Specialeの頼れるお姉さん、七瀬すず菜のルーツに迫る
──今回は新生活特集ということで社会人経験のある七瀬さんをお招きしました。まずは経歴について伺えますか?
七瀬すず菜(以下、七瀬):大学を卒業した後、新卒で就職してバックオフィス系のお仕事をしていました。大学生のときにいろんなお仕事を経験できるのが楽しくて、アルバイトを3、4つ掛け持ちしてたんです。給与明細をもらったときに「『控除』でめちゃくちゃお金が引かれてるけどこれはなんなんだろう?」って思ったのがきっかけで、お金関係の仕事に興味を持った結果、給与計算や労務管理、社会保険手続きなどを担当する部署で働くことになりました。
忙しいときとそうでないときがけっこうハッキリしていたので、お給料を払った後はちょっと落ち着くんですが、忙しいときは残業がめちゃくちゃあって、会社に泊まるなんてこともありましたね。
──なかなかハードな就労状況だったんですね……!
七瀬:働く前はもっとキラキラしたOLの姿をイメージしてたんです。スタバのカップ片手にカフェで仕事をして、休み時間はちっちゃいブランドのお財布だけを持って、高いランチを食べにいく。仕事が終わったらジムでトレーニングをして、家に帰って半身浴するみたいな(笑)。
でも実際はそんなに早く帰れないし、扱う情報が全部社外秘だから外で仕事もできないし、休み時間もそんなにゆっくりできないしで、わりと早い段階から理想は崩れちゃいました……!
──会社員時代の印象的なエピソードはありますか?
七瀬:配信でも話したことがあるんですが、終電近くまで仕事をしていた日があって、気付いたらそのまま床で寝てしまったことがあるんです。朝起きて上司に「どうして起こしてくれなかったんですか!?」って聞いたら、「気持ちよさそうに寝てたから」って言われたときに退職することを意識し始めちゃいました(笑)。
キラキラOLに憧れていた元社畜!? 飾り巻き寿司インストラクターという資格を持つ七瀬すず菜の初配信! #にじさんじ #にじ公式切り抜き
七瀬:あと会社員になりたてのときは本当に右も左もわからなかったので、上司から「フロアは走らないでね」とか「席を立つときは椅子を戻してね」とか学校の先生から言われるような指導を受けてました。周りから見て心配になるくらい慌ててたんだと思いますが、そんな状態でも一から社会人としての振る舞いを教えてもらえたのは印象深いです。
──今の七瀬さんのお姉さんで大人なイメージからは想像できないお話ですね。
七瀬:電車に乗り遅れそうになって、パンプスで爆走したら転んじゃって骨折したりとか、慌てて電話に出たら座ってた椅子が転がっていっちゃって、それに気付かずに座ろうとして尻もちついて尾てい骨を骨折したりとか……。労災を申請する部署で働いてるのに、自分で労災を発生させまくっちゃってました(笑)。
しっかり者みたいなイメージを持たれがちなんですけど、うっかり屋だし抜けてるところもあるので、それをなんとかしようと社会性のオブラートで何重にも包んだ結果が今の私なのかなって思ってます。本当はけっこうバタバタしてるし、ガサツなところもあるんです(笑)。
会社員時代で得た極意「自分のご機嫌は自分で取る」
──ハードな会社員時代に、リラックスや息抜きとしてやっていたことはありますか?
七瀬:息抜きには本当に命をかけてました。早く帰れる日にはそのまま映画を観に行ったり、ディズニーシーに行ってビールを飲みながらショーを見たりしてましたね。あと会社帰りにちょっといいホテルに泊まって、翌日優雅な朝食を食べてからタクシーで会社に行くとか。牛タンを食べに行くためだけに仙台に行ったこともありました。そんなふうに日常の中に非日常を混ぜることで息抜きしようとしていたんです。
仕事がハードだったのでそれくらいしないとやってられなかったというのもありますし、忙しくてお金も使ってなかったので、その分ご飯とか息抜きにお金をかけてました。そうやって「自分のご機嫌は自分で取る」っていうのは今の私にとっても大事なテーマになってます。
──自分で自分のご機嫌を取るのは確かに現代社会を生きるうえで重要な考え方です。身に付けられたのは社会人になってからですか?
七瀬:学生時代はとにかく自分のやりたいことをやるって感じだったので、自分のご機嫌を取るという考え方は社会人になってからできるようになったと思います。なんか今日上手くいかなかったなとか、自分の気持ちが曇りそうだなって思ったときは、すぐにカバーしないとどんどん気分が落ちていっちゃうんですよね。なので常にフラットでいられるようにいろんな方法で自分のご機嫌取りをしてました。
──ほかに社会人を経験したことで成長したと感じる部分はありますか?
七瀬:キャパがすごく増えたし、マルチタスクがこなせるようになったと思います。当時の部署では仕事内容が多岐にわたっていたんですが、やるべきことを付箋に書き出していろんなところに貼りまくって、仕事を整理するってやり方をしていたんです。ライバーの活動も配信だけじゃなくて、いろんな仕事がある中で今やらないといけないことを整理して取り組むことができているのは当時の経験のおかげかなって思います。
1日複数回の個人配信に加え、Specialeの一員としてのユニットでの配信も。【真】Specialeお弁当ドラフト【にじさんじ/七瀬すず菜/早乙女ベリー/雲母たまこ/酒寄颯馬/渚トラウト】
──毎日の朝活に加えて1日に複数回配信されることも珍しくないので、現在の活動もなかなかハードなんじゃないかと思ってしまうのですが……。
七瀬:全然大丈夫です! 普通に会社員として働いてたとしたら、9時から18時まで働いてプラス残業があったりするじゃないですか。今の活動時間自体はそれとあんまり変わらないと思うんですよね。
──結果的にフルタイムで働いているのと同じくらいの活動量だとすると、だいぶすごいとは思います!
七瀬:キツいなって思ったことは今のところないです。社会人を経験してタフになったのかもしれない!
毎日朝活として「おはすず」をやってますけど、そもそも毎日同じ時間に同じことをやるっていうのが苦じゃないんです。「平日は7時、土日は5時半に始業開始」みたいな感じでルーティーン化されてる方が自分にフィットしてるって感じるんですよね。逆に自由だったら困っちゃうというか(笑)。
しっかりスケジュールを決めちゃった方が自分にとって楽っていうだけなんですが、そうやって続けていることがスタッフさんや先輩方から「すごいね!」って言ってもらえてるのはうれしいです。始めた当初はそんなふうに言ってもらえるようになると思ってなかったので、自分だけでなくリスナーの皆さんに育ててもらった企画だなって思います。
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社会人経験がライバー活動で活きたこと
──ご自身の経験を踏まえて、現代社会を生きるうえではどのようなスキルが必要だと思いますか?
七瀬:自分で自分のご機嫌を取るっていうのとつながるんですけど、やっぱり自分も周りも大切にすることは、心も身体も健康的に生活するうえで必要なことだなって思います。
あと会社では話しかけやすい存在でいるようにすることも意識してました。けっこう頼まれごとをする部署だったんですが、不機嫌な人って相手も話しかけたくならないじゃないですか。だから頼ってもらいやすいように普段からにこやかでいるのは意識してましたね。
──社会人時代のエピソードでも先輩に愛される後輩力の高さがうかがえましたが、先輩方と接するうえで気をつけていたことはありますか?
七瀬:とにかく挨拶はしっかりしてました。挨拶って基本中の基本だし、なんならちょっと古臭いイメージもあると思うんですけど、挨拶されて嫌な気持ちになる人っていないので、結局挨拶が一番大事だなって思います。
それをコミュニケーションの1歩目にして、わからないことはすぐ聞くとか、顔を覚えてもらうようにするっていうのも重要だと思います。でも会社やグループの空気によっては積極的にコミュニケーションを取るのが難しいこともあるでしょうし、あんまりぐいぐい行き過ぎるのは嫌な人もいると思うので、場合によりけりではあるんですけど、基本的に大きな声でハッキリ挨拶するのはマジで大事です!
──新社会人のみならず、社会に生きる全員が活かせる極意だと思います。そうした社会人経験で得てきたものが今のライバー活動の中で活きていると感じることはありますか?
七瀬:毎日朝活をやろうと思ったのも、私自身が会社員時代に朝の準備時間とか通勤時間がすごく暇だったので、そういう時間に聞いてもらいたかったからなんですよ。だからリスナーさんから「通勤の電車の中で聞いてます」とか「学校行く準備しながら聞いてます」って言ってもらえるとすごくうれしいんです。
会社や学校に行くのがつらい気持ちもわかりますし、「やっと残業が終わったと思ったら10時間後にはもう家を出なきゃいけないのかよ」とか計算しちゃって憂鬱になっちゃうこともあると思います。でもそんな日々の中でも、朝YouTubeを開いたら七瀬すず菜が配信していることでちょっとでも楽しい気持ちになれるようなお手伝いができたらいいなと思うんです。そうやってリスナーさんと近い目線でいろんな気持ちを共有できるのは、社会人を経験した私だからできることなのかなと思っています。
記念すべき「おはすず」初回放送。【朝活】おはすず 8月17日(土)【七瀬すず菜/にじさんじ】
新社会人へ七瀬すず菜からのエール
──これまで七瀬さんの社会人時代のお話をお聞きしてきました。そんな七瀬さんから、これからの新社会人に向けてのアドバイスをいただけますか?
七瀬:新社会人となると、新しい環境に入って知らない人だらけの中で、新しい仕事をたくさん覚えないといけないじゃないですか。もうただでさえ大変だと思うんですけど、何か失敗してしまったり、上手くいかなかったりしても、気にし過ぎない方がいいです。
私もそうだったんですけど、上手くいかないときは自分が悪いんだって思ったり、先輩のようにできないのは自分に能力がないからだって思ったりして苦しくなることがあるんです。でも初めのうちなんてできないことがあってつまずくのが当たり前なので、どうか自分を傷つけないで、自分のご機嫌をうまく取りながらいろんなことに挑戦してほしいと思います。そうやって目の前のことに一生懸命取り組みつつ、自分も人も大事にしながらがんばってほしいです。
──同じ新人というくくりの中でも、真面目にがんばれてしまうがゆえに、少し損なポジションに置かれてしまう人もいると思います。七瀬さんご自身もそうした手のかからないタイプだと思われて、頼られ過ぎてしまうこともあったんじゃないですか?
七瀬:そういうタイプって任された以上、ある程度まではがんばれるんですけど、がんばれるってだけで決して余裕なわけじゃないんですよね。頼られるのはうれしいんですけど、キャパを超える仕事を振られちゃって困ってしまうときは私もありました。そういうときは周りにちゃんと助けを求めるのも大事だと思います。
がんばってやってるだけなのに、それを当たり前に見られちゃうのはつらい部分もありますよね。でも、そういうがんばりって誰かが必ず見てくれてますし、報われる瞬間は絶対あると思いながら働いていました。
──七瀬さんのそうしたしっかり者気質なところにシンパシーを感じている人も多いと思います。
七瀬:私自身は本当にそんなにしっかりしてるわけじゃないんですけど、みんなの期待には応えたいって思いももちろんあります。Specialeでは年長組だし、ほかのメンバーが困ってたら助けたいし、相談にのりたいですからね。それが大変ってことは全然ないです。逆に助けてもらうこともありますし、にじさんじでは先輩たちにいっぱい甘えてますから!
──その七瀬さんの心意気に感服します。最後に今後の目標についてうかがえますか?
七瀬:Specialeで働いているからにはごはん系の企画をもっと充実させたいと思っていて、最近食品衛生責任者の資格を取りました! 野菜ソムリエも取りたいし、ごはん系ライバーとしてもっとがんばっていきたいです。
「おはすず」も200回を超えたんですが、このまま300回、365回と続けていきたいですね。先日「にじさんじフェス 2025」に参加して、やっぱりリアルイベントってめっちゃいいなって思ったので、いずれは先輩方みたいに大きなライブやイベントができるように、自分の活動をしっかりコツコツがんばっていきたいなって思います!
くっきんどりーみんらんど - Speciale
取材・文:オグマフミヤ 編集:ANYCOLOR MAGAZINE編集部