一緒に作ること、一緒にがんばること、この3人だからこそできること──そのどれもが、かけがえのない思い出
──皆さんがデビューしてからおよそ5年半が経ちました。これまでのライバー活動で、記憶に残っていることはなんでしょう?
アンジュ・カトリーナ(以下、アンジュ):もちろん思い出はたくさんあるけど、私はその中でも2019年の「さんばか24h」が印象に残ってるかな。自分たちで企画を考えて自分たちでいろんなものを手配して、自分たちで24時間企画やり通して……もちろんスタッフさんたちにも手伝ってもらったんですけど、そうやって一から組み立てていく達成感や裏方の大変さを一番感じることができた企画でした。
それこそスタッフさんたちの“息吹”を一番感じたところもそこだったかも(笑)。もちろんそれまでもスタッフさんたちと関わりはあったんだけど、スタッフさん込みでいっぱいがんばって作った企画っていうこともあって、かなり印象に残ってるかな。スタッフさんへの感謝もすごく感じた気がする。漠然とした言葉としての「ありがとう」じゃなくて、本当にすごくがんばっているところを見たから、心からの感謝を感じた出来事だったかもしれないです。
「【開会式】さんばか24hいよいよはじまります!!【#さんばか24h/にじさんじ】」
──自分たちだけではなく、スタッフさんたちも含めた思い出だったわけですね。続きまして、戌亥さんの思い出はなんでしょうか。
戌亥とこ(以下、戌亥):ィゼ(リゼ)ちゃんの誕生日にンジュ(アンジュ)さんと一緒に急に家に凸したんですけど……アポなしで(笑)。あれかな。
リゼ・ヘルエスタ(以下、リゼ):あー(笑)。いまだにほかにやってる人いないんじゃないかな?(笑) いる?
戌亥:いないと思う。
アンジュ:なかなかできないと思うよ(笑)。
リゼ:これ、当事者本人の私が声を大にして言いたいんですけど、マジでアポなかったから!!(笑) 「実は裏でアポ取ってたんでしょ?」とかたまに言われるんですけど、マジでなかった!
アンジュ:なかったねー(笑)。ワクワクしたな。
戌亥:2人で本当にアポなしで行こうって決めたけど、ガチでアポなしだから家に入れてもらえない可能性があったから(笑)。
アンジュ:誕生日配信してたから出ない可能性もあったしね。
戌亥:そう。入れる入れない以前にインターホン鳴らしても出てもらえない可能性も全然あるよねって話しながらンジュさんと行ったけど、でもィゼちゃん家に入れてくれたからな。
リゼ:普段は絶対出ないんですけど、っていうかインターホン鳴ったことにも反応しないんですけど、事前の2人の様子とタイミング的に「え? もしかしてこいつら、やった? まさか……?」っていう予感があったから、さすがに出ましたね(笑)。
戌亥:あれは我々だったからこそできたんじゃないかなって思って、割と印象に残ってる。
「配信中に自宅のインターホンが鳴り焦るVtuber」
アンジュ:面白かったな~。初めて戌亥が私の家の敷地内に足を踏み入れるとき、私すんごい汗かいたの覚えてる。汗止まらなかったんだよね、緊張して(笑)。
戌亥:それもめっちゃ記憶に残ってるけど、最初にわたしがンジュさん家に行って集合してから、ィゼちゃん家に行くっていう流れがあって。そしたらンジュさん家のインターホン鳴らしたときに「その写真を撮りたかった」って言われて……ちょっと「え?」って思った(笑)。
アンジュ:あれは感動だったから、記念にスクショしたかった(笑)。すごかったからね、あのときの私。なんか落ち着きなかったもん。
戌亥:すっごい落ち着きなかった。ずっとうろうろしてた(笑)。でもお祝いする楽しさとこれからイタズラをするワクワク感もあったから、楽しかったな~って思う。
──リゼさんは振り返ってみていかがでしょうか。
リゼ:この5年半、やっぱり節目節目で「ここまでの○年振り返ってどうでしたか」みたいなことを聞かれる機会が多かったんですけど、体感が早すぎて正直5年半経った実感があんまりないんですよね(笑)。でもその中でも印象的な出来事として挙げるなら、2022年の「にじフェス(にじさんじフェス)」かな。初めてさんばかの3人だけでライブステージに立ったのがあれだよね。
アンジュ:そうだね、単独だとそこかな。
リゼ:半分バラエティ、半分ライブっていう構成ではあったんだけど、事前の練習でライブの振り付けをご指導いただいたりもして。今だったらそんなに珍しくないんですけど、当時の私にとっては初めてのことだったので、ちゃんとみんな揃って練習したのは思い出に残ってますね。終わった後、アンちゃんが「もっと上手くできたのに~」って泣いて(笑)。ちょっと普段のさんばかにはない、部活動感を感じたよね。
「にじさんじフェス2022」のさんばかステージより。
戌亥:悔しくて泣いてたやつ(笑)。
アンジュ:あーあったね(笑)。
戌亥:ダンスの先生が「よかったですよー、お疲れ様でした」って言いにきてくれたときに「びえ~」って泣いてた(笑)。
アンジュ:そうそう(笑)。それまで堪えてたものが一気にがばーってこみ上げてきて。
戌亥:そのまま生き霊になるんじゃないかってくらい、悔しそうな言葉とともに泣いてた(笑)。
リゼ:それを見て、正直それまで私はどちらかというとサークル的な感じで楽しくやっていたので、「アンちゃんはこんなに悔しさを感じるほど打ち込んでたんだ。もっと私もがんばらなきゃ」ってすごく思って。さんばかでこれからやること、それこそ直近のもので言ったら5周年記念ライブがあるんですけど、そういったものに対してもっと運動部的に、熱血に打ち込んでいくぞって思いましたね。
楽しくやること自体が悪いこととは思っていないんですけど、がんばりとか悔しさとかそういったものも自分のものだと実感できるところだって気付いたから。楽しかった以上の何かも一緒に残るものにしよう、っていう教訓になりました。
さんばかがいたから、今の自分がある
──皆さんは普段のYouTube配信以外のさまざまなところでも活躍する、マルチタレント的な活動をされていると思います。それらは、さんばかだからこそ・にじさんじだからこそできたことも少なくないと思いますが、そういったご自身の力だけでは得られなかったものは何がありますか?
アンジュ:そうはいっても、私はあんまりマルチタレントじゃなくて(笑)。そんな私でも思うのは、やっぱり歌とかライブかな。たぶん私が普通に生きてたらそんなことできなかったと思うし、しようっていう発想にも至らなかったと思いますね。歌ってみたの投稿だったり、今回のライブだったり……自分の同期たちだけで単体ライブができるってすごいよね。普通に働いてたら同期とライブってなかなかしないよ?(笑)
リゼ:「〇〇会社△△年入社の皆さんのライブ」とか? それはないだろ(笑)。
アンジュ:だからすごい異質なことしてるなって、そのたびに思うんよ(笑)。数奇な人生を今歩んでるなーって。普通ないよ、こんなこと! しかもそのライブを待ち望んでくれる人たちがたくさんいるって……ありえないでしょ普通に生きてたら!
戌亥:すっごい興奮するやん(笑)。怖いぐらい興奮してる。
アンジュ:いやでも「ちっちゃい頃の私が今の私を見たらどう思う?」ってガチで思っちゃうよ。
戌亥:どう思うの?
アンジュ:たぶん「はい、嘘! ダウト!」って言うと思う。だってさすがにね(笑)。だから「にじさんじだからこそ」っていうと私は歌やライブだなーって思います。すげーよアンちゃん! ちっちゃい頃の俺、見てっか?(笑)
で、「さんばかだからこそ」って言うと……常に誰かに評価され続けるこの世界で、私が辞めずに今日まで続けてこられたのは、ガチでさんばかのおかげだと思います。当然熱い絆とかそういうのもあるけど、シンプルに2人ががんばってるから。そのがんばりを見ると「2人と対等にいられるように、私もがんばらなきゃな!」って思えるんです。2人が同期だったから、ずっとここまでやってこれたんだと思います。
──素敵なお話、ありがとうございます。それでは戌亥さんのお話をお聞かせください。
戌亥:さんばかだったからこそっていう点で言えば、2人ともさんばかの活動で「誰かが嫌なことは絶対にやらない」っていうのを必ず徹底してくれてたのが、わたしにとってはとてもありがたかったです。わたしはゲームがあんまり得意じゃなかったり、勝ち負けがつくものがあんまり得意じゃなかったり、そうやってライバーだと当たり前なものの中に苦手なものが結構あるんです。そんなわたしでも無理なく自分のペースでやりたいことや楽しそうだなって思ったことを続けてこられたのは、さんばかが作ってくれたこの恵まれた環境だからこそだと思っています。
もちろんにじさんじっていう場所自体が、それぞれのライバーがやりたいことを尊重してくれる場所だったからこそと思います。だから「にじフェス」のさんばかステージが、バラエティパートで普段のさんばかをやりつつ、ライブのステージもやれたりしたんだなって。バラエティパートの内容も、スタッフさんが一生懸命考えてくれてたりしたので、割とスタッフさんのにじさんじへの愛があってこそのステージでもあったんじゃないかなって思いますね。
──戌亥さんにとって、苦手なものや嫌なものも認めて受け入れてくれたのが、このさんばかという場所だったのですね。
戌亥:そうですね。デビューしてからずっと、今日まで2人が味方でいてくれないことがなかったっていうくらい、自分がどんな状況でも味方でいてくれるって信じられるので、この5年半の間、心細く感じる瞬間がなかったっていうのは、とてもうれしいことだなって思いますね。
アンジュ:エモい(笑)。
「【#とこばくたん】誕生日なので逆凸をします。※最後に告知があります!【戌亥とこ/にじさんじ】」より。
──最後にリゼさんはいかがでしょうか?
戌亥:大トリだ!
アンジュ:おもろいやつだ!
リゼ:え、なに……? え? 今のエモい流れから、急に面白に振れって?(笑)
戌亥:わくわく(笑)。
リゼ:いや、まあこれまでの話を聞いて「さんばかってめっちゃ仲良しで、べったりなのかな」って印象を抱く方もいらっしゃるかもしれないんですけど、どちらかというとみんなマイペースで過干渉じゃない、って言った方が正しいかもしれなくて。お互いに配信の内容とかペースとかも違うし、忙しい時期も結構違ったりするので、私としては基本的に個でのがんばりがありつつ、常に帰るホームがある感じなんですよ。もしかすると、とこちゃんが言ってたのと似てるかな? 常に「家に帰れば味方になる人がいる」状態が続いているのが、心折られずにこの5年半活動を続けられた一番の理由なんじゃないかなって思います。
私もマルチタレントとはかなり言いづらいんですけど、そもそも自己表現っていうものがめちゃくちゃ苦手で、唯一できる自己表現が配信だったので……まさかステージで歌ったり踊ったりっていうのが定期的に開催されるとは思っておらず(笑)。自分でもちょっとびっくりしてるんですけど。
それこそそういったことに関しても、歌とかパフォーマンスとかの経験があるとこちゃんを間近で見られて勉強になるっていうのもあるし、自分と同じように普通に生きてたらおそらくこういうことはしなかったであろうアンちゃんが、にじフェスのときクオリティのために泣いてる姿を見て、自分の専門外のことでもプロの自覚をもってがんばっていかないといけないんだなって気合いが入り直したということもあって。同期がさんばかだったからこそ、自分1人だったら「ちょっと私はいいかな……」って引いてしまうようなことでも挑戦できてるって感じがあります。
──皆さんにとってさんばかをひと言で喩えると、家族のようなものでしょうか?
戌亥:うーん、家族……?
リゼ:いやどうなんだろうな、家族と友達とも違うみたいな感じはするな。さんばかっていう1つのカテゴリーな気もする。
アンジュ:最後の砦みたいな感じかな。
リゼ:ああ、それだ。家というより砦かも(笑)。英語としては「ホーム」ではあるけど、日本語訳したら「砦」かもなって思います。
「もういくつ寝ると【さんばか/にじさんじ】#shorts」
それぞれ形は違えど、ライブが一番の“挑戦”だった
──皆さんがさんばかとして、あるいはさんばかの中の1人として、一番成長した・挑戦だったと思うエピソードがあれば、ぜひ教えてください。
アンジュ:成長はあんまりしてないんですけど(笑)。「にじフェス」のさんばかステージの件は、成長っていうか気付きだったのかな? あのときがあったから、これからもっとがんばりたいって思えたし、まだがんばれるんじゃないかって思えましたね。本当にあのときは全力を尽くしていたつもりだったんですけど、終わってから改めて「もっとできたのに……」って思ったんです。
もちろん、ステージに対して責任感がなかったわけじゃないんですけど、終わった後に、後悔に近いような「もっといいものを見せたかった」っていう思いを持ちまして。ステージ上から視聴者さんをすごく身近に感じて、「こんなにこのライブを楽しみにきてくれた方がいるんだ」って思いました。だからこそもっと返したいって思ったし、もしもう一度ライブがあるなら、次こそは「全部やり切った! ほかに何もやれることはなかった!」っていうほどに、なんの悔いもないくらいやりたいと思ったんです。
終わった後に笑顔で「見せたいものは全部見せられた! ありがとう!」って思えるようにしたい。あのときのさんばかステージがダメだったっていうわけじゃないんですけど、あれがあったからこそ責任感をもっと感じるようになったというか、もっといいもの届けたいぜ!っていう気持ちになって、それからステージやライブに対する考え方が変わりましたね。次は燃え尽きたいって思いました(笑)。ある意味、精神的な成長なのかもしれないです。
──ここまでに何度かお話に出ている2022年の「にじフェス」は、アンジュさんの中でも特にターニングポイントになった出来事だったんですね。戌亥さんはいかがですか?
戌亥:これ時効だと思って話すんですけど……(笑)。わたしが初めてソロライブ(2020年開催の「Inui Toko 1st Solo Live “who i am”」)をやるって話がきたとき、2人にも一緒にステージに立ってほしいって気持ちがどうしてもあって。「2人と一緒にステージに立ちたい。2人が『ステージに立つのはちょっと……』って言うなら、わたしはソロライブやらない」って言ったんですよね、あのとき。
「Inui Toko 1st Solo Live “who i am”」メインビジュアル
アンジュ:え!? そうなの!?
リゼ:何それ知らねー! え、それオファーのときに言ってよ!(笑)
アンジュ:そうだよ!!
戌亥:いやいや(笑)。そこは別に無理強いしたかったわけじゃないから。
リゼ:でも「とこちゃんのソロライブだから足を引っぱるわけにはいかないから、辞退します」って、私は思わなくはなかったよ?
アンジュ:私もなくはない。
リゼ:こわ!(笑) ってことはもしかすると、あのライブなくなってたかもしれないんだ……。
戌亥:いやー、一緒にやってほしいって気持ちがどうしても強くて(笑)。
アンジュ:そうだったんだ……。
戌亥:あのライブは、デビューからそんなに時間の経ってない中での実施だったっていうこともあって、今思うとわたし自身に至らない部分もあったなって思うけど、ステージに一緒に立ってくれてる時間もわたし1人で立っている時間も含めて、2人が見守ってくれてたからできたことだなって思ってて。それをきっかけとしてその後もいろんなものに挑戦し続ける気持ちになれたから。
それこそ今度の12月にある5周年ライブで、そのときよりもっとよいものが見せられたらなって思うから。そのあたりは、わたしの中では勝手に2人を巻き込んだ挑戦ではありました(笑)。たぶんこれ初めて言う気がする。
アンジュ:初めて聞いた! 初めて知った!
リゼ:表でも裏でもこれが初出だろう(笑)。
アンジュ:衝撃だよ(笑)。
──ソロライブのときのお話ではありましたが、その裏ではさんばかの絆が隠れていたという、さんばかあってこその戌亥さんの挑戦だったんですね。衝撃の初公開話、ありがとうございます。それでは最後にリゼさん、お願いいたします。
リゼ:いや、今ちょっとびっくりしすぎて……。考えていたことがだいぶ頭から吹っ飛びまくっちゃったんですけど(笑)。そうですね……私としては、さんばかでいうとやっぱり3周年のときにやったライブ「さんばか 3rd Anniversary LIVE みつぼしパレード」です。自分たちで曲を話し合ってセットリストを決めて、演出とかも全部考えたりして、手作り感が一番強かったですし、普段の配信活動ならまだしもライブっていうことを自分1人ではまず企画しようと思わなかったはずなので。
自分が得意じゃないジャンルのことを企画して挑戦しようって思えたのは、さんばかと一緒だったからだと思いますね。あの3周年ライブのおかげで、これから皆さんも見てくださるであろう5周年記念ライブも、もっとこういうことができるだろうなとか、こういう気持ちで挑むといいだろうなとか、そういった見通しも立つようになったし。ライバーじゃなかったら、そしてさんばかじゃなかったら決して得られなかった経験値、成長をしたなと思います。
「【MV】みつぼしパレード/アンジュ・カトリーナ、リゼ・ヘルエスタ、戌亥とこ」
同期がいるから定まった目標、3人の目指したい姿とは
──これまでの活動で得てきた経験、さんばかの絆やお互いに受けてきた刺激など、そういったものを踏まえて、今後はどんなライバーであることを目指したいですか?
アンジュ:すごくシンプルですけど「面白いライバーでありたい」って思います。例えば私を見てくれてる人が「アンジュってどんなライバー?」って聞かれたとき、やっぱりいろんな答え方があると思うんです。かわいい人だよねとかカッコいい人だよねとか……。
リゼ:ん?
アンジュ:もちろんあるでしょ!
戌亥:サムネが上手い。
「【🎂誕生日逆凸】ほぼ絡んだことない人限定で電話かけちゃお!!! #アンジュ爆誕【にじさんじ】」のサムネイル。
アンジュ:やめて(笑)。
リゼ:サムネ作るの上手だよね、わかるわかる。アンジュと言えばサムネ、サムネと言えばアンジュ。
アンジュ:こういうときに! サムネが上手い人だよねじゃなくて! 面白い人だよねって言われたいんですよ!!(笑)
戌亥:当たり屋。サムネが上手い当たり屋。
アンジュ:まあ……否定できない(笑)。正直、「サムネが上手い」はうれしい! 当たり屋はちょっとうれしいかどうか難しいけど……(笑)。でも真っ先に出るイメージが「サムネ上手い人だよねー」とかじゃなくて、イメージとして「面白い人」「笑える人」っていうのがまず最初に出るライバーになれたらうれしいんです。欲張るなら「かわいくてサムネが上手くてめっちゃ面白い人」なんですけど(笑)。でもまずは面白いライバーを目指したいと思っております。さんばかの面白い担当になるッス、自分。
戌亥:よろしく~(笑)。
リゼ:よろしくお願いします(笑)。チームとして非常に助かる。これからはオチを振ってもいいんだ。
アンジュ:「だってアンジュは面白いライバーだもんね」って言われて全部振られちゃう!や、やめます(笑)。でもさ、さんばかってみんな面白いからね。コンプレックスってわけじゃないけど、自分だけ「これ!」というものがないように感じてて……。
戌亥:そんなことない! サムネが上手い!
アンジュ:サムネが上手いは微妙やって(笑)。
リゼ:アンちゃんはサムネが上手いじゃん!
戌亥:大丈夫やって、サムネ上手いんだから。
アンジュ:サムネなんか井の中の蛙すぎるから。プロのデザイナーに任せたら負けるわそんなん(笑)。マジで自分には強みがないと思ってる。
戌亥:自己評価ひっく。
アンジュ:いや、何もできない人間って言いたいわけじゃなくて、核がないと思ってるだけ。「何担当?」って聞かれたときに、私はないなって思う。
リゼ:そんなこと言われたら私もなくて困るんだけど。
アンジュ:お前はかわいい担当よ。
リゼ:担当がなきゃいけない制度やめようよ(笑)。
アンジュ:いやリゼはさ、まず存在が王道っぽいのよ。
リゼ:皇女だからじゃない?(笑)
戌亥:それ地位の話かもなー。
リゼ:そう、地位の話してない?(笑)
アンジュ:なんだろう……ないものねだりなのかなー?
戌亥:そうよ。
アンジュ:リゼはすごいしっかりしてるし、やっぱ持ってんじゃん。戌亥は歌がほん……っまにすごいから。
戌亥:どしたん?(笑)
アンジュ:戌亥のソロライブで受けた衝撃を何年もずっと持ちながら生きてるからさ。
戌亥:リハーサルで泣いてたからね。
アンジュ:そう。こんなものを私は持っていないっていう(笑)。コンプレックスっていうとあれなんだけどね。
リゼ:自己評価が低いなぁ……。
アンジュ:そもそも“面白い”って人によらん? 感性によるっていうかさ。
戌亥:そこは人によってハマる・ハマらないがあるよね。
アンジュ:でも歌ってさ、好みじゃなくても上手いものは上手いじゃん。
リゼ:まあわかるね。
アンジュ:戌亥の歌を聞いて「上手くない」って言うやついたら、ガチビンタして「逆張りすな!」って言うと思うから。
「晴る/covered by 戌亥とこ」
リゼ:逆張りオタク扱い(笑)。
アンジュ:そう(笑)。好き嫌いはあるかもだけど、下手は嘘じゃん!
リゼ:そう考えると、“面白い”に上手下手ってあんまりないもんね。
アンジュ:そうなんだよ。好みだけで一気に「面白くない」になっちゃうから。
リゼ:それはめちゃくちゃ思う。
アンジュ:だからそういうのを考えたときに、じゃあ私は何ができる?ってなったら、それを突き詰めて面白い人間になるしか……(笑)。
リゼ:その振りのあとだとめちゃくちゃ言いづらいけど、さんばかの中で一番個性あると思うけどね、人格としては。
アンジュ:人格……?(笑)
リゼ:歌とかのスキル面で言うならとこちゃんがどこでも通用するものを持ってると思うけど、個性的っていう意味ではアンちゃんが一番だと思うけどな。
アンジュ:いやいやいや、さんばかはみんな個性的じゃんか。
リゼ:もう身内で言い合うのやめよ? 誰も止める人いないから、ここ(笑)。
アンジュ:そうね(笑)。とりあえず私は、核というものが欲しいっていう意味で、あらゆる人の「アンジュ・カトリーナのイメージ」として、面白い人になりたいなって。いろんなのがふわふわふわってあるんじゃなくて、面白い人!ってパッと浮かぶ人になりたいなって思いました。
──アンジュさんが戌亥さんの歌に衝撃を覚えたように、みんなの心に残るような面白い人になりたいということですね! そんな戌亥さんは、これからどんなライバーを目指していきたいですか?
戌亥:わたしにとっては2人は本当に尊敬できる人で。ンジュさんはすごいムードーメーカーで、3人だけじゃなくてほかの人もいるコラボだったりステージだったりでも空気を作ってくれる人だと思っているし、ィゼちゃんは本当に引き出しが多いし頭の回転も早いので、2人とも周りに影響を与える人だなって尊敬してるんです。
リゼ:えへへ(笑)。
アンジュ:ニチャァ(笑)。
戌亥:だからわたし自身もそういうライバーを目指せたらと思っていて、わたしの活動を見ることで、些細なことでもいいし大きなことでもいいんですけど、誰かの何かしらのきっかけになれたらいいなと思っています。そしてさんばかとしても、にじさんじの中で話しかけやすい存在、話しかけやすいライバーたちでありたい。「コラボしたいな」とか「企画やりたいな」とか、そういうときに「さんばかなら」って声をかけやすいって思われる人たちでいたい。
リゼ:正直今は、一番話しかけやすいとは言い難いからね……(笑)。本当に申し訳ないけど。
アンジュ:それは本当によく言われる。
リゼ:本人たちはウェルカムなんだけど、よく言われる(笑)。
戌亥:みんなそうなんだよね。「いつでも誰でもお越しください」のスタンスではあるんやけど。
リゼ:気持ちは本当にそう!
戌亥:自分たちがあんまり実感してない間にどんどん先輩になってさ、後輩も増えていって……ってなったからね。やっぱりほとんどのライバーがわたしらより後輩で、向こうからしたら先輩やしってなってて、だから話しかけにくいとかはあると思う。で、逆に先輩たちからしたら「さんばかは別にデビューしたてでもないから、ちょっとそっとしておこうかな」とか思われてそう(笑)。
リゼ:でもこっちから声をかけたとき、向こうが困らないかなってことを考えちゃう……っていう性格なのも、後輩のみんなはたぶんもう知ってるんだよね!(笑) コミュ障って有名だから!
戌亥:もしライバーの誰かがこの記事を読んでいるのであれば、さんばかにはぜひお気軽に声をかけてください。
アンジュ:喜ぶよ。
リゼ:困るようだったらとこちゃんを経由してでもいい(笑)。
戌亥:全然ウェルカムです、いつでも。そんなライバーでいたいです。
アンジュ:確かにそう言われる存在になれたらうれしいな。
──それでは最後に、リゼさんの理想、目指すお姿はどんなものでしょうか?
リゼ:アンちゃんが自己研鑽、とこちゃんが箱のみんなへの優しさを見せたところで、私はめちゃくちゃ自分のことで申し訳ないんですけど(笑)。やっぱり自分の好きなことを続けられるライバーでいたいなって思ってます。さっき「自己表現が苦手だけどライブやらせてもらえる機会が多くなってきた」とか「歌わせてもらえる機会が多い」とか、聞きようによってはマイナスに感じられるような話もしちゃったかと思うんですけど、決して好きじゃないっていうことではなくて、そういう挑戦はうれしいんです。
だからこそ、「自分のやりたくないことは絶対にやらない」っていうのを信条に、これからもやっていきたいかなって思います。
アンジュ:実際そうだよね。さんばかとしても、割とやりたくないことはやらないを信条にしてると思う。
リゼ:できないが正しい(笑)。
アンジュ:それやってると潰れちゃいそうになるからいいことだと思う。
リゼ:それが結局は長く続けられる秘訣でもあるかなと思うし、視聴者の皆さんもやっぱり私のそういう姿が見たいと思ってくださってるんじゃないかなと思うので、今までもこれからもリゼ・ヘルエスタとして発信することは、すべて自分が挑戦したくてやってること、楽しいと思って続けていることですので、今後も安心して応援してくださるとうれしいです。
リゼ・ヘルエスタが続けているトーク企画「〇〇と通話中」の第1回。リゼが配信者たちとの通話の模様を“うっかり配信してしまう”シリーズ企画で、初回は月ノ美兎が登場した。
取材・文:株式会社KADOKAWA 大竹卓 監修:ANYCOLOR MAGAZINE編集部
さんばか 5th Anniversary LIVE 〜3!参!SUN!〜