること自体に対して毎回ものすごく緊張していました。それこそ体調悪くなる日もあって! あ、今でも配信前はしっかり緊張しますわよ(笑)。けど、前とは緊張の質が変わりましたわね。やっぱり、サロメイトとの絆のおかげかしら?
あとはにじさんじの方々と仲良くなれたっていうのも明確に変わった部分ですわ。いろんな人と関わりが増えて、いろんな一面を皆様方に見せられているかなって。それとライブやテレビCMにも出演させていただいて、場数を踏ませていただいたので、そういう意味では肝は座ったかもしれませんわ。
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──この2年半で場数や経験も踏まれたサロメさんでも、未だに緊張はされるんですね。緊張してしまうのは、ご自分では何故だと思いますか?
サロメ:私は「皆様を笑顔にしたい」「100満点のお嬢様になりたい」という2つを活動の柱にしているんです。どちらも私の人生の目標でもあるのだけど、活動としての目標という意味では「皆様を笑顔にしたい」という方がより大きいんじゃないかって思います。
音楽ライブやオフイベント、とても特別なものですわ。でも、私は配信をメインに活動していますから、視聴者さんと一番触れ合う機会が多いのが配信だと思いますわ。私にとって一番ファンの方と接する部分で、心の距離も近い場所だからこそ、毎回よし、今日もがんばるぞ! って感じで緊張してしまうというか……でも、いい意味の緊張ですわよ♡
もともと根っこは内向的ですから、そういうのも関係してるかも? 明るくなりたいといろんなことに関わろうとしてきた人生ですが、VTuberを始めてから、さらに元気になれた気がします。皆様方のおかげですね♡
「人に何かを渡したい」壱百満天原サロメの行動原理
──それでは「皆様を笑顔にしたい」と思ったのはなぜだったのでしょうか?
サロメ:私、人生って本当は、つらく苦しいものだと思っているんですの。どんなことがあっても、人生は続いていきますわよね。ありえないほどつらいことがあって、「明日世界は終わるんだ」と思った次の日でも、普通に太陽は昇ってくるわけです。それって素晴らしいことでもあるけど、同時に無慈悲でもある。
そこまでいかなくたって、日々なんとなくつらいな、とかしんどいなってときは誰にでもありませんか? 私は、よくあります(笑)。たぶん、生きるのがあんまり上手じゃないんです。失敗ばっかり、下手こいてばっかり! まあ普段の私を見ていただいてたら分かると思うのですが……。
そんな私でも楽しく配信をしているのを見ていただいて、「なんだ、こんなに生きるの下手な人でも楽しく過ごせてるじゃん。じゃあ大丈夫か!」って思ってくれたらいいなって。「人生つらすぎ、なんとかならんのか」ってときに少しでも笑えることがあるとよくないですか? 私は皆様にとってそういう存在になりたいなと思っていますわ。なんか普段はここまで話さないので、不思議な気持ちです(笑)。
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──人生でつらい経験をされた人は多くいると思いますが、その経験を乗り越えて、他人のことまで笑顔にしたいと思える人は多くないと思います。サロメさんはなぜ他の人のことまで笑顔にしたいと思えたのでしょうか?
サロメ:なんでなのでしょう……うーん、それは難しい質問ですわね。私はいろんなことに理由をつけたいタイプでいろいろと考える時間が多いんですけど、そのことに関してはあんまり考えてこなかったかも。でも、誰かを笑顔にできたらうれしくないですか?
……あっ、ちょっと分かったかも。 お嬢様って誰にでも分け隔てなく優しくて、人に何かを与えられる人じゃない? そういうイメージなんですの! 私の中の“100満点のお嬢様”って! 「100満点のお嬢様になりたい」って気持ちが根本にあったのかもしれません。私、きっと人に笑顔を渡したいんですわ。
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──サロメさんの言う「100満点のお嬢様」は他人のことまで笑顔できるような存在、ということですね。
サロメ:本当につらいときって、「楽しい」も受け取れないってことありませんか? 一緒に遊ぼうよ、元気出して! って言われても、今はそんな気分になれない、やめてよって思ってしまう、みたいな。でも後から振り返ったら、あのとき声をかけてくれてたのって、めちゃくちゃありがたいことだったなと思いませんか?
そのときはいらないと思っても、後から振り返ると実はその言葉が自分の支えになっていた、という感覚が私にはありますの。受け取れないと思った優しさが自分でも気付かない間に、元気になれた理由の1つになっていたんだなって。
そのつらいことを思い出したとき、「あーなんか『笑顔にさせますわ!』って言ってた人がいたな」って思ってもらえたらうれしいんです。
今までそれをあまり意識をしてこなかったんですが、よくよく考えてみたらそういうところかもしれませんわ。ちゃんと探してみたらほかにもいろんな理由があるかもしれませんけど。でも、お話して気づけてよかった。これからもっと皆様を笑顔にしがいがあります。
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「何を伝えるか」壱百満天原サロメの考える“音楽にしかできないこと”
──ライバーとして幅広く活躍されているサロメさんですが、音楽活動をするうえで意識していることやこだわっていることはありますか?
サロメ:ここからはフェスの話題ですわねー! にじさんじってレーベルに所属してる方もいて、私の周りにもアーティスト活動されてる方がいらっしゃいますわ。その中で私がしてることって本当に音楽活動って言っていいのって思うんですけど……それでも自分のお話をさせていただくと、「何を伝えるか」を意識してますわ。
最近考えたのですけど、数ある表現方法の中でも音楽の特出するところって、一番はリズムにあると思いませんか? もしかしたらほかの表現にもリズムはあるかもしれないけれど、私はリズム=全部音楽だと考えていて。
ええっと、つまりリズムって、どんな人でも楽しめると思うんですの。知識や教養、感受性がなくたって、リズムや振動を感じることは誰にでもできる。そういう考えでリズム=音楽だと思うと、世界中どんな人でも感じられる、素敵なものだと考えてたんですのよ! ちょうど最近。何偉そうに……って話なんですけど、それは棚に上げておきまして。
だからこそ私は「この曲ではこれが伝えたい」っていう気持ちを1曲1曲に込めて歌わせていただいております。みんなもう、当たり前にやってることかもしれませんけどね!
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──そこまで考えていらっしゃるのは素晴らしいことだと思います。「歌ってみた」などのカバーのお話も聞きたいです。
サロメ:いえいえ! 歌ってみたに関しても、原曲は作曲者様がすごく考えて、丹精込めて作りあげた作品じゃないですか。その曲でお話を描いているのかもしれないし、メッセージを込めているのかもしれないし、自分の感覚を伝えたいと思っているかもしれない。
それを受け取って私の中で噛み砕いて、「私はこの曲を聴いて、こういうふうに感じたから私なりにこの気持ちを伝える!」という思いで歌わせていただいておりますの。作曲者の方の気持ちを100%コピーすることは絶対にできないけど、それを聴いて感じた気持ちを表現するのは、私にしかできないことだと思っているんです。やっぱり原曲が一番素晴らしいのは大前提として! カバーさせていただく中で、私なりの表現をさせていただいてると思っておりますわ。
1stライブは初配信のよう?「内臓を出すわけじゃないから安心して!」
壱百満天原サロメ 1st LIVE “マイフェアレディ”キービジュアル
──素敵なお話ありがとうございました。にじさんじ 5th Anniversary LIVE「SYMPHONIA」以来のリアルライブですが、ワンマンライブは今回が初となります。まずライブの打診を受けたときの率直な感想はどのようなものでしたか?
サロメ:「なんで私がワンマンライブを!?」みたいな感じでございましたわよ、そりゃ(笑)! 失礼な話かもしれないんですが、「私でいいんですか?」とは言ってしまいましたわ。
ソロライブなんて、「いつかできたら素敵ね〜!」と想像してたくらいで、夢のまた夢だと……。それにフェスのメインステージに名を連ねるって、かなりのプレッシャーじゃないですか? ものすごく緊張しますわ。
──サロメさんにとって1stライブはどのような存在でしょう? やはりプレッシャーも大きい中、楽しみにもされているのでしょうか?
サロメ:いや、もちろん楽しみに決まってますわよ! じゃあ今なぜ最初にプレッシャーの話をしたかというと、楽しみなのは大前提だからですわ。
でも楽しいだけじゃないのがライブでございますから。私は前回「SYMPHONIA」でそれを痛感しておりますの。すごく楽しくて夢のような時間だったのだけれど、本当に大変だったし、しんどかったし、プレッシャーだった……それでもやっぱり楽しかったんです!
今回もすごいプレッシャーはあるけど、すごく楽しみだし、皆様方にも楽しみにしていただきたいですわ。
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──1stライブ「マイフェアレディ」では準備段階から含めて、ステージを作り上げるためにどのようなことを意識されていますか? 何かライブで表現したいことはありますか?
サロメ:開催が決まってから、1stライブはどういうライブにするのがいいんだろうって、すごく悩んだんです。それでいろんな方のライブを拝見しているうちに、みんな自分の色を出しているってことに気が付いたの。だから私もどんどん自分を出していきたいと思っていて、今回のライブではそれがかなり出ていると思いますわ。
先程からプレッシャーや不安とすごく言ってたのは……私のやりたいことを好きにやらせてもらっているからっていうのもあるんです。私の精神面というか、好きなものを詰め込んでいるけど、それをみんなが受け入れてくれるのかっていうことにずっと不安があって。感覚的には初配信前の感覚に近いと思っておりますわ。
──なるほど、サロメワールド全開なわけですね。非常に楽しみです!
サロメ:私はVTuberって自己開示が大切だと思っていますの。VTuberと視聴者さんって不思議な関係で、相互関係ではあるんですけど、実際に1人ひとりと面と向かっていつでも会話をできるわけじゃない。
私がみんなに開示していかないと、みんなも私がどういう人間なのか分からない。だから私がもう出せるところまで出さなきゃと思ったわけ。だから初配信でもいろいろと開示したんだけど、今回のライブもそれに近いというか……内臓を出すわけじゃないから、そこは安心してほしいですわ(笑)。
──ますますどんなライブになるのか気になります。それでは最後にライブを楽しみにしているファンに向けて、意気込みをお願いします!
サロメ:皆様方には私の舞踏会に来ていただきますわ! あんまり音楽ライブと思わない方がいいかもしれない。ライブだと思うな、あんまり! サロメ劇場開幕! 1stライブなんだけどライブじゃない!
……と、こんなふうに暴れていますけども(笑)。音楽ライブっていうよりは本当に舞踏会に来る心持ちで来てほしいですわ。あなたも舞踏会のゲストの1人だと思っていてね。
後はチケットが当たった方は、当たらなかった方もいるということを覚悟のうえ、この舞踏会へお越しください! そして当たらなかった方も、別に現地に行くほどじゃないけどライブが楽しみって方もいると思います。そんな皆様も、絶対に次のライブには行きたいって思いますわよ。思うはず、いや思わせる! そう思わせるために今がんばってるんだから!
……ということで、皆様覚悟しておいてくださいませ!
壱百満天原サロメ 1st LIVE “マイフェアレディ”概要