2時だとか 1stワンマンライブ レポート
ライブの始まりを告げるOP映像が流れ終わり、突如ステージに響いたのは、メンバーたちの「マリオカート、エーイト!」という楽しげな声。それを合図に始まったのは、まさかの「マリオカート8 デラックス」で対決を行うバラエティパートだった。楽器の代わりにコントローラーを手にしたメンバーたちは、ライブそっちのけでマリオカートを全力プレイしていく。
CPUありの6コース勝負というルールのもと、ゲーム画面がスクリーンに映し出されると、会場はまるでゲームイベントのオフライン会場のような熱気と笑いに包まれていった。「ようこそ我々のライブへ!」「始まりとしてはこれですよ」「マリカ杯はまだ終わってない」とトークも自由奔放。ゲーム中は激しく順位が入れ替わり、メンバー同士のアイテムの応酬に「ここでキラーかよ!」「サンダーもういっちょ!」とライバル心むき出しの激闘が繰り広げられた。
2時だとからしい素のリアクションと掛け合いが続く中、3コースを終えた時点では不破、イブラヒム、ローレンが数ポイント差で並び、渡会が遅れを取るという展開に。そして、ついに6レースを終えて結果発表へ。渡会の「優勝は不破湊でしたー!」という声とともに、メンバーと観客から「おめでとー!」という祝福の声が飛び交った。
ライブパートの開幕を前に会場も温まったところで、「マリカも楽しんだところで、ライブの季節っていうかさ」と渡会が切り出し、円陣を組むことに。不破の「行くぞ、お前たち。カマすぞ!」「2時だとか、いくぞー!」という掛け声を合図に全員が「オー!」という気合の込もった声を会場に響かせた。ライブ本編への最高のウォームアップを終え、照明が落ちると豊洲PITはざわめきに包まれる。
1stワンマンライブの幕開けを飾ったのは「READY STEADY GO」。初っ端から渡会が「俺らが掴み取った最初のステージだ! 一緒に楽しんでいこーぜ!」と観客を煽り、会場の熱は一気に最高潮へ跳ね上がった。渡会の伸びやかな歌声を不破の甘く優しいコーラスが後押しし、間奏では不破のギターソロが鳴り渡る。結成から2年、数々のイベントステージを経て、自分たちのスタイルでライブを作り上げた2時だとかがこの夜、ついに自らの名前を冠したライブのステージに立った。
続いて披露された「オレンジ」では、渡会のクリアで広がりのあるボーカルと、不破とイブラヒムが織りなす息の合ったギター、そしてローレンのベースが生み出す確かなリズムが一体となり、観客を惹き込んでいく。
ライブパート初となるMCでは、渡会が「2時だとかワンマンライブ、始まりました!」と口火を切る。前日深夜までスタジオに入ってライブの準備を進めていたことやライブ衣装となるお揃いのバンドTシャツなどに触れながら、フリートークを展開。「今回のライブが決まったときの心境」という話題では、イブラヒムが「俺は本当に(ライブイベントというものが)未知のものだったけど、無事こうやって形になりそうでよかったです」と素直な心境を語った。
再び、渡会の「最後までMAXテンションで付いてきてくださいね!」というアナウンスで歌唱パートへ。「いーあるふぁんくらぶ」では、「呜!哈!(う! はー!)」と渡会がお決まりのコーレスとエネルギッシュな歌声で観客のテンションをさらに引き上げていくと、そのまま「ないものねだり」へ。この曲では、本ライブのために制作された特別映像が背景に流れる中、攻撃力の高いロックサウンドを奏でていった。
続くMCパートでは、「ないものねだり」の特別映像の中で料理人が作ったチャーハンを実食するというユーモア溢れる展開に。「ないものねだり」のMVでチャーハンを作っている印象が強かったということで、このような演出になったことをローレンが明かし、「実はこのMC、休憩タイムでもある」と休み休みチャーハンを食べ進めていく。
バンドとしてのグルーヴがさらに加速していくライブ中盤。「走れSAKAMOTO」「Sign」といったカバー楽曲も2時だとかの色に染まり、会場は次々に沸いた。さらにそこから「7th Trigger」へと続いていく流れは、4人の音楽的な成長と結束を感じさせ、観客の心を強く揺さぶったはずだ。
「バクチ・ダンサー」では不破がギターを置き、ボーカルを担当。その背中を支えるように、ギターを担ったのは渡会。歌い手の顔とは異なる、プレイヤーとしての表情がステージで映える。そして、ローレンはこの曲でエレキギターを担当し、熱の込もったリフを披露。さらにイブラヒムはいつものギターからベースへと持ち替え、重厚なグルーヴでバンド全体を力強く下支えした。
続いて、ハンドマイクを握ったのはローレン。繊細さと芯の強さを感じさせる歌声で、観客の心を魅了する。ギターは渡会が担当し、感情を乗せた演奏で楽曲に厚みを加えると、エレキギターを担ったイブラヒムは普段のクールな立ち姿で華麗なギタープレイを披露。ベースは不破が担当し、確かな手つきでバンドのリズムを支えた。
シャッフルパートの振り返りでは、渡会は「初めてギターソロやってみたけど楽しかった」、ギターに挑戦したローレンは「普通にムズかったです」と口々に感想を語っていく。そして、渡会が名残惜しそうに「早いもんで、残り1曲となってしまいました」とライブが次の曲で終わってしまうことを明かした。
メンバーたちが「でもあの曲やってないじゃん」「あれですか?」と最後の1曲が“あの曲”であることをほのめかすと、「最後まで本能の赴くままに叫んでください。曲名を知ってる方はぜひ一緒に叫んでくださいね! 行きますよ、せーの!」の掛け声を合図に、メンバーと観客が声を揃えて「狂騒RIOT!」と叫ぶ。
2時だとか初のオリジナル楽曲「狂騒RIOT」では、グルーヴ感溢れるサウンドに乗せて、洗練されたパフォーマンスと息の合ったバンドアンサンブルを披露。全員のエネルギーがぶつかり合うような圧巻のパフォーマンスでフィナーレを迎え、場内には割れんばかりの拍手が鳴り響いた。
止まないアンコールの拍手の中、再びステージに現れた4人の姿に、客席からはこの日一番の歓声が上がった。このアンコールでは、メンバー全員が共通衣装に身を包み登場。中でもイブラヒムにとっては今回が共通衣装のお披露目という特別な瞬間となり、ファンは熱く盛り上がった。
そして迎えたアンコール1曲目は「アカシア」。ステージの背後には、これまで2時だとかが歩んできたライブの映像が、まるで旅の記録のように流れ、これまでの軌跡を感じさせる。曲間に渡会が伝えた「俺らと一緒にいろんな景色を見てくれないか?」という言葉の通り、それぞれの瞬間が積み重なって、今日この日につながっていることを感じさせるような温かく感動的なステージとなった。
渡会が「アンコールありがとうございます!」と感謝を伝えると、イブラヒムの共通衣装お披露目の話題へ。イブラヒムは「がんばりが認められてついに着られました。お待たせ」「俺もないだろうなって思ってましたけどね」と共通衣装を着ることができた喜びを語ると、渡会も髪型がアレンジされていることを明かし、「ちょっと美容室行ってきた」と声を弾ませてファンに報告した。
そして、渡会が「ここで我々2時だとかから皆さんにお知らせがございます! まずはこちらをご覧ください!」と切り出し、告知映像が流れ始める。そして、これまでDemo盤として配信されていた、2時だとか1stシングル「狂騒RIOT」の正式リリースが9月17日(水)に決定したことが伝えられた。さらに新たに2つのオリジナル楽曲を加え、全3曲を収録していることも解禁されると、会場からは歓声が上がった。
そして、ライブの感想を振り返っていく最後のMCへ。不破は「最高の思い出を作れたんじゃないのかなって。忘れられないそんな夜になったよな? また2ndやろうね」、イブラヒムは「与えてると思ったら与えられてたね。こんな素晴らしい衣装を着られて、音楽の舞台にも立てて。ありがとう寄りか? ありがとう!」、ローレンは「まさかこんなたくさんの人に演奏や曲を届けることができると思ってなかった。本当にありがとうございました!」、渡会は「本当に楽しくて、ずっとやってきたことがようやく出せたなって。みんなの応援でここまで来られたし、みんなの応援のおかげでがんばれた。本当にありがとうございました!」とメッセージを語ると、会場のあちこちから拍手や「ありがとう!」の声が上がった。
そしてラストの「Hurrah!!」で会場が一体となっての大合唱。4人それぞれが全身で楽しみながらパフォーマンスし、観客もその熱に応えるように手を振り、サビでは声を重ねる。渡会は「みんなのおかげでここまで来れた! だけど俺らはここで終わらねえから! まだまだ付いてこれるか? 最高だー!」と叫び、光と音が交差する中で迎えたクライマックスは喜びと感謝、そしてこれからの希望に満ちた真のフィナーレとなった。
2時だとか 1st ワンマンライブ セットリスト
1. READY STEADY GO/L'Arc~en~Ciel(カバー)
2. オレンジ/SPYAIR(カバー)
3. いーあるふぁんくらぶ/みきとP(カバー)
4. ないものねだり/KANA-BOON(カバー)
5. 走れSAKAMOTO/Vaundy(カバー)
6. Sign/FLOW(カバー)
7. 7th Trigger/UVERworld(カバー)
8. バクチ・ダンサー/DOES(カバー)
9. 敗北の少年/PENGUIN RESEARCH(カバー)
10.狂騒RIOT(Demo ver.)
アンコール
1. アカシア/BUMP OF CHICKEN(カバー)
2. Hurrah!!
ライブを終えたライバーたちからコメントが到着
――ライブが終わった今の率直なご感想をお聞かせください。
ローレン・イロアス
楽しかったよね?
不破湊
はーい、楽しかったですね!
渡会雲雀
はいです! ありがとうございましたっ!
イブラヒム
楽しかったです!
――ライブで特に印象的だったシーンを教えてください。
ローレン・イロアス
やっぱりイブがキラーを引いて歓声が上がったときっすね〜。歓声を聞きながら、後ろから来るキラーに気付いたときに「負けたんだ」って。曲だと「ないものねだり」でイブと一緒に向かい合って演奏したのが気持ちよかったし、「7th Trigger」でみんなと合わせるパートが楽しかったすね。
イブラヒム
キラー中にサンダー回避でとんでもない歓声が上がって。いや、オフラインすごいなって! 俺もローレンと一緒でみんなで合わせてるときが楽しかったっすね。
渡会雲雀
いや〜、「アカシア」は気持ちよかったな〜。ラスサビに入るところはなんか胸に来るものがあったっすね。
不破湊
シャッフルパートとかもね。ちょっと遊び心を入れることができて、声もたくさん聞こえたんでね。そういうとこもよかったなって思いました。
――最後にライブを見てくれたファンの方へメッセージをお願いします。
不破湊
またどこかで。
渡会雲雀
また会えるように。
ローレン・イロアス
夢見てます。
イブラヒム
全部言うじゃん……。